借地相場―借地権売買相場&地代相場【途中解約・解除と買取】

借地相場―借地権相場、地代相場

借地権売買には相場があります。借地相場には地域による大きな価格差が存在します。

当然。東京都内23区や横浜・川崎など、借地してでも商売したい大都市の中心部は借地権相場も高額ですし、「山林耕してくれたら半分タダで貸すよ」なんていう田舎では借地権相場はありません。

借地権価格の相場は都内では高額で推移していますが、地代の相場は旧法借地権時代から賃貸借している借地権者の権利が強くて、地主の思うように地代をあげられず、よって地代相場も低迷しています。

定期借地権に借地権付建物売買は適用がなく相場もなし

定期借地権は借地人にも底地人にもメリットのある土地貸借契約として借地借家法に設定された条項。施行から二十数年経って〈定借住宅〉の売買案件も目立ち始めました。

売買案件というか、定期借地権住宅の任意売却物件の話が流れてきます。定期借地権建物に借地権付建物としての売買基準は適用されないので、売買自体が成立したのかは不明です。

定期借地権の契約期間内解約に借地権者・地主ともにメリットがあるかどうかは、借地借家法で定期借地権が定められた当初から「50年」が今だ到達しておらず分りません。

借地権の任意売却】というビジネスもあります。借地権はその権利(建物)自体が敷地の土地価格の7~8割近くもする「取引対象」ですから、この不動産権利には相場もあるし、任意売却も頻繁なのです。

定期借地権の任意売却も売買相場もない理由

ところが、【定期借地権の任意売却】の市場はなく、定期借地権の買取業者さんはいません。

なぜ定期借地権に任意売却市場がないかというと、借地権買取にはビジネス的価値がありますが、定期借地権住宅を買い取っても、絶対に転売できないからです。

別ページ【定期借地権の任意売却】記事の末で、「定期借地権住宅を買取ります!」と記してあります。

これは、

「ゲストハウス経営が面白そうだから東京都内23区や横浜市内で割安な物件があったら個人的に買いたい」

だけです。

借地権買取のように、買い取ったら転売できて「商売になる」ものではありません。

「定期借地権住宅を所有しているが持て余していて空き家化しそうだ」、という人向けの募集です。

借地権付建物売買契約書の意味がない

定期借地権は「借地権」という名前だけで、更新できずに定期で終ってしまうので「権利」として弱く、建物が自己所有でも期間終了後には取壊さないといけないので「所有権」としての売買は成り立ちません。

普通借地権建物と同じように、「借地権付建物売買契約書」を交わしても、中古の定借住宅で後20年しか借地契約がなければ、20年後には解体費用がかかります。

この「更地返還義務」があるぶん借家を借りた方がマシ

であり、解体して更地が前提であれば、更地に借家権は成立しないので、「借家権」を生かせるふつうの借家(建物賃貸借契約)よりも価値が劣るわけです。

恐らく、同じエリアにある戸建ての新し目な建物を定期借家契約で借りて、再契約を続けたほうが、定期借地権住宅の残りの期間を購入するよりノーリスクで安上がりです。

だから、定期借地権住宅の積極的な買主がいないのです。

借地権買取請求権と定期借地権

定期借地権を成立させるためには、建物買取請求権=借地借家法13条―借地権買取請求権および更新・存続期間延長などの〈特約〉が無いことを合意されている必要があります。

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普通借地権契約では、借地借家法6条により、底地人は「更新拒絶正当事由」を認められない限り、貸地契約の更新拒絶ができません。

