建築制限=建築基準法・都市計画法等による建築内容の制限≠再建築不可

建築制限とは?

建築制限とは、建築基準法や都市計画法によって新築や建て替えの設計内容に規制がかけられる、その基準を意味します。

建築基準法においては、42条2項道路や22条地域の建築制限が代表例で、その他に37条・43条但書き・53条・84条規制もあります。

建築制限は、土地区画整理法76条建築制限や急傾斜地崩壊を防止する災害危険区域に指定されるように防災の観点から規制されます。

首都圏でも多摩丘陵の端っこで東京湾に面した横浜・川崎は、横浜市・川崎市ハザードマップに記したような、津波災害・土砂災害に配慮した多くの建築制限があります。

建築制限は、危ない地域にかけられるばかりではなく、住宅地内の角地の隅切りや外壁後退義務、北側斜線制限も身近な建築制限の一種です。

建築申請の図面イラスト

都市計画法建築制限

建築制限には、みなし道路の接道地や再建築するのに「セットバック」が必要になる土地など多数の事例があります。

東京都内では、住宅密集地の奥にこういった都市計画法や建築基準法による建築制限に引っ掛かる接道義務例外の物件が無数に存在します。

東京23区や神奈川横浜・川崎は、住宅建築を含む街づくりがカオスのまま、今だに成長し続けているため、建築制限をかけることで一定の秩序を維持しているともいえます。

高圧線地役権建築制限

都内の密集市街地に対して、郊外エリアでは、「高圧線下の敷地」が建築制限の代表例です。(※ちなみに、羽田空港に近い大田区や川崎市は航空法による建築制限に縛られたりします。)

東京都と神奈川を分断する、多摩川の河川敷から広がる川沿いの宅地・住宅の上には、高圧線が縦横に張り巡らされています。

高圧線が頭上にはしっている土地は、元農地が宅地化された物件がほとんどです。

高度成長期に東京都内に仕事を求めて集まった人たちのために、多摩川・荒川・隅田川の河川敷の田んぼが農地転用されて、宅地(または工場地)になりました。

高度成長期には、東京・神奈川主要域への配電のため、高圧線設営が必要でしたが、安全を配慮して川原や周辺の農地の上空を選んで配線がされました。

その当時の地上権借地権によって張り巡らされた高圧線の下の田んぼは見事に宅地化されましたが、頭上の高圧線は(変更しようもなく)残って、今も利用されているわけです。

これら高圧線下の土地は、建築制限として「木造建築はダメ」とか、電線から10mの距離に建物(屋根とか)が届いてはいけないといった細かいルールがあります。

昔は平屋でも、囲繞地通行権の要る袋地の住宅でも、高圧線下の家でも、都内に家があることがステータスでした。

今、それらの中古住宅は、高圧線下の建築制限に引っ掛かって、2階建てにできないとか木造禁止とかの理由で建て替えもできず、古家付き土地としても売却できず朽廃の時期を迎えています。

建築制限≠事故物件

こういう建築制限は、「事故物件・訳あり物件」のたぐいとして不人気か?――というとそうでもありません。逆に、安さと「相続税の評価を下げられる」という点で人気があります。

つまり相続税において、建築制限のない土地で1億円の評価があるのなら、建築制限のある不動産は30%の減額評価で7千万円の評価を出していいのです。

セットバック要(SB要)」の建築制限にもおなじことがいえます。道路幅員が4mに満たない場合、道路から2mの距離には自己の土地でも何も建てられない建築制限がある代わり、30%相続税評価額を減額できるわけです。

建築制限どころか、まったく建物が建てられない土地の場合、相続税の評価減率は、借地権割合を差し引いた底地評価と一緒です。

建築制限解除

再建築不可買取を依頼される目的には、事業資金ほか、所有者さんの資金繰り対策といったものもあります。

建築制限や再建築不可ながらも無借金の住宅を相続したのに、制限解除の努力も売却も検討せず、金の都合ができてから慌てる場合、現状有姿で買取先が見つからない機会損失が起きます。

再建築不可物件は、狭い住宅地を無理に分筆した狭小住宅間取りと事情が重なります。狭小な一筆のまま建築制限解除して建て替えるより、近隣土地を買取ってマトモな敷地面積にして分譲販売したほうが、喜ぶお客さんが増えるでしょう。

しかし、その近