借地権登記=借地建物の名義登記&土地への賃借権・借地権設定登記

借地権登記

借地権登記とは、借地建物の名義を登記することを意味します。

厳格な意味での借地権登記は、その土地登記簿に地上権借地権の権利登記を設定することです。

その主旨からすると借地権物件の登記は、土地謄本にも記載されないため本当の借地権登記とはいえません。

本当の意味での借地権登記とは、具体的には登記の目的を「賃借権設定」とした土地賃借権設定登記をして初めて成立します。

借地権登記のための土地賃借権設定登記申請書には、「賃借目的」は建物所有、「登記原因」欄には借地契約をした日付、「借賃」欄には借地契約で定めた月ごとの賃料を記載します。

「支払い期・存続期間」も借地契約で定めたものを記載します。借地権更新料については、存続期間に含めるのも、特約で定めるのも自由です。

そして、「特約」欄が借地権登記のネック、最重要項目です。

土地への借地権登記をする場合、この特約欄に「借地権の譲渡転貸ができる」と記載します。

借地権譲渡が自由にされると、地主にとっては自分の土地なのに「他人が自由に売買できる」という尋常でない状態になります。

借地権登記をすると、特約の譲渡転貸の自由によって、ほぼ自分の土地が他人に乗っ取られた状態になるから地主は借地権登記を敬遠するわけです。

借地建物のイラスト

その他、この登記申請書には、「課税価格」には固定資産税評価額を記載し、「登録免許税」には、課税価額の5/1000の数値を記載します。

この土地賃借権設定登記申請書を法務局に提出すれば、借地権登記が完了します。

この「土地への借地権登記」が完成すると、その土地は、上記の「譲渡転貸自由特約」によって、借地人のモノになったも同様になります。

つまり、「底地の価値」はほぼ「0」に近くなります。

貸地契約じゃなく、土地ごと売却したほうがマシだった(安い地代で自分の土地を引っ掻き回されるより売却した方が良かった)」――借地権登記すると地主はこういう結果に陥ります。

借地権登記=借地建物の登記でOKな理由

以上のようなデメリットとネガティブ要素あふれる借地権登記の実態を鑑みて、土地は賃貸しても土地自体に借地権登記はさせないのが普通の地主です。

登記のない地上権・借地権でさえ強力に底地の価値を押し下げるのに、登記までされたら底地売却が不可能に近くなってしまうからです。

このように事実上の土地謄本への借地権設定登記が不可能なままだと、今度は借地人が第三者に対し、自分の借地権利を主張する術がなくて困ります。

そこで、土地への借地権設定登記に代えて、借地上の建物の保存登記・名義変更登記を借地権登記として認めるようになりました。

だから現在では、借地権登記と言ったら、借地建物の名義登記を指すものであり、借地権売買の登記とは借地権付建物を売買し、その建物名義を変更登記することを意味します。

東京都 借地権事情

借地権登記(建物名義)を亡くなった父の名義からどうするか、について遺産分割協議が紛糾していたご家族がいました。

この借地権登記の対象である小ぶりなビルの利害関係者は相続人たる、母・息子・娘の3人です。母は父の生前から別居して賃貸アパート暮らし。

長男は父の仕事を手伝いながら別居。娘も結婚して別の場所に住んでいました。よって、父亡き後、このビルの居住部分は空き家になっていました。

この建物の借地権登記は、老朽化により建て替えた時に、長男名義にするチャンスはありました。

というのは(長男の主張によれば)、「この建物の建て替え費用を支払ったのは自分であり、本来は父名義ではなく自分名義にするはずだった」という状況だったからです。

ビルは東京都内でも地価が高騰している目黒区にあり、父居住部分は空き家ですが、テナントが入居していて賃料収入がありました。

母と娘は、現在アパート暮らししてる母がこのビルに住めば、家賃不要、賃料収入で老後を過ごせるので、それを望んでいました。

しかし、長男はまとまった資金が必要で、是が非でもこのビルを売りたくて(当時、目黒区、特に中目黒は大規模再開発の真っ只中の都内バブル)、私は、長男から借地権売却の相談を受け、この相続話に関わっていました。

不動産買取・販売仲介会社を電話だけで頼り切らないこと。

借地権建物売却資金で代償金支払い

借地権登記は亡父名義だったものの、資金は息子口座から出たことを証明する材料が揃っていて、息子としてはこれを元に母・娘(妹)を説得して、実家売却を完了して資金を手に入れる予定でした。

しかし、母娘は父の商売を手伝っていただけの息子の預金は、ほぼ父の商売の利益で「生前贈与」に近いものであり、父名義の借地権登記は当然だ、として息子の借地権売買を全否定しました。

息子からの話では、母娘は資金的にガツガツしておらず、単に母の老後だけ保全すれば納得しそうな雰囲気でした。

そこで、家族の間では息子が代償分割の形で、借地権建物を売却し、母の住まい・生活を補償する約束を交わしてもらいました。

のちに私が借地権買取の形で、地主の承諾を得て、息子から建物を買い取り、息子はその金で代償金を支払い、この借地権登記にまつわる話は終了しました。

(本文、終了)

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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