洪水マンションの水害―横浜浸水地域のマンション浸水対策と契約解除

マンション浸水

マンション浸水の多いのは、横浜市内でいえば谷地エリアのふもとで沿岸の磯子区や金沢区など、本来、住みやすいと人気のエリアです。

谷地のふもとの低地では、台風時期には恒例行事としてマンション浸水が発生します。

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マンション浸水の多くは業者責任によるもので、裁判で瑕疵担保責任を訴え、売買契約解除を求めると原告勝訴の可能性が高いといわれます。

マンション洪水については、被災者が勝訴するようなマンション売却契約解除の判例が確立しているようで、勝ちやすいらしいのです。

マンション水害の原因―洪水マンション

台風の後、雨はやんでいるのにマンション内(特に最上階)が大洪水となってしまう「洪水マンション」は、低層マンションではよくおこる事件です。

洪水マンション等、自然によるマンション水害は、台風で吹き飛んできた枯葉やビニールゴミがマンションのルーフドレンに詰って、排水機能が停止することが原因で起こります。

洪水マンションになる低層マンションでは、屋上に落ち葉が溜ることが頻繁にあります。これが排水口を埋めてしまうと、その後から降った雨が貯えられ、屋上がプールになります。

プールとなった屋上のその「水位」が上ると、電線管の接続ボックスまで水没し、この電線管を経由して、マンション内に大量の雨水が流れ込みます。

外は晴天なのに、室内は天井のあちこちから雨が降ってくる――ホラー映画「仄暗い水の底から」のラストシーンのような光景になります。

これが、洪水マンションで一番よくあるマンション水害です。

マンション浸水水害対策の「矛先」

マンション浸水や水害対策には、中古マンションを購入する側も気をつけなければなりません。

というのは、マンション水害の加害者として、賠償の「矛先」を向けられないためにです。

区分所有マンションの共用部分内の排水管腐食が原因で階下に「漏水」すると、その賠償責任は管理組合にあります。

しかし、割安だと思って購入した中古マンションの自分の区分所有する専有部分の排水管腐食で階下に水害が生じると、その専有部分の所有者に賠償責任があるのです。

これはマンション浸水対策のように、事前の準備・予防、つまり購入前のチェックが困難です。

ただ、浸水・水害の多い地域の老朽化マンションは鉄筋部分の腐朽の可能性が浸水のない地域よりヒドイことを念頭におくと、少し慎重になれます。

横浜浸水地域

横浜市は市域全体が多摩丘陵の端っこの谷間・谷地のようだと、横浜市役所のホームページには書かれています。

高級住宅街である青葉区にも寺家ふるさと村という谷地の田園地帯があったり、瀬谷区や保土ヶ谷区など区名自体が谷地を表していたり、横浜市内が谷で構成されているのは明解です。

横浜浸水地域は、これら谷地丘陵のふもとに広がっています。

横浜浸水地と給排水能力

横浜市のような近代都市化に成功した自治体には、超・密集市街地に特有の「街の給排水能力不足」という弱点があります。

過度な人口密集地域の多い横浜市内では、市区が設計した下水容量の想定を上回る集中豪雨によって、「内水氾濫」という水害が発生することがあります。

これは、横浜市ハザードマップに記載された出水地域以外にも起こりうる浸水水害です。

大都会かつ居住地としての活用度が高い横浜市では、給排水能力が人口増加に追いつかないため、浸水害はおこるべくしておこる災難です。

浸水害と横浜マンション地区

洪水その他の浸水害のおこる地域では、マンション売却のさい、水害に弱いところを説明して販売しなければならない重要事項説明義務があります。

例えば、区内を横浜市営地下鉄が駆け巡り、東京都内より整備された交通網を有する都筑区には、高級マンション地帯があります。

ところが、これら港北ニュータウンやららぽーと横浜・パークシティLaLa横浜ほかの購入マンション群は、「農地」の上に計画されました。

農地といえば、洪水・浸水・地盤沈下の危険を孕んだ、ふつうは家を建てるには適さない土地の代表です。

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マンション浸水対策

横浜や東京都内で「高級」と呼ばれる最近の物件には、マンション浸水対策が完璧に備えられています。

しかし、バブル時代の中古マンションは浸水対策がぜい弱であることは全国共通です。

浸水・洪水予想地域では、マンション販売時にそのマンション浸水対策(台風集中豪雨対策)の説明義務があります。

浸水地域なのに浸水対策不十分なマンションは、売買の時に説明義務を怠り、大雨の後に浸水害に被災して、説明義務違反を原因としたトラブルになることが頻繁にあります。

浸水・水害対策のないマンション

「マンションは洪水になったら逃げ込んで洪水の濁流で溺れないための避難場所」というイメージがあって、「マンションは水害に強い」と思っている人はかなり多いそうです。

しかし、1階は洪水に対して戸建て住宅と同じ条件ですし、戸建てと違って被災後に「畳あげ」や「虫干し」などの自力ケアができずに後遺症が蓄積するぶん「弱い」といえます。

横浜市など、谷地の多い自治体では、ヨソよりも道路冠水などの洪水被害を予防するために多目の予算が取られています。

それでも、個々の不良施行が原因でマンション水害に被災することがありえます。

地下住戸はマンション浸水対策も無効

賃貸やオフィス利用なら、【地下住戸物件】はソコソコ雰囲気があってカッコ良いものです。しかし、分譲マンションとして購入するのは、「マンション浸水」の観点からお勧めできません。
マンション本体は優良で、施工がしっかりしていても、地下住戸に特有な構造上の欠陥住宅トラブルともいえる悲劇にみまわれる可能性があるからです。

中古マンション購入を考え、物件を検索していると【地下住戸】に度々でくわします。
地下住戸が売却案件になっているのは、前所有者がマンション地下住戸のデメリットにうんざりして、「住んでられたもんじゃない」と投げ売りした結果である可能性があります。

洪水マンションの水害を最も受けやすいのは地下住戸であることは、理屈の上でも説明が簡単です。
さて、地下住戸のトイレ、キッチン、風呂からの生活排水は、いったん貯留槽に入り、そこから排水ポンプで公共下水道管へ流れます。
このポンプが集中豪雨の時などに容量の限界となり、マンション自体が洪水被害を受けていなくても、地下住戸だけ排水が逆流してくる浸水・水害にみまわれるかもしれないのです。

数年前の集中豪雨のとき、東京都内は神田川沿いの区域で下水が氾濫し、マンホールから下水が噴水のように噴きあがりました。作業員の方が下水に流され死亡したニュースを覚えてる人は多いでしょう。
テレビで放映された、マンホールから噴出する下水の光景と同じ浸水害が、マンション地下住戸のトイレ、風呂や洗濯機の排水口で起きるわけです。
そのおぞましいシーンを想像するだけでも、分譲マンションの地下住戸購入は止めた方がいいことが分ります。

地下住戸は、分譲売主が土地の容積率をありったけ使い、一戸でも多く分譲販売するために作られます。
第一種低層住居専用地域で、買い取った土地面積をギリギリまで使い切るために、【建築基準法52条3項の地下住戸の容積緩和規定】を適用して、地下住戸を造り、分譲マンションの利益率を上げるのです。

傾斜地マンションの【地上4F、地下3F建て】といった物件の地下3Fの居室は、洪水マンションの浸水水害を受けやすく、マンション浸水対策も不発に終る可能性があります。
「多少難アリでもいいから、少しでも安くマンション購入したい」と考えている人も、洪水マンションの浸水水害には注意が必要です。

洪水マンション売却

マンションの浸水被害を実体験して、「こんなマンション住めるか!」と引越し、住み替えのため誰かに売却しようにも、今度は自分が「洪水マンションです」と告白しないと売れません。

賃貸借ならともかく、不動産の欠陥品(=事故物件・訳あり物件)はマトモな値段じゃ購入する気になれません。洪水マンション売却は困難です。

住みづらいわ、売れないわ、と不満タラタラのまま谷地の洪水マンションを所有し、持て余しているオーナーさんは横浜市内だけでもかなりの数いるでしょう。

マンション水害の例―内水氾濫で浸水

マンション水害の典型例が、「内水氾濫」です。これは、谷地の谷あいの窪地・低地にあるマンションで、「道路より低い位置にある1階の排水口」を伝って、水が溢れるマンション浸水です。

今どきの浸水地域マンションの売買契約書には、「浸水地域」とうたわれ、不備はありません。

しかし、浸水対策はとらず、浸水対策のないのを告げずに売却したことで欠陥住宅損害賠償に発展することはよくあります。

「浸水対策をとっていないこと」を言った言わないでトラブルになり、「言った、だからこそ売買価格を安くしたんだ」と開き直る販売業者もいます。

横浜市戸塚区の傾斜地マンション

マンション売却契約解除の判例

欠陥の疑いのある洪水マンションは、売却は困難ですが、マンション売却契約解除につき裁判すると原告が勝訴する瑕疵担保責任判例が確立しているようです。

東京地方裁判所の2003年4月10日の判決で、「浸水対策を怠った業者に『瑕疵担保責任』に基づき売買契約の解除と売買相当代金の返還、慰謝料・訴訟費用の支払い」を命じました。

それ以降、03年のマンション売却契約解除の判例に倣って、業者の瑕疵担保責任を負わせる判決が多いようです。

浸水物件を掴まされたかたは、正式に裁判で売買契約の解除と売買代金返還、またはマンションリノベーション費用の請求などしたらいいかもしれません。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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