借地代滞納と借地権解除=無催告解除【無断転貸賃借権譲渡】

借地権解除

借地権解除は、例え貸地契約の当初に「期限付き借地権解除の特約」をしていても、借地借家法9条に該当し無効とされることがあります。

借地借家法9条(強行規定)

この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。

借地借家法9条

貸主借主が納得し、債務不履行時は借地権解除に応じるという合意契約なのに強行規定として無効になるのです。

合意による将来の借地権解除の約束なのに、借地人に不利な契約として無効になる借地契約解除裁判の積み重ねで判例が固定化しているわけです。

唯一、借地人が借地契約解除の意思があるとわかる合理的客観的理由がある時だけ、借地権解除が有効になります。

借地権者は底地人との日頃の交流を。

借地権解除と債務不履行

借地権解除は債務不履行にもとづく借地裁判で争われます。
借地代滞納、つまり、債務履行遅滞をしていても、借地権解除には「債権者が相当の期間を定めて催告」をする必要があります。

これは、民法541条に従って債務者の権利を保護しながらでないと、借地権解除権が濫用される恐れがあるからだといわれています。

民法 541 条(履行遅滞等による解除権)

当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

民法第541条|wikibooks

ところで、借地代未払いに対する借地権解除が無催告解除でも許される時があります。

それは、契約当初の特約で定めていて、かつ借地権者が行方不明など無催告で借地権解除せざるをえない時などです。

借地権地代滞納

借地権地代滞納トラブル、つまり借地権の地代滞納から借地権契約解除にまで発展する支払い未払いの紛争は、借地代の支払いサイト(地代を支払う定期期間)が1年に一回など、毎月払いの家賃に比べて長いことが原因なのではないかと考えます。
地代の支払い期間は短くても半年に一回が多いです。家賃のように毎月の口座引き落としや持参払いにしておけば、それだけで借地権地代滞納の予兆が察知できたり、コミュニケーションが取れて地代滞納の予防ができます。
地主と借地権者との貸主借主の関係が、毎月顔を合わせるなど密だと、借地人の「借主感」が継続します。
これが、1年1回だと借地権者も地主も、関係がこじれて借地裁判の機運が高まるまで地代滞納の解消に気が回りません。

滞納 | Wikipedia

地代支払い請求は、時間が経つほど請求する地主側もおっくうになるものです。
借地契約書には特約として地代滞納→契約解除がうたわれているので、強気でいけば支払わせることができそうですが、それをしないでなーなーになるケースが多いのです。
支払う借地人側も「地代は次回まとめればいいか」と考えるようになり、それが積み重なって借地権地代滞納になります。
借地代支払いが銀行引き落としでも、借地権地代滞納はおこります。地主が人がよく、借地人がルーズだと引き落としできなかった分の持参払いまで支払いが延長され、いずれ数年分の延滞になるものです。
こういう貸し地で悩む地主は都内でも相当数いるようです。

借地契約解除裁判

借地契約解除には相当の期間をおいた催告と、借地契約解除の裁判の申立てをするのが一般的な流れです。
上記のように借地権地代滞納が始まったら、借地契約解除の裁判のための準備を周到に進める必要があります。
長年に亘って地代滞納で迷惑かけられてきたから、事前に内容証明郵便で借地契約解除の通告をし、相当の期間を定めてから借地契約解除の裁判を提訴しても、申立てた地主側に不利な判決が出ることさえあります。

借地契約解除の裁判が地主不利・借地人有利に終る時とは、それまでかなりの間、借地代を滞納させたり、まとめ払いをさせることを許してしまってきた場合などです。
ある借地契約解除の裁判の判決も、このような主旨でした。
【10年近くまとめ払いを慣例にしてきたのに、いきなり借地契約解除を求めるのは、借地人の権利侵害で『無効』である。】
こんな借地人に都合のいい判決を裁判所が出してしまうわけです。
そしてこの判決は、借地借家法以前の旧法借地権を土台に考えたもので、借地裁判の結果としては「一般的」なことなのです。

裁判所の判決

借地法と借地契約解除

旧法・借地法ができた頃は、有り余る土地を賃貸し巨万の富を得ていた「豪農」的な地主と、土地を購入する余裕がなく借地しなければ家が建てられない貧困に喘ぐ借地人という、明確な「格差社会」でした。
今よりも、格段に貧富の差がはっきりしていた昔、借地法が施行されたのですが、時代変わって、現代では借地権者のほうが資金力を持っていることが多いのです。
それなのに借地借家法判例(参考=借地権消滅と地代判例)にも、ことごとく借地権者有利の判例が山積し、地主は不利なのが分っているから、新たな貸地は中々することがなくなってしまいました。
借地代滞納を許さず、借地権解除をしゅくしゅくと進めるクールな地主、企業地主だけはキッチリ儲かっています。
借地権地代滞納が始まったら、即うごいて、借地人から土地の明け渡しを約束する念書を一筆とるくらいの厳しい地主だけが生き残っていくようです。

無催告解除

無催告解除とは、文字通り契約解除の原則(催告解除)に従わず、予告ナシに賃貸借契約を解除してしまうことです。
賃貸借契約の解除には、合意解除、債務不履行解除(賃料その他、義務の不履行)、無断転貸・無断賃借権譲渡に対する無催告解除があります。

合意解除、債務不履行解除に対しては、催告をしなければ解除し、契約を終了させることができません。
これに対し、無断転貸・無断賃借権譲渡に対する無催告解除は地主側に有利な結果、つまり無催告解除がちゃんと認められる可能性が高いです。

無催告解除と信頼関係破壊の法理

賃料未払いは、賃借人の業務悪化・資金ぐり不足など、物理的に今すぐ払うのは難しくなってしまうこともあるため、債務不履行といえども、話し合いの余地を残すべきで、無催告解除は強引過ぎて許されません。
しかし、無断転貸が許されてしまえば、賃貸人の財産である不動産の価値が著しく阻害される可能性もあるため、緊急性を伴う救済措置として無催告解除が許されるのです。

一般には、無催告解除のできない借地権地代延滞といった債務不履行に対しても、その違反や約束反故が著しく信頼関係破壊の法理に反し、賃貸人たる地主の利益を損ねていると、特約の有無に関わらず、無催告解除が許されることもあるようです。

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