建築不可土地―建築不可物件が「空き地買取」で建て替え可能に

建築不可物件

建築不可物件には、土地自体が道路との接道要件を満たさない未接道地・無道路地であって、建築基準法その他の法律・条例に適合しない「建築不可土地」という状態があります。

また、新築時は合法的に建てられたものの、それ以降、増改築を違法に繰り返し既存不適格物件になってしまった、建物に問題のある「建築不可物件」もあります。

建築不可となっている原因を取り除けば、建て替え自由な普通の不動産になります。

建築不可土地は隣地との相隣関係といった第三者の強力を必要としますが、建物が建築不可物件なだけなら、建て替えの際の建坪や容積率の縮小など減築計画で建築不可状態から脱却する事が可能です。

建築不可物件のままでも売買は可能ですが、違法建築物のように売買価格査定が低くなるのは想像が付きます。

建築申請の図面イラスト

建築不可土地―建基法・接道の義務を果たさない

東京都荒川区の都電荒川線の線路沿いに立つ建築不可土地・建築不可物件を、知人が相続し3兄弟で共有状態で所有していました。

1人で住んでいた母親が亡くなり、遺産分割協議はまだ終っておらず、空き家として放置されていました。知人から、この建築不可物件と現金預貯金の遺産相続について、上手い分割の方法はないか相談されました。

知人に案内され、物件調査に行きました。典型的な旗竿地・旗地の建築不可物件でした。道路に接道する間口から敷延(敷地延長/延長敷地)と呼ばれる路地状の敷地の奥に築50年以上の老朽化した実家が建っていました。

建築不可物件と判断したのは、その敷地延長部分が荒川線の線路と、空き地(乗用車1台駐車できる程の面積)に挟まれた細路地で、建基法の「接道義務・2m幅」未満に見えたからです。

メジャーで測ったら、やはり1.5mしかありません。建築不可土地です。

建築不可土地評価

知人兄弟が共有分割(共有財産分割)する遺産の内容は、有価証券含む預貯金・評価額4,000万円とこの建築不可物件である実家が全てです。

長男は、実家不動産には興味がなく、預貯金の相続割合を多く望んでいる。3男は実家を相続したいらしい。2男である知人は実家も欲しいし、預貯金も欲しい・・・とのこと。

長男が現金のほうだけ狙っているのは、長男のみ交渉に関し弁護士に依頼しているところ、この弁護士が実家の旗竿地の間取りを見て、「建築不可物件で財産価値はない」と評価判断したからだと思われました。

2男(知人)と3男の「長男は生前の親から既に分譲マンションをプレゼントされてたから現金の取り分を減らせ」という要求に対し、長男は弁護士を入れたのだそう。

3男は、今の賃貸マンション暮らしより「実家持ち家になる方がカネが掛からない」という単純な理由で実家が欲しいそうです。

私も最初の印象は、実家は築50年で建築不可の評価ゼロ物件だから3男にプレゼントし現金財産だけ狙えばいいのでは、と思っていました。

しかし、色々さぐると、そうでもないようでした。

建築不可状態の解消のため隣地を買取り

知人に、「実家は路地状敷地(アプローチ)の幅が法律基準を満たしてないから『建築不可物件』であり、財産価値も低いし、建て替えするには隣の空き地を数10センチ買取って、敷地の接道幅を合法化しないとダメだよ」と伝えました。

「築50年で傷んでるんだから、建て替え費用の他に、建築不可状態の解消のために隣地の空き地の一部を買い取りする費用がかかり、所有者がボッタクリする可能性もありリスキーだ」などなど。

空き地の画像

すると、驚いた事に「空き地の所有者は自分だ」と言うのです。

以前、隣人が所有し雑草だらけの草むらに一基の「無縁仏の墓」が立ってたのだが、隣人が手放したがっていて、車一台停めれる広さしかなく、「墓」だから、超格安で売ってもらったそうです。

3兄弟は20年以上前に実家から独立していましたが、父が死に10年程前に母が要介護になってから、2男と3男が交代で母の世話に実家に帰っていました。

空き地と合わせて建築不可物件解消し資産価値上昇

長男は実家に寄り付かず、母の死後の空き家管理も2男3男の仕事だったので、「空き地の所有者」のことを知らず、弁護士も気づいてないのでしょう。3男は「建築不可」がなんなのかさえ興味がないらしい様子。

空き地の所有者である2男だけが、建築不可物件である実家を建築可能にする事ができ、その資産価値は預貯金の4,000万円以上になる事は、2男(と私くらい)しか知らないようです。

知人である2男に「3男に『実家は2男が貰うのを承諾する事を条件に、預貯金を長男より多く取れるよう協力する』と説得しよう」とアドバイスしました。

色々あって、実家は2男が独占し、預貯金を3男が多く取る形で長男と分けあい、この財産分割は上手いことまとまり、その後、建築不可物件状態ではなくなった実家売却もスムーズに終了しました。

建築不可の土地

冒頭に記した建築不可物件の原因のうち、隣家との敷地境界による建築不可の土地は、解決しようとして境界線トラブルになる事さえある困難なものです。

しかし今回のように、建築不可の土地の原因になっている隣家の敷地を、隣家の人が「たまたま」手放したがっているという、奇異な状況によって再建築が成功する事もあります。

再建築不可物件を建築可能にするには、「セットバック(敷地後退/みなし道路)」が知られていますが、上記のとおり、再建不可の土地に隣地を「つけたし」て、接道間口を法律に準拠させる方法もあります。

隣家から不整形地を譲渡してもらい建築不可状態解消

隣家の敷地の使い勝手の悪い不整形地部分を数10センチ譲渡してもらうだけで、建築不可状態が解消される事もあります。

建築不可状態を悩んでいたが、ダメ元で隣家に相談したら、気安く二つ返事で敷地の一部を提供してくれたという話も聞きます。

建て替え、リノベの写真

逆に、建築不可から抜け出したいのを見透かされ、足元を見られて法外な値段を吹っかけられたという話も聞きます。やはり、大事なのは隣近所との日頃の付き合いかも知れません。

(知人も隣家と疎遠だったら、隣地の無縁仏の草むら空き地を格安ゲットできなかったでしょう)

(本文、終了)

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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