空き家対策法=固定資産税と特定空き家対策条例で廃墟を失くす法律

空き家対策法による地元自治体の空き家対策条例で、【無人・未入居の実家が特定空き家に指定】される心配や、固定資産税その他の税金対策にお悩みの方、ページ下の【 空き家 貸して下さい 】をご参照下さい。

空き家対策法とは

空き家対策法とは、周辺住民に害悪をおよぼす原因となる無人・管理者不在の住宅所有者に、その建物の不当な存在を改善させるための法的強制力を行使する権限を地元自治体に与え、危険な老朽住宅の増加を抑止する目的で制定された法律です。

空き家対策法は正式名称を、空家等対策の推進に関する特別措置法といいます。
空き家対策法は、平成27年2月26日に施行され、特定空家等に関する措置は5月26日から開始され、それ以降、特定空き家に対し、固定資産税・都市計画税の評価が変更になり、これは28年1月1日時点で判断されます。
よって特定空き家所有者は、平成28年度から「住宅用地特例の減額の対象外」として、以前より高い固定資産税を支払うことになります。

税金の負担を示す画像

もちろん、平成28年から全ての空き家が対象になるわけではありません。
空き家対策法で固定資産税を値上げされる空き家は、地元自治体から特定空き家と判断・指定された近所迷惑な老朽家屋です。
ですから、所有者が適切な空き家管理を怠らなければ、特定空き家と判断されず、従来どおりの固定資産税で問題ありません。

空き家対策法施行前までは、建物を取壊して更地にすると土地の固定資産税が上るという制度でした。それを廃止し、建物を取壊すと固定資産税が減少することになりました。

住宅用地特例(住宅用地の課税標準の特例)とは、
〈敷地面積〉の、
200㎡以下の部分=固定資産税を1/6、都市計画税を1/3に減額。
200㎡超の部分 =固定資産税を1/3、都市計画税を2/3に減額。
という制度でした。

平成28年度1月1日以降に空き家対策法にもとづく空き家対策条例で【特定空き家】という烙印を押されてしまった家屋には、この特例が適用されなくなるで、大まかに言うと以下のような固定資産税計算になります。

財務省や総務省のサイトを見ると、200㎡以下で良質な家(エコ住宅みたいな家)とそうでない家で分けられますが、倒壊寸前の良質な住宅があるはずないので、〈そうでない家〉の計算式を以下に示します。

今までは廃屋付の宅地の評価額が1千万円だったら、固定資産税は23,333円でした。

〔 1,000万円×〈1/6(特例割引)〉×〈1.4%(標準税率)〉=23,333円 〕

今までの更地は、税金が98,000円でした。

〔 1,000万円×〈(評価額の)70%〉×〈1.4%(標準税率)〉=98,000円 〕

28年度以降の固定資産税計算法は、従前の更地と同じ掛け率になるので(98,000円÷23,333円=)4.2倍になるということです。

都市計画税は丸っきりなくなる?とかいうので、計算も何もありません。

併せて、補助金や税制優遇措置を更地にした人に与えることで、〈特定空家〉以外の空き家も減少させようという試みです。

固定資産税・都市計画税の相当税額算出例|東京都
※ 東京都の公開している固定資産税・都市計画税の計算例です。

固定資産税(土地)の税額計算の仕組み – 横浜市
※ 横浜市の市税の解説ページ。宅地の固定資産税の仕組みと計算方法が〈図・画像〉で説明されています。

空き家対策法の対策=〔法律~税金~仕事〕

空き家対策法に引っかからない――現・空き家オーナーの「空き家対策法の対策」としては、売却するか、管理サービスに委託するか、自分自身がそこに住むことで空き家状態の解決をするかしか、方法はありません。

〝誰かに貸して家賃をもらう方法もあるだろう〟

という意見もあるでしょう。

でも、その誰か?
――すなわち新築マンションやタワーマンションさえ乱立しすぎて「購入費」も「賃料」も下り、借りやすくなっているのに、所有者が死んで無人化してから久しい築古物件をわざわざ好きこのんで借りる奇特な人間――
なんて、どこにいるんだよ!……って話です。
世のほとんどの人は、数万円高くても、同じ中古なら一戸建てよりマンションのほうが割安感があって、そちらを選択するでしょう。

(ただし、当ブログ運営では、今、空き家を求めています。詳しくはページ下の【 空き家 貸して下さい 】を参照して下さい。)

空き家問題を抱えるのは、――親が死んで実家を相続したが、自分は遠方に住んでいて、実家に戻ってしまっては仕事ができない――という人がほとんどです。

特に男性の場合、仕事なくして人生なし、であり、実家が商売でもやってれば別ですが、単に家を引き継ぐためだけに都会の仕事を放棄して地元に帰ってくるような無計画なことはできません。

今、もうすでに親が死んで空き家を持て余しているなら話は別ですが、まだ親が存命で元気に頑張っているが、老いも目立ってきたと思ったら、早目に空き家対策法の対策を考えておくことが大切です。
もし、実家を受け継ぐのなら、法的なことや税金よりも【自分が実家に戻って住めば、空き家にならない】ということの前提として、故郷でもできる仕事について、考えることは必要です。

