底地物納手引き=相続税物納不可の根拠と相続税延納の手引き

底地物納

底地物納は実質的には不可能です。

改正相続税法で物納に充てられない「管理処分不適格財産」が明確化しました。

国税のあらまし-相続税|神奈川県

これによれば、相続税物納は「延納でも金銭納付困難な理由があること」という要件を満たせば許可がでますし、底地物納不可と書かれている訳ではありません。

しかし逆読みすれば、延納の猶予を与えれば現金化できないモノはないだろう、という底地物納拒否の姿勢を表しているといえます。

税金の負担を示す画像

底地よりも流動性のある、土地上の建物の売却(=借地権売却)ならば、延納猶予期間中に売れる可能性がないこともないでしょう。

しかし、地上に他人の権利(借地権)のついた底地なんて、なかなか短期間に売却できるものではありません。

相続税の納付は金銭一括が原則です。しかし、困難なら分割納付や延納、相続不動産による物納も認めるという建て前があります。

底地および不動産の他にも国債・地方債・船舶・社債・株式・動産(車両など)が一応、物納可能な財産です。

ヤフオクの公売コーナーを見れば車や骨董品等が出品されています。

あれらは物納財産ではなく差押による裁判所の競売流れ(公売品)ですが、動産は物納できないこともないといえます。

しかし、延納猶予を与えても、役所はできる限りの現金化を求めます。

ましてや株式なんて、株式を時価で物納受け付けて、その後に物納時点の株価より下落したら役所が損をすることになるので、100%受け付けません。

この下落可能性があるから株式は受け付けないと同じ理屈で、不動産もほぼ困難、可能性のあるのは更地の土地くらいのものです。

相続税延納の手引きと底地売却

相続税が納付困難である場合、税務署に認めてもらえれば、まずは延納が認められます。

延納は相続税額が10万円を越え、金銭納付が困難な理由がある場合、〈担保提供〉を条件として認められる納税方法です。

国債、地方債、土地、建物、立木、保険付の船舶で登記済の物件、鉄道財団、工場財団、社債、有価証券で税務署がOKと言ったもの、税務署がOKするような確実な保証人――を用意した上で、延納プランを説明します。

相続税延納の手引きによれば、延納期間中は〈利子税=基準割引率(公定歩合)×年4%割合率〉の納付義務が付きまといます。

延納が無理なら〈物納〉ということですが、物納が認められる可能性はほとんどありません。

地主自身が市場で底地売却できずにお荷物になっているものを、現金納税の代わりに物納されても市区役所の職員に販売して換価できるはずがないからです。

役所が使えない土地を不良資産として抱き込むのは納税している市民に反する行為ですから、役所はつまり物納を絶対的に敬遠したいところがあるのです。

底地物納は、その物件上に相続人とも役所とも無関係な、借地人という他人の借地権という強力な権利が付いています。不動産のうちで最も売却が困難なのが底地なのです。

公売をすれば買い手も多そうで、底地よりも売買の簡単そうな、賃貸マンションやアパートでさえ物納はお断りです。

延納で待つから売却して現金納付せよと言われます。

なぜならマンション1棟を物納されても、市役所職員が借家人から家賃回収するわけにはいきません。
ましてや、低所得者向けのボロアパート経営なんて役所の仕事ではありません。

こんな理由があるから、賃貸物件なんて現物物納されても、役所はいかんともしがたいわけです。そして、更に売却困難な底地物納を役所が認めてくれる訳がありません。

相続税法上の建て前では、違法建築物はもちろんのこと、抵当権付不動産、境界確定の不明確な土地を「管理処分不適格財産」として物納不適格としています。

また「物納劣後財産(一応物納可)」としては、市街化調整区域の物件や袋地・無道路地等がありますが、一応物納可といいつつ実際には受け付けません。

役所の公売にあがる市街化調整区域の再建築不可物件は、物納されたものではなく税金滞納で差し押えられた不動産です。

借地権の付いた底地を物納するなどありえない話であり、役所への物納を考える暇があったら、少しでも売却先を探すアクションを起したほうが建設的です。

相続税物納手引き

底地物納は実質的に不可能ですが、建前としては可能なので、念のため、相続税物納の手引きの解説です。

底地(貸し地)を物納するさいは、物納の条件を満たしているかがポイントになります。改正後の相続税法では物納に充てることができない財産(管理処分不適格財産)の基準を明確に示しています。

〔国税庁の相続税の物納の手引きページ〕

以下は国税庁発行の「相続税の物納の手引き」の「底地物納の手引きの概要」を簡潔にまとめたものです。

底地物納者(相続人)が、故人・被相続人の貸し地していた借地人と面識がない場合。

底地物納者は、借地契約書の契約者名義と建物登記簿謄本の名義が一致しているか調査します。

すでに初期借地人が死んで子などに相続され、その「相続登記」が未登記なら、借地契約書を更新しなければなりません。

相続した借地人に名義人を決めて建物を相続登記してもらいます。そして土地賃貸借契約書を新たな借地人と締結します。

とはいえ、地主の底地物納のために借地人が面倒な登記作業に協力するならば、足元をみた交換条件を持ち出してくる可能性もあるでしょう。

借地権者が親で、建物が子供や配偶者名義、または共同名義になっているケースもあります。

まず、名義確認のため、借地権者から戸籍謄本か固定資産税課税証明書、住民票等の書類の写しを添付してもらいます。

また共同・共有名義の場合、共有名義人らに使用貸借相続(民法593条)に関する確認書を記入してもらい税務署に提出します。

相続登記を行っていない借地権者や共有名義人は多いです。自分の相続で物納を考えている底地人は借地人調査を心がけましょう。

相続税物納と貸地契約の見直し

借地人が貸地契約どおりに土地利用をしていないと物納がさらに難解になります。そして、借地権者との当初の賃貸借契約の内容と、現状の土地利用が一致していないことが多いです。

