根府川石(神奈川県小田原市根府川が採石場の庭石)―仕上材料に詳しくなる

根府川石とは、神奈川県小田原市根府川が採石場として知られる高級な庭石を意味します。

仕上材料

中古住宅を建て替える理由には、老朽化によりやむをえず…というより〈資金の余裕〉とか〈孫の成長を見守り二世帯住宅で隠居〉とか悠々自適なセカンドライフタイプが多いです。だから、建築資材や仕上げディティールにこだわります。

しかし、建材・仕上材について解説した書籍も専門サイトもあまり見かけません。以下に、仕上材料(石材)について種類ごとに詳しく紹介しています。石材については、神奈川県小田原市の根府川石や真鶴町の小松石の説明をしています。

仕上材料・石材の定義と種類

仕上材料とは、建築用語の「建築材料」の1分野。建物を築造する構成部分のうち「建築物の外装や内装の仕上げに使う資材」を意味します。(建築材料には、仕上材の他に構造用材料、機能性材料があります)

仕上材料という単語から、美観を構成する外観部のみを指すようにイメージされやすいですが、下地材も(建築構造部ではなく)含め仕上材と呼びます。

仕上材料には、以下のような資材・建材が含まれます。

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仕上材料の種類と素材

  • 天井仕上材
  • 建具
  • 内外装仕上材(石材(※)、タイル、レンガ・テラコッタ、左官材)
  • 外装材(サイディング、セメント、ALCパネル)
  • 床仕上材(フローリング、樹脂、自然素材、カーペット)
  • ガラス(開口部・建具の仕上材)
  • セラミックス材(焼成品)
  • 下地材(化粧合板など)
  • 壁装材(壁紙、クロス)
  • 屋根材(瓦、スレート、金属プレート)

内外装仕上げ材としての石材

仕上材の内外装仕上に使う資材・建材のうち、石材は明治時代に洋式建築の流入に伴い住宅建築にも用いられるようになりました。

もちろん〈城郭の『石垣』〉という言葉があるように、鎌倉時代よりも昔から、石材自体を建材に使っていました。ただし建物自体ではなく土台や〈垣〉としてでした。

明治時代に〈石造建築〉という、建物自体に石を使う工法が輸入されました。しかし地震国・日本では、石造りの組積構造では耐震性不足だと判明し、この建築技術は広まりませんでした。

それから石材は、耐力や構造力を要求されない「仕上材」として使われるようになりました。

日本の石材採掘地域

仕上材であれば、日本には石材を採掘できる場所が色々あるので、需要に事欠かず、浸透するのにも時間はかかりませんでした。

栃木県の大谷石などは「大谷石地下採掘場跡」が観光地として有名です。筆者も日光東照宮観光に行ったついでに、採掘場跡地も見学に行った覚えがあります。

ところで東京都内への通勤圏であり、横浜・川崎という大都市を擁する神奈川県内にも採石場があります。

というより神奈川には、「江戸時代の建築石材の主要な採掘場」が相模湾を望む湘南~西湘地域に、点々と現存しています。

根府川石とは?

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根府川石とは、神奈川県小田原市根府川~米神地区の間の採石場などで産出する安山岩のこと。輝石安山岩の中でも板状節理が発達し、厚みが揃った状態で採石でき加工しやすいといわれます。

暗灰色をしてツヤが柔らかく、住宅建築においてはエクステリアのデザイン的な位置づけとして本御影石のように板石や敷石、飛び石として利用されます。

根府川石の採れる場所

根府川石は、小田原市根府川~米神地区の辺りで砕石されるから地名を取って根府川石と呼ばれます。

小田原市HP 根府川石の解説

根府川は現在、ヒルトンホテル小田原・スパ&リゾートで知られていますが、JR東海道本線の電車内から見える断崖の景色の通り、この辺りは、もともと「砂浜」のない岩石だらけの磯場であり、採石しやすい場所でした。

東海道線の線路~根府川駅から、相模湾へは急傾斜の斜面になっています。関東大震災の時は、この根府川駅に停車していた列車が急斜面を滑り落ちて崖下に転落し100名以上が亡くなられました。

今でも根府川辺りの海岸の雰囲気が寂しげで、海水浴客がいないのは、その名残りかもしれません。

神奈川県の石材

神奈川県の西湘地域は、江戸時代には採石場としてよく利用されていました。江戸城を建築するさい堀の周囲の石垣に利用されたのは、根府川の隣の〈真鶴町〉にかつてあった、旧岩村の小松山で採れた「小松石」です。