遠方に住む息子が親孝行として親の家をリフォームしてあげるケースは増えています。
しかし、持ち家の親なら、たいてい子に残す預貯金、財産を持っています。
息子が自腹を切って実家をリフォームしてやって、親が相続税対象以上の貯金を残しておくよりも、費用については親に出してもらう等、税金を余分に払うことのないよう、方策を相談しあうことが得策です。
空き家対策法は、ゴミ屋敷並みの【迷惑空き家を増加させないための法律】でありますから、普段から【家族で家を健全な状態に維持】しておく努力が大切です。

特定空き家とは

特定空き家とは、倒壊の危険や衛生上の有害、景観損害をおよぼす可能性から【周辺環境保全に不適切な建物】と、地元自治体に指定された老朽空き家・廃屋のことを意味しています。

特定空き家の要因である「倒壊の危険・衛生上の有害」という状態から具体的に考えると、東京都内23区や神奈川県横浜市・川崎市等の下町エリアの密集市街地に昭和時代に建てられ、所有者の怠慢によって荒れ果てて近所迷惑になっている【ゴミ屋敷】が、特定空き家であると判断できます。

特定空き家の区分には、「一戸建て住宅に限る」といったしばりはありません。
アパート・マンション等の集合住宅も、無人のまま住宅過密地帯の保安を損ねているなら、空き家対策法の指定する特定空き家に該当することになります。

東京都の荒川区・墨田区・足立区や川崎市の旧工業地帯の名残りとして残っている廃墟工場・老朽倉庫・事務所や店舗併設の長屋建物も特定空き家の対象です。
とはいえ、都内各区にあった工場系・特定空き家予備軍は、東京スカイツリーバブルの時にほとんど買い取られ解体され新建物になり、川崎や横浜の朽廃建物群も、行政が進める、超サイエンス都市計画の一環で、民間がドンドン空き家買取をおこない、ほぼ整理されてチラチラしか見かけることがなくなりました。

しかし、特定空き家は増え続けています。
同時に割安な新築住宅も本年だけでも80万件以上販売されています。
現代の70~80歳台の高齢者の持ち家率は8割以上というのに、彼らが死んでも子が居住する確率は低く、受け継ぐ者のいない無人の家は老朽・朽廃が進んで、特定空き家になるしか道がありません。
引き継いだ実家にリフォームをかけても耐震性に不安が残るから、死んでいく【持ち家老人】が残すボロ家よりも、新築の方が割安感・安心感があり、子世代は新築のほうを選びます。
このような経緯で故人の遺した実家は空き家化し、さらに特定空き家に変わり、増え続けていくわけです。

廃墟の固定資産税と【特定空き家法対策】

東京都内や横浜・川崎に実家がある人は、相続後に特定空き家にならぬよう、相続人の誰かが住むか、解体して活用するか、古びて売り物にならぬ前に実家売却を実施するか、親が死ぬ前から家族で相談しておかなきゃなりません。

築古物件、老朽家屋、廃墟となる家の画像。

日本一地価の高い東京都内も、東京に続く土地価格で、坪単価が1,000万円を超え始めた横浜市内も、地価が高い分、固定資産税も高額です。
廃墟のような実家にも、家の価値とは関係なく都内にあるというだけで莫大な固定資産税がかかってきます。
特定空き家法・条例が施行される以前は、更地よりも建物残してた方が固定資産税・都市計画法の減免があったのですが、法律施行と税改正により、廃墟を残しておくと固定資産税で不利になる形勢になりました。

この特定空き家法と固定資産税改正は、廃墟周辺住民の「せっかく『東京都内のマイホーム』を持てたのに、近所のボロ家で台無し」という憤りを反映したものです。
親も高齢になり、死や施設入所も近いと感じた相続人予備軍は、親が倒れて事態が深刻化する前に、実家を廃墟・特定空き家にしないよう、現状有姿で売却するのか、建て替えて自分が住むのか、実家をそのままの状態で引継ぎ住むのか、計画した方がいいでしょう。

参考:行政の空き家対策レポート(東京都~神奈川県)

公益財団法人 東京市町村自治調査会のPDFレポート ― 空き家への具体的対策、他
※ 老朽化空き家などについて、都内23区や横浜市内の自治会などの取組み、NPOの活動などについて詳しく書かれている。(84ページ有り、ちょっと重い)
(東京市町村自治調査会は、東京市町村部(23区を除いた奥多摩桧原村から小笠原までの広域)の行政シンクタンクです。)

谷戸地域対策検討事業(案) 都市部都市計画課 – 横須賀市(PDFファイル) 〕
※ いち早く空き家の解体除却行政代執行をすすめた横須賀市の空き家対策事業案。空き家の活用例や空き家バンクなどについて、問題点・課題を含めレポート。

空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(PDFファイル) 〕
※ 国交省のまとめた固定資産税にかかる空き家所有者への対策措置のページ。