例えば、契約条項では非堅固建物なのに、堅固建物だったり、自家用に建てた借地権物件なのに一部を賃貸していたり、など。

こういう場合、借地契約どおりに現状変更してもらわなければ物納が困難になります。

借地の範囲に関して境界線トラブルがあると、その底地は〈管理処分不適格財産〉に該当します。物納申請までに解決しておかねばなりません。

相続税納税には、「特定物納制度」というものも形式上ですが存在します。

延納の許可を受けたものの資力を喪失した人が、延納から物納へ変更できるという制度です。相続税の申告期限から10年以内に申告しなければなりません。

また、物納申請した相続財産が却下された場合、他の財産による物納の再申請を行うことができます。

これが一回限りのチャンスであり、多くはこれにより底地物納の可能性を信じて、翻弄され、結局ボツにされて終るわけです。

不動産寄付

以上のとおり、不動産の物納は手続き的にはあるけど実態はほとんど不可能であると分っていただけたと思います。
不動産が物納できないとなると、相続税はなんとか現金払いできたとしても、その後ずっと、その不動産にかかってくる固定資産税その他の費用を自己負担し続けなければいけません。

それならいっそ、底地を市区役所に寄付してしまおうと思う人が多いようです。しかし、役所は物納お断りだけでなく、寄付も受け付けてくれません。
自治体が不動産の寄付を受けないのは、不動産は市民に所有しておいてもらえば固定資産税その他の税金を徴収できる納税ツールであり、それを自治体自身に寄付されると税金の徴収先が1つ減ってしまい、自治体としては損することになるのです。

自分の家を見積もるイラスト

よって、「物納できず現金納税したが、残った底地はもういらない」という人は、どこか公益法人で不動産、それも底地と分って寄付を受けてくれる所を探すか、相続放棄でもするしかないでしょう。
しかし、公益法人であっても、底地はややこしいので寄付してもらわなくてけっこう、と断られるのが関の山ですし、相続放棄(共有者がいれば共有持分放棄)するには裁判所へ各種申し立てが必要で以外に大変です。

寄付して更新料ぶんをもらう交渉

本当にベストなのは、借地人との妥当な価格での「底地売買」です。しかし、それは借地人側が「金がない」の一言で却下してしまう可能性があります。そんな時、「底地は寄付しますから、次回いただく予定だった借地権更新料ぶん程度でけっこうですので、いただけないでしょうか?他の相続人を納得させる費用にしたいんです」と言い換えてみてはどうでしょう?
借地人も、更新料はこのまま放置していても新たな底地人が現れた際には払わなきゃいけない資金だから、それで済むなら払ってしまおうと考えてくれるかもしれません。
また、底地を譲渡・寄付されると、借地人は土地建物を丸ごと自己所有することになります。となれば、自分の不動産として、自由に売買できるようになるのです。
この重要さを言い含めて、「更新料と『借地権譲渡承諾料』ぶんの費用をいただけないでしょうか?」と交渉してもいいでしょう。

これにより、更新料にあたる分だけでも貰えれば、タダで寄付することになるよりはよほどマシな処分ができたことになるわけです。

底地は物納手引き書においても対象外のような厄介な存在です。
底地を持っていても固定資産税がかさむだけで地代以上の利益はないし、売却しようにも東京都内は借地割合が9割近いケースもあり、底地権は土地の1割以上の価値でしか売れません。
借地人が更新料ぶんを払ってくれるなら、それは充分に底地売買価格に該当するものですし、その代金を相続税納税に資すれば、相続税の手引きに従った納税がかなったことと同じ結果が得られます。

底地の売却処分が困難でお悩みの方、ご相談下さい

底地の売却処分が困難でお悩みの方、ご相談下さい。東京都内23区、東京市部、神奈川県の横浜市・川崎市に隣接する市町に限り、高価買取いたします。
底地を相続しても、昔ながらの借地料相場のままの地代しかもらえていなくて、相続税支払いも困難だという状況に直面してお困りの方、底地を売っていただけないでしょうか。

以下の「難物件、他、買取」より、現状をお知らせ下されば、誠意を持って購入の段取りを付けさせていただきます。
(対象エリア:東京都内23区のうち品川区・目黒区・大田区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区・台東区・墨田区・江東区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区・文京区・豊島区・北区・板橋区、および東京市部の三鷹市・府中市・調布市・狛江市・町田市。神奈川県横浜市・川崎市・鎌倉市・藤沢市)

(本文、終了)

★☆★東京~神奈川で物件を探しています。★☆★

gold

※追記:リフォームモニターは終了しました。※

リフォームのご質問・ご相談は、facebookのメッセージから受け付けます。 急ぎで作ったメッセージやりとり専用ページです。→【リフォームQ|facebook】 物件売却希望の東京~神奈川以外のかたは、今後は facebook リフォームQ へお願いします。 (2017/01/24)