これにより一定期間後に借地契約を終了させるという〈特約〉が同法9条により無効とされてしまいます。

よって底地の売買では「地上に他人の半永久的な権利の付いた土地」として格安な売却価格しか査定されないのです。

定期借地権の分類

定期借地権の〔存続期間満了で借地契約を終了〕という契約は、これらの例外措置として法律により設定されたものです。

存続期間を50年以上とした大枠として〈一般定期借地権〉。事業用、非居住用建物の所有を目的に10~50年未満で設定する〈事業用定期借地権〉。

30年以上経過したら、貸主が借地上の建物を借主から買取ることを約束した〈建物譲渡特約付借地権〉。定期借地権はこの3種類に分けられます。

原状回復特約が付いた借地権契約

定期借地権には元々、原状回復特約的に更地返還の約束がついています。

原状回復義務とは、賃貸借契約中に借主の原状回復義務を盛り込む特約を意味します。

「原状回復特約」とは、通常の原状回復義務を超えた負担を、当事者間の合意として賃貸契約書に附帯事項として盛り込み、借主が損害賠償義務を負担するよう規定しています。

普通借地権には無く、定期借地権にはある、地主に有益な規定です。

一時使用の賃貸借

本来の意味とはズレますが、定期借地権のニュアンスは普通借地権よりも一時使用の賃貸借に近いモノと言えます。

一時使用の賃貸借とは、建物賃貸借契約の趣旨・目的から、その建物の賃借使用が限定期間で終了し、利用期間終了後は建物の継続利用や再利用をが出来ない建物賃貸借のことです。

借地権買取請求権も存続期間延長も無い

〈更新〉と〈建物買取請求権―借地権買取請求権〉がない、および建物が再築されても〈存続期間延長〉がない。これら、冒頭に記した定期借地権の底地人に有効な3つの権利は、底地売買(売却)の市場を活性化させます。

定期借地権の解説 – 国土交通省

国土交通省のサイトでも、旧借地権の〔土地が返還されず、キャピタルゲインを借地人が独占し、地代収入が物価上昇に追い付かない〕という底地人の損害を認めています。

借地借家法より強力な普通借地権

その上で定期借地権を創設し、未来に向けて貸地借地不公平感を是正しようというものです。

普通借地権で借地借家法の法的効力が及び過ぎ、底地価格が安過ぎて地主が損をしていた分を、ここで盛り返した形になります。

借地建物のイラスト

定期借地権途中解約=特記事項〈期間内解約条項〉

定期借地権は50年と期間を定めたら、それ以上は契約続行不可能である点、底地人が助かります。

但し、期間を定めた分、民法618条(617条の準用)の反対解釈で、途中解約は契約に定めなくても当然に禁止となります。

借地借家法の適用のある土地賃貸借と民法による土地賃貸借|(財)不動産流通推進センター不動産相談コーナー

このため契約期間内に賃貸借契約を解約することを留保し、特記事項で期間内解約条項を契約書に定める必要があります。

定期借地契約という期間の定めある取引は途中解約できないと知った上で、特に期間内解約に対し合意しているとする内容です。

期間内解約条項を定めた定期借地権の建物買取請求権

ところで、建物買取請求権が借地権者に与えられていないことが定期借地権契約における底地人のメリットです。双方合意すれば底地人が買取できるが義務は無い…という。

これは〈定借〉が更新できない契約だからといって築50年の老朽化した建物を底地人に買取りさせたらマズいだろうと常識的にも考えられるところ。

この建物買取請求権は、借地契約で〔期間を定めないもの〕として築2~30年で解約した時に、築古という程でもない使える建物を解体するのはモッタイないとしてできた物。

建替え解体費用を示す写真

定期借地権は期間を充分定めたから、建物買取請求権を不要としました。

時限付の定期借地権―売買業者でさえ利用しきれるか?

しかし、上記のように〔定期借地権に特記事項で〈期間内解約条項〉〕を定め、更に建物買取請求権もないとすると貸借開始20年位で解約することになった時の借地権者が不利になります。

平成4年8月に新借地借家法が施行され定期借地権制度が産まれてから二十数年が立ち、定期借地権の物件に関しても、土地・建物の売却ニーズが高まっています。

しかし、解約して底地人に売却するのと、時限使い捨ての建物として買い取り業者に売却するのと、どちらも高値で売ることは当然困難です。

不動産業者さんは買取しませんが、不動産個人売買の市場などでは、そういう物件がこれから多く出回るかも知れません。

取引が成立しにくい物件は競売流れのものも同様ですが、売れずにずっとリストに残っていたりします。

(本文、終了)

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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