越境覚書・越境念書 隣地の越境には、越境覚書で紛争に備える

越境覚書・越境念書

越境覚書・越境念書は、土地境界を侵害された側と越境者との間で、裁判に基づかない示談によって境界線トラブルの解決を図る際に、後のトラブル再燃時の「本裁判」の時の証拠とするため交わす覚書・念書を意味します。

東京都内23区など人口密集地域の商業地では、土地境界を越えて借地契約し、隣地を占有して建物が建ってる事があります。故意か過失か不明ですが、借地権の都内価格は高額ですから魔が差す可能性も高いでしょう。

境界線越えを裁判にしても、時間と金がかかり隣地との関係が悪化するだけです。できる限り示談で解決する為にも越境覚書・越境念書の内容充実は大切です。

借地権は底地に比べ強力な権利を有す。

借地権設定者(底地人)が隣地を侵害して借地権設定

借地権を自分の土地と賃借人との間で設定する底地人(地主)の立場を「借地人設定者」と言います。借地権設定者たる地主が境界確定を曖昧に借地契約を締結した事で、隣地と境界が曖昧な借地が生まれます。

こういう借地権契約は、東京都内の山の手線圏ではよくありました。越境部分が駐車場スペースや窓先空地など、建造物のない土地なら示談もしやすいです。

ところが経緯は不明ですが借地人の建物自体が境界線を越えて隣地を占有してしまう事もあります。

こうした時、越境覚書・越境念書でキチンと借地契約外の任意契約をまとめておくことが大事です。

本件土地には、本件相続開始日現在、本件借地権が存在していると認められるから、本件借地権を本件被相続人の相続に係る財産であるとして、その価額を、請求人ら及び原処分庁の双方に争いがなく・・・

国税不服審判所

借地人は隣地境界を知らずに隣地を借地

大昔は土地賃貸借契約もアバウトなものでした。借地人と地主の「ここからここまで貸す」といった口約束で借地決定していました。

その後、東京都内が借地権建物で溢れ密集市街地が広がっていき統制のため旧法借地権が出現します。

今の借地権相続の多くは、旧法借地権時代に祖父や曽祖父が借地契約をしたものを親経由で受け継ぎ、隣地所有者も同じような境遇だったりします。

たまたま、隣地所有者が相隣関係の借地貸地の範囲について調べてたら、隣の借地権付建物によって土地境界が侵害されていたことを発見するケースが多いです。

借地権の使用貸借に関する確認書

このような時、越境された側は間をおかずに隣地からの境界越境に対し、念書 覚書を交わして隣地所有者の責任を明確化することで、後の紛争に備える心構えが必要です。

越境覚書・越境念書の様式

こういった時、建物を取壊すのも大変だし、今さら境界確定手続き〔境界確定の訴え〕をしても、建物が現に侵害しているから、訴訟も意味が薄い。そこで、越境覚書・越境念書によって、簡易的に権利を保全するのだそうです。

越境覚書・越境念書に様式の決まりはありませんが、【越境部分の土地(借地)の時効取得を主張しない、固定資産税負担分は固定資産税代金としてではなく任意で支払う】等の文言を入れておきます。

再建築不可の既存不適格物件

越境覚書・越境念書によって建物を取壊さないで済んだものの、他人の土地を侵害している違法建築物になります。

隣地の侵害がなければ存在し得ない既存不適格物件であり、建て替えの際は隣地から撤退するぶん《減築》するか、隣地の侵害した部分の借地権を売ってもらわないと「再建築不可」です。

第三者に、この借地上の建物の譲渡(借地権売却)をする場合、重要事項として「建て替えの際は土地境界をはみ出して隣地の占有をしている部分は、返還しなければなりません」とでも言わないとトラブルになるでしょう。

〔借地権の使用貸借であることの確認手続〕
―借地権を有する者(借地権者)からその借地権の目的となっている土地の全部を使用貸借により借り受けて、その土地の上に建物等を建築した場合―
国税庁サイトへ

敷地境界線の曖昧な物件は、建て替え時の新築面積にセンシティブにならざるを得ない再建築不可の買取・売却の案件では忌避されます。
越境覚書・越境念書の存在は必須と言えます。

