賃上げ交渉―底地人は更新売買の機に賃料改定・賃上げ交渉!

賃上げ交渉

賃上げ交渉は底地人(相続底地人)の宿命であり悩みの種です。親からの底地相続で底地人になると、なまじ自分で築いた財産じゃないからか、親の代からの安い借地代を思うように賃上げしにくいようです。

賃上げ交渉のタイミングは借地権更新料を受領する更新時期、そして借地権売却で新たな借主になる時。特に更新時期には賃上げ交渉を粘り、親の代でやらなかった具体的な契約書を確定すべきです。

借地権売買に難色を示す底地人もいますが、売買承諾時には賃上げ交渉も容易で、借地権譲渡承諾料(名義書換料・名義変更料)その他の収入がありますから、ホントは断る理由がありません。

横浜中心街の空撮

底地ビジネスと底地人の賃上げ交渉力

広大な底地を有する底地人ほど、マンション・駐車場経営に飽き足らず、ボロアパート経営から最近ではゲストハウス経営にまで手を伸ばしています。

そして、大規模底地人ほど「容赦ない賃上げ交渉」と賃料改定に余念がありません。だから、底地ビジネスを拡大し続け《大地主》の座を守り続けられるのでしょう。

対して、小規模な底地人さんは借地人に気づかいし過ぎ、賃上げ交渉がままならず、貸地の将来に暗たんとしています。

底地人(相続底地人)

土地を他人に貸して建物を建てさせている底地人のほとんどは、相続で親から底地人の立場を取得した「相続底地人」です。

新興のビジネス街、新たな借地権売買で商業ビルが建ち並んでいるエリアでは、親の代からの相続底地人の賃料は非常に安く、周辺の新興の借地の地代相場とはかけ離れています。

周辺の借地料相場並みに賃上げ交渉したいのは相続底地人の願いです。でも、土地を借りてる借地人も借地権相続で建物を所有し、親の代からの安い賃料に慣れていて賃上げ交渉には素直に応じられないのです。

そういう悩める相続底地人は、東京都内23区のうち成長中の山手線より外側の下町系ビジネス街エリアに多くいます。

大田区の安い借賃を賃上げ交渉

東京都大田区は、ここの所、大森海岸を地名とする大森地域や雪谷大塚商店街で全国的に知られる田園調布地域が、昔からの歓楽街だった蒲田地域に匹敵するほど急激に発展しています。

昭和時代のお金持ちの代名詞である田園調布の住宅街は別として、大森や蒲田など大田区内の主要駅周辺のビルの多くは借地権付建物です。これは23区内どこも同じです。

新興企業がビルを建てるのに、土地ごと取得するより借地に自社ビルを建てる方が早いからです。

昭和の高度成長期に建てられた借地上の建物は破格の借賃だったりします。

大田区は東京都内山手線区域と横浜・川崎をつなぐ要所で地価上昇中なのに、借賃が据え置きで不満を抱え、賃上げ交渉を望む底地人は多いです。

賃上げ裁判

賃上げ交渉は、更新期や借地上建物の賃借権売買のタイミングを見計らって、上手に持ちかけてさえ紛糾する事があります。

底地人が周辺賃料や固定資産税評価額をサンプルに「赤字経営をアピール」し、賃上げ交渉をしても、借地人は冷淡に地代供託して「賃上げ反対!」のスタンスを貫くことができます。

賃上げ裁判にもつれ込んで、賃上げがやっと判決で認められても2年も3年も経ってからでは、賃上げ訴訟に費やした時間と費用で、プラマイゼロどころか赤字になります。

裁判所の判決

相続底地人の賃上げ交渉に向けた借地契約

親の世代の土地賃貸借契約の段階で、きちんと契約書をまいて「値上げ条項」を入れておけば良かったのですが、昔の借地契約の多くが「口約束」で済ましていました。

また、借地契約書を交わしていても借地権者を慮った相続底地人としてはイマイチな内容だったりします。

将来の子孫(?)のために、更新や譲渡承諾の時期に、賃上げ交渉を見据えた借地契約の改定が必要です。

賃料改定

借地権譲渡の際は、新借地人と新たな契約を結べば簡単ですが、更新時の契約改定(賃料改定)はちょっと難航します。

また、借地権更新時に契約改定できても、賃上げ交渉の「賃料改定条件」が具体的になっていないと意味がありません。

「公租公課の上昇により賃料が『不適当』になったら」では、抽象的で説得力に欠けます。

「固定資産税評価額が変更になれば比例して必ず」とか「2年毎に路線価ほかの地価と照らし賃料改定する」とか、定期的なアクションにつながる文言を入れたほうがいいです。

裁判・判決は賃上げ要求に弱腰だけど

かくのごとく借地契約を見直し、賃料改定条件を賃上げ交渉に向けて厳しくしても、いざ賃上げ裁判となると、借地借家法に基づいた弱者保護の観点から、借地人に有利な評価・判決になります。

それでも、親の代の旧借地法時代からの契約を見直さないよりは少しだけマシになります。

大森海岸が大森新地だった頃

ところで、大田区に行くことが多いのですが、大森海岸周辺のIT企業が集まったビジネスタウン化には、目を見張るものがあります。

IT企業が多い街と言うと、ビットバレーという名称が先行して渋谷があげられますが、渋谷は別にITばかりが多い訳じゃない、雑多な所です。

それに比べると、大森辺りや川崎は本格的なサイエンス系タウンになりつつあるなと個人的に感じます。

東京都の密集した町並み

大森海岸は、大昔、八幡海岸と呼ばれる風光明媚な海岸だったものを埋め立てた場所です。一時は江戸時代の〈吉原〉みたいな遊郭・風俗街として、〈大森新地〉と呼ばれてたこともあったとか。

大森新地の置屋さん

古典落語にも、吉原を江戸北の「一流風俗街」、品川や大森を江戸南の「二流風俗街」と表した《品川心中》という題目がありますから、昔はメッカだったんでしょう。

東京には、大森の他にも新宿神楽坂や墨田区向島に〈芸者さんのいる料亭街〉の名残があり、今も芸妓置屋さんが細々とだけど、金持ち相手の商売を続けてます。

置屋建物を《リノベーション》する仲介をした機会に、経営してる女将さん本人から聞いたのですが〈芸妓置屋〉って、新規に始められない既得権商売(?)ということです。

経営権売買と賃上げ交渉

ほんとに法律で規制してる既得権か知らないけど、「そこで建物を『所有』し営業を続けてることが大事」で経営権の売買もあるとのこと。これは現代的な借地権売買の一種の「居抜きの店舗売買」と似ています。

こういう「時代掛かった商売をやってる建物の底地を所有」している底地人は、賃上げ交渉はするのか(そもそも賃料は昔ながらか?)気になるとこです。

芸妓屋さんて、会社接待や金持ち相手の商売とはいえ、ソープランドみたく売買に最低1億の値が付くような儲かる商売とは思えません。

実直そうな商売だし、江戸文化の継承という意味もあるから、相続底地人が遠慮して土地賃料は大昔のままなのか知りたかったものの、無粋だと思い質問はできませんでした。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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