東京都主税局<都税Q&A><都税:税金一般> 〕
【税金一般】平成27年度 地方税制改正のあらまし
固定資産税都市計画税
⑷空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る課税標準の特例措置の対象から除外する。
⑷平成28年度分から

空き家対策条例

空き家対策条例とは、空き家対策法にもとづいて、その市町村内に存在する空き家の不良状態を解消させるために自治体が施行する、市町村独自の建築物に対するルールです。
空き家対策条例は、空き家対策法によって、周辺住民の迷惑になるまでに老朽化した空き家を【行政代執行】という強制力によって、廃除することができる強力な自治体権限です。

この空き家条例代執行は、別の場所に住んで空き家の老朽化を放置したままでいる空き家所有者に対し、所有する家を特定空き家に指定して、増額された固定資産税の支払いを督促し、支払いを拒む者には空き家対策条例に準拠した行政代執行、すなわち空き家を解体するための通告をすることができます。
空き家所有者が自治体からの空き家条例による命令に従いたくないなら、空き家を売却して清々するか、空き家の周囲を清掃整備し、建物もリフォームし、近隣住民に倒壊の危険を与えないよう改善してから、空き家巡回サービスを定期契約して、空き家を健全な状態に維持し続けなければなりません。

空き家対策条例は、かように強権的な義務を定めているので、東京都内23区や神奈川県横浜市・川崎市では、空き家問題解決に資する大きな効力を発揮しているようです。
すでに昨年辺りから、足立区や横須賀市の不良空き家に対し、行政が有無を言わせず、重機を使った建物取り壊しを行っているシーンをマスコミがくり返し報道しているため、今まで朽ちるに任せていた実家の空き家を何とか処分しようというオーナーが増加しています。

空き家条例一覧 東京都

空き家条例は、東京都内では以下の一覧のように多くの区が施行し、神奈川県の横浜市・川崎市でも、行政の積極性が見られます。
しかし、空き家対策法が日本中の空き家問題解消に影響をおよぼせる法律であるのに、地方ではこれに基づく空き家条例制定にあまり活気がありません。

田舎では空き家条例よりも空き家バンクの方が、いかにも仕事してるように見えるからか、自治体が好んで取り入れています。
多くの田舎の地方公共団体で、公的な空き家バンクサイトを作っています。しかし、有効に機能している空き家バンクは1つもないでしょう。
空き家バンクを通して成立した、空き家売買・空き地売買がほとんどないのは、容易にわかります。
自治体の担当部課は、空き家バンクサイトを開設したことで、地元の空き家対策に一役買ったような気持ちになれます。
それを否定して「どんどん不良空き家を処分しよう」という、イケイケなスタイルの空き家条例を制定しようなんて、地方議会の条例案会議には提案さえされないのかもしれません。

空き家対策条例に前向きな東京都や神奈川は、他の道府県と比べ、特定空き家化しそうな不良空き家が少ないという統計があります。
空き家条例に深刻になるべきなのは、東京・神奈川以外の全エリアのはずですが、問題ある地方ほど空き家条例に関心がないようです。

「田舎の中で『街中』と呼ばれる商店街」や「地方の元・新興住宅地」の空き家率は惨たんたるものです。
バブル期に学生向けに建てただろうワンルームアパートさえ、無人化して雨戸を全て閉め切って腐朽し続けている光景がザラに見ることができます。

(都内で風呂無しのボロアパート経営をしているオーナーからしたら、『UB付のワンルームが放置されてるよ、勿体ない!』とノドから手が出そうになりますが、田舎の旧市街地に人が戻る可能性は低く、タダ同然で手に入れてもマイナスの資産になるだけでしょう。)

さて、以下は東京都内23区(特別区)の空き家対策条例の一覧になります。都内各区が独自の空き家対策条例を施行しています。

現金処分のイメージ写真。

足立区の空き家条例

荒川区の空家助成対策

板橋区の老朽建築物対策

江戸川区の空き家対策

大田区の空き家条例

大田区空き家の適正管理に関する条例

葛飾区の空き家条例

北区の空き家に関する条例

江東区の空き家関係助成

品川区の空き家条例

渋谷区の空き家に関する条例

渋谷区安全・安心でやさしいまちづくり条例

新宿区の空き家条例

杉並区の空き家条例

杉並区空き家等対策協議会条例案

墨田区の老朽建物に関する条例

墨田区老朽建物等の適正管理に関する条例

世田谷区の空き家条例

台東区の空き家条例

台東区空き家等の適正管理に関する条例

中央区の空き家に関する取組み

千代田区の空き家に関する取組み

千代田区議会第2回定例会議事速記録

豊島区の空き家条例

豊島区建物等の適正な維持管理を推進する条例

中野区の空き家条例

中野区安全で安心なまちづくりを推進する条例

練馬区の空き家に関する条例

文京区の空き家対策の取組み

港区の空き家に関する取組み

隣の空き家について―港区ホームページ

目黒区の空き家に関する規則

――空き家〈条例対策に〉貸して下さい――

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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