売却時の借地権売買トラブルが想定

越境トラブルが底地人の不手際で起った場合、越境してる借地権者から越境されてる借地権者へ賃料(損害金)を払う経費は、底地人が借地料を操作する事で代払いするようです。

これで一旦は、越境トラブルも解決ですが、トラブルは借地権売却の際には再燃する可能性もあります。東京都内では、土地自体の売買(底地売買)より、借地権や地上権取引のほうが多いです。

特に23区山手線圏内の駅周辺は、土地自体を売買していたらスピードも資金も追いつかないので借地権売買が主流です。

越境トラブルを越境覚書・越境念書によって解決する事は、当事者間では費用も掛からず良いのですが、第三者への対抗力があるわけでないので、借地権売買トラブルになる可能性もあります。

隣地とのトラブルを清算するなら、やはり越境した側が越境敷地面積分の借地権買取などで法律上の侵害関係を解消するのが最適であると言えます。

東京都の密集した町並み

念書 覚書

念書覚書、共に簡易な約束文書ですが、念書と覚書の違いは明確です。

念書は約束をした当事者の片方が相手に一方的に差し入れる文書です。

間違ってタイトルを「覚え書き」にして、相手に決り事(多くは義務)を差し入れるケースが多くあります。

これは正確には覚書ではなく念書になりますが、当事者間なら念書として効力があります。

念書・誓約書のたぐいは、〝金銭貸借の返済日に借金を返済できなかった者が、借用書と別に「後日、○月○日に必ず返済します」等と、念を押してメインの借用書を保管する役割〟を果たします。

敷地面積の狭い極小の土地で越境された敷地が、旗竿地間取りの旗竿出口付近ならば、自宅が再建築不可になる可能性も。
極小地で建て替えレベルまで建坪・述べ床総面積を小さくする施工は困難です。越境覚書・越境念書の必要性が強く求められる土地環境です。

ただし、念書だけだと法律的な効果は果たせません。

覚書は当事者双方または全員の合意事項を書面にした契約書に近い文書です。

覚書は当事者が、「義務違反にはペナルティを課すことを承諾し」、合意した事に全員の署名・押印をすることで、法律的に効力がある文書になります。

覚書も契約書に比べると、双方署名であっても(越境覚書などは特に)義務者に「差し入れさせる目的」で作成する事が多いです。

義務を負う者が主な合意項目を理解承諾した事を記し、これを遵守すると約し、義務を課す側が、これを了承する、という様式で追記するような内容が一般的な覚書のスタイルです。

越境物覚書〈隣地越境覚書・境界越境覚書〉

越境物覚書隣地越境覚書境界越境覚書〉を例にすれば、「覚書が対等な立場での契約ではない」ということが説明できます。

越境覚書は、境界線を越境して、他人の敷地を侵害した建物の所有者が侵害された土地の所有者へ、加害者と被害者間の示談書のような関係で差し入れる(交わす)文書です。

越境覚書・越境念書の様式に決まりはありませんが、越境覚書には隣地境界越境者の義務を履行させる内容にすることが重要です。

敷地境界を越境された土地の所有者には、侵害された土地のぶんの税金を払わねばならない納税義務があります。

これは、土地を売却すれば購入者に引き継がれるので、売買時には重要事項説明として説明義務があります。

つまり、侵害された土地は、いわゆる「事故物件・訳あり物件」になってしまったわけで、相応の代償を払って貰わねばいけません。

越境物覚書は、建物による敷地境界の越境をしたことを、侵害された側が償金をもって許す代わりに、侵害者のペナルティを記し、強制執行の対象も定めた上で、公正証書にすることが大切です。

(本文、終了)

★☆★東京~神奈川で物件を探しています。★☆★

gold

※追記:リフォームモニターは終了しました。※

リフォームのご質問・ご相談は、facebookのメッセージから受け付けます。 急ぎで作ったメッセージやりとり専用ページです。→【リフォームQ|facebook】 物件売却希望の東京~神奈川以外のかたは、今後は facebook リフォームQ へお願いします。 (2017/01/24)