真鶴町ホームページ

根府川石と小松石は、材質が類似しているそうです。採石場所も根府川・真鶴と、東海道線の駅でも隣同士であるから地名の違い以外は似通っているのでしょう。

静岡県の徳川家康や伊豆地方との関係

因みに静岡県静岡市駿河区にある久能山東照宮の家康公宝塔は、真鶴の本小松石で建造されました。

静岡市駿河区 久能山東照宮

なぜ、神奈川県や伊豆の石材が江戸城や江戸の街づくりに使用されたか、それは石を海運で運んでいたのが理由です。

小田原や真鶴や熱海市網代、伊東市宇佐見、川奈、稲取、沼津市江浦などには「石船」に石を積む港の機能があったそうです。

伊豆の石切丁場遺跡

石材を使うメリット

建築仕上材料として石材を使うメリットは、磨耗がなく圧縮力に強く、風化に耐久性があり、不燃性・耐火性が抜群、といったものが挙げられます。

石材のデメリットとしては、比重が重く、欠損しやすい、天然だから大きな材料を得にくく価格が高額になる、加工が難しい、などがあります。

建築材としての岩石には、火成岩、堆積岩、変成岩があります。

建替え解体費用を示す写真

建築用石材の性質

火成岩は地球内部のマグマが冷却して固形化したものです。御影石と呼ばれる花崗岩が建築石材として知られますが、これが火成岩の代表例です。

火成岩の安山岩である鉄平石は、割肌の形状などが意匠的で和風建築にあうとして重宝されます。

堆積岩は風化・浸食された岩石や火山の噴出物、生物の遺骸などが水底や地表に堆積し固定化してできた石です。

高価格で取引される石材

天然スレートとして屋根の葺き瓦に使われる粘板岩の玄昌石が有名。インド砂岩などは住宅の外壁などに仕上材として使われる石材です。

変成岩は火成岩や堆積岩が熱と圧力を受けて変質した岩石です。大理石や蛇紋石が高級建築材料として美観作りのため使用されます。

大理石はその模様の美しさで非常に高価値・高価格で取引される石材です。

石材の種類・特徴・用途リスト一覧

石材は建築物の築造の中で、色々な箇所で使われます。

床を石張り仕上げとして、壁で乾式石張りという方法で、基礎部分では布基礎フーチングの下に敷き詰める割ぐり石として、特徴ごとに使用されています。

精密な現場調査・インスペクトによる値段交渉は信じてよい。

火成岩グループ

花崗岩(御影石)=
(特徴)結晶質で堅硬であり耐久性、磨耗耐性が強い。磨くと光沢をもつが、加工性が悪く、高熱に弱い。
(用途)壁・床の内外装材や石垣。

安山岩=
(特徴)耐久・耐火性に優れている。加工性は高いが光沢はない。
(用途)基礎の割ぐり石・砕石、石垣、床・壁の内外装材。

堆積岩グループ

砂岩=
(特徴)柔らかく加工性が良い。吸水性がある。(用途)壁の内装材、石垣。

凝灰岩=
(特徴)耐火性がある。柔らかく加工性が良い。吸水性がある。(用途)石垣。

粘板岩=
(特徴)泥岩石が層状に圧着した石。耐久性は高く吸水性低い。(用途)屋根の葺き材。

変成岩グループ

蛇紋石=
(特徴)磨くと波のような蛇紋が美しい。屋外では光沢が消える。(用途)床・壁の内外装材。

大理石=
(特徴)磨くと美しい模様と光沢。耐火性・耐酸性は劣る。(用途)床・壁の内外装材。

石材の規格・寸法・等級

建築材料として使う天然石材は、JIS(日本工業規格)によって、岩石の種類・形状・物理的性質によって分類され、性能比較して規定されています。形状による分類には、板石・角石・間知石・割石があります。

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板石

板石とは、厚さが15cm未満で幅が厚さの3倍以上。幅30~65cm、長さは30~90cm。用途は敷石で、花崗岩・安山岩など火成岩グループが使われます。

角石

角石とは、幅が厚さの3倍未満で、長さは91cm~150cm。用途は基礎や沓摺石など。堆積岩グループの砂岩や凝灰岩などが使われます。

間知石

間知石とは、正方形に近い四辺形の底辺を持つ角錐形の石。側面は斜めに削りだす。用途は石垣、火成岩グループの花崗岩・安山岩が使われます。

割石

割石とは、直方体を斜めに割った三角形のブロック。側面の長さは底面の最少辺の1.2倍必要。用途は石垣、花崗岩・安山岩が使われます。

石材の等級

石材の料金(販売価格)や品質のレベル比較のための等級は、その石材の不具合や欠点による減点法で決められます。

一般的な石材は、寸法の不正確・反り・亀裂・ムラ・腐れ・欠損・へこみなど。軟石は斑点や穴をチェック。化粧用石材は、色調・見栄えの不揃い・シミなどを点検されます。

石材の等級は上記の欠点によって、1等・2等・3等品の3種類に分けられます。

1等品

1等品は、「欠点のほとんどない荷口の揃った」もの。荷口とは、発注した石材が砕石地(採掘地)から製材所に届く品の形状をいいます。

上記のとおり、一般的な石材は建築材料としても美観に関係ない場所に設置されるので検査内容がゆるい、化粧用石材は見た目が命です。

化粧用石材の等級審査に亀裂や反りが無関係というのではなく、欠損やへこみは等級審査以前のゴミとして扱われるということです。

2等品

2等品は、「欠点があるが、甚だしくない」石材が選ばれます。1等品ほど完全品ではなく、高級扱いされませんが仕上材として使われます。

3等品

3等品は、「欠点が実用上支障のない」石材。仕上材に使われることは少なく、表面に出ない構造材、床下の束石などに利用されます。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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