相隣関係=隣接土地所有者同士の互譲・相互扶助を目的とした民法の規定

相隣関係とは?

相隣関係とは、隣接する土地所有者同士の互譲のための、土地の使用制限とトラブル回避ルールについてまとめた民法の規定を意味します。

相隣関係は民・民の間の自主的な相互契約を支援する法律です。なので、隣地間で納得がいけば、相隣関係に反する取決めも構いません。

民法の相隣関係は、建築基準法その他の特別法や地域慣習が優先されることも多いです。

近所が気になるのは密集市街地の特徴。

以下は民法の相隣関係の条項タイトルとその解説です。

民法の相隣関係条項(209条~238条)

隣地使用権(民法209条)は、家を建て替えやリフォームするのに隣地所有者が許可してくれない時でも、必要な範囲内での使用は請求できる権利。都会の相隣関係の代表的な事例です。

囲繞地通行権(210条~213条)は、袋地所有者とその袋地を囲む囲繞地所有者との相隣関係規範です。

水流に関する権利(215条~222条)とは、住宅街で隣地から自然水の流入があった時などに、どう相隣関係を維持するかの規定です。

囲障境界設置権(223条~232条)は、隣家とプライバシーを保って付き合うための塀や目隠しの規定。

竹木切除権(233条)は、隣家から伸びてきた木の枝は伐っちゃダメだが、垣根を越え生えてきた筍は食っていい、という一昔前の田舎の百姓にむけたセコイ法律です。

境界線隣接地帯に関する権利(234条~238条)は、「境界線から50センチ離せ規定」です。

しかし、東京都内や横浜などの都会では、ビルとビルの隙間が猫1匹通る程度しかないのをみれば、「相隣関係は特別法や慣習、建築協定に劣後する」という意味が理解できると思います。

以下、相隣関係のうちの水流に関する相隣トラブルの例を紹介します。

相隣関係 丘陵地

横浜市や川崎市は東京都市部《多摩地域》から脈々とつながる多摩丘陵の東の端っこであり、市域の多くは多摩丘陵の台地や斜面地域に存在しています。

横浜都市伝説〕で記したとおり、高台部分は水はけも良く住宅建設に最適な場所です。

対して丘陵部分は〈良い土地〉もあれば、災害危険区域と紙一重の〈危ない土地〉も混在しています。相隣関係における「水流トラブル」の起きやすい場所です。

今回の台風でも〈崖地〉を多く抱える横浜・川崎には横浜地方気象台から避難勧告が出されていました。

横浜市内の崖地のよう壁。

丘陵地帯を開拓した住宅街は水はけは平地に比べたら格段にいいですが、ときに〈盛土・切土〉による敷地と敷地の高低差からトラブルが起きたりします。

雨水排水トラブルの相隣関係裁判

知人の弁護士に「隣地が盛土したせいで自宅敷地が雨水で一杯になる!《損害賠償》したい」と相談にきた人がいたそうです。

結論からいうと、〈賠償〉なんて無理でした。隣地の敷地内に揚水ポンプによる排水路を設けてもらい決着したようです(ほぼ隣家のご好意)。

訴訟にせずに排水路を設けてくれた隣家の〈大人対応〉が良かっただけで、丘陵の分譲地を購入するなら(相談者こそ)事態を、想定しておくべきだと知人弁護士は言いました。

常識的に言っても、盛土により隣地からの雨水排水が自己の敷地に入ってきても隣に文句を言う人は少数です。自分のトコで排水設備を設けて処理する人のほうが多いです。これが日本人らしさでしょう。

こんなネタで裁判しても、原告が損害賠償金をゲットできる可能性は低いです。でも100%負けるのに弁護士費用で儲けたいから「裁判にしよう」と相談者を煽る弁護士も多いそうです。

民法214条 承水義務

相隣関係―民法214条の承水義務は、水が流れる上流側じゃなく、流れてくる下流側の敷地の人に義務があるようです。

これは、下流側の人は上流敷地から「自然に流れてくる雨水」を堰き止めてはならない、というものです。

イメージはこうです。お隣さんの敷地が小高くなっていてコンクリや石垣の擁壁があるとします。

こういう擁壁には複数個所に排水パイプが設けられ、隣地に降った雨水が地下に滲み、ここから排水されます。

これを、埋めてしまうことが、承水義務違反、普通にしておけば、「承水義務を果たしている」ことになります。

権利を確保するなら口ゲンカより法律で。

相隣裁判で原告勝訴の可能性=低

つまり、丘陵地の住宅で隣地より低位置を購入する場合、水は下流に流れるってことを理解して甘受し、自分も盛土するなりの努力が必要ということです(+建築基準法 雨水排水)。

【自用地に溜った雨水の〔隣地の分〕なんて計算できないし、自宅敷地の排水処理をしときゃ隣地の雨水も含めて排水できるでしょう】と知人は相談者にお説教したそうです。

(但し、隣家に―極端な盛土したり、池を造ったり、住宅以外に違法建築物があってそこから水が漏れてくるなど責めに帰す事由がある時は別とのこと)

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