貸地契約―神奈川県横浜市の貸地・底地売買契約&借地権買取

貸地契約

旧借地法時代に貸地契約で、貸地人(底地人)が借地人に条件の甘い契約をしてしまい、現在になって子孫の相続人が昔の借地契約に縛られて損をしている、といった貸地契約トラブルの話には枚挙に暇がありません。

今回は――貸地人にその土地利用に対する事業構想があり、借地上の建物が適切に利用されていないと貸地人の更新拒絶(貸地契約の解消)も可能――というお話です。

神奈川県横浜市の貸地契約(地代は固定資産税並み)

神奈川県横浜市内に、現状、平屋店舗になっている〈貸地〉とその近所の自宅土地建物だけを所有する小規模な地主(貸地人)がいました。

貸地は旧法借地権の時代に、〈スーパー経営〉を始める借地人に賃貸し、地代は横浜市の固定資産税より少し高い程度の金額を受取っていました。

借地人はスーパーを5年くらい経営した後、当時フランチャイズのラッシュだったコンビニFCに加盟。コンビニに業態替えしました。

借地権建物のデザイン

用途違反と貸地契約

〈スーパー → コンビニ〉への転換は当貸地契約において大した用途違反でもないので、貸地人は異議申し立てはしませんでした。その後、コンビニFC本部が巨額の負債と訴訟を抱えて倒産。一時ニュースになりました。

FC本部も消えたので、賃借人は60歳を越えたこともあり引退。息子がコンビニの看板のまま、独自仕入れで小売業をし食いつないでいました。

経営引継ぎも貸地人に報告ナシでしたが、その息子も〈貸地契約の更新5年前〉位からは小売業は開店休業。

なにするでもないのに5年もムダな地代を払ってくれていたのですから、息子にはサラリーマン時代の退職金や蓄えが相当あったのでしょう。

事業拡大は貸地契約の解消(借地権解消)の正当事由

貸地人のほうは、だいぶ前からPCやコピー機のリサイクル業を〈自宅〉で営業し、インターネットも未発達だった時代、雑誌と新聞広告、そしてニフティなど〈パソコン通信〉の宣伝で、自宅での〈無店舗販売〉を成功させていました。

ネット取引

貸地人は銀行取引もシッカリしてて、当時の国民金融公庫(現:日本政策金融公庫)の神奈川県横浜支部担当者も「もし貸地を買戻し、店舗のリノベーションをした後の3千万円くらいの運転資金の融資OKという。

貸地人のリサイクル商売は堅実に成長していました。この、「事業拡大のための土地の必要性」は、貸地契約の解消(借地権解消)の際に正当事由を補完してくれる武器になります。

貸地契約と明渡し特約

貸地人は10年前リサイクルを始めるさい、借地人に「将来、この貸地でリサイクル店舗をやりたい。そのさいは貸地契約を解消して土地建物の明け渡しをお願いしたい」と申し入れていました。

貸地契約は口約束でしたが、あまりに安い地代に対し賃上げ交渉に応じてくれるか、それとも明渡し特約を呑むかの択一で、借地人も明け渡しを了承していました。

土地建物の明け渡し約束を承諾拒否し、貸地契約は継続

その後、更新時期が近づいたので、貸地人は借地人に土地の明け渡しを依頼。しかし、借地人らはこれを承諾せず、貸地契約は継続して借地料は払い借地人の地位を維持したいと明け渡しを拒否。

そして、「息子がPCに詳しいからリサイクルショップを共同名義でやろう」と勝手な話を持ちかけてくる始末。貸地人はウサン臭い話に不安を感じて、ある知人に〈相談〉しました。

法定更新と借地権売却

知人は、借地人の息子と歳が近いことから周辺を調査し、〔息子は『店舗を他人への貸し倉庫にしてた』こと『貸地契約を法定更新し、その後に借地権売却で儲ける』つもりである〕ことが分りました。

「信用ならない」ということで、貸地人自身が、貸地を使って具体的な事業を行う計画がキッチリ出来あがっている事実を元に神奈川県横浜地裁にて訴訟を起こしました。

法定更新は借地権売買を困難にする。

更新拒絶正当事由と建物買取請求により貸地の買戻し

裁判では、貸地人が具体的な事業計画を持ち、その土地を使う合理性が認められて、すんなり勝訴になりました。勝訴と言っても、もちろん借地の立ち退き料は必要。

土地を使用する具体的な必要性と更新拒絶する緊急性など、更新拒絶正当事由が承認され、立退き料もさほどではなかったそうです。

今回は借地人の建物買取請求権・借地権買取請求権に見合う、ほどほどの明渡料を支払ったようです。

無断譲渡や転貸、増改築禁止特約違反と貸地契約解除

今回は、借地人がプラプラしていて〈土地使用の必要性〉が全く見当たらなかったことも勝因でした。

借地人が無断で借地権譲渡や転貸、増改築禁止特約に対する背信行為を行なっていると貸地人の貸地契約の解除に正当事由を認める理由になります。

これほど貸地人に正当性がなくても、明渡料や代替地の提供などで借地契約解除の正当事由を補完することも可能です。

また最近は「店舗商売」が衰退していて、例えば横浜市内にもシャッター通りになってる商店街があります。なので借地権を買取ってまで商業地に建物を構える必要性も需要も減りました。

需要がないので借地料相場も低迷しています。よって地域によっては裁判にせずに借地権買取交渉をした方が安く上る場合もあります。

(本文、終了)

★☆★東京~神奈川で物件を探しています。★☆★

gold

※追記:リフォームモニターは終了しました。※

リフォームのご質問・ご相談は、facebookのメッセージから受け付けます。 急ぎで作ったメッセージやりとり専用ページです。→【リフォームQ|facebook】 物件売却希望の東京~神奈川以外のかたは、今後は facebook リフォームQ へお願いします。 (2017/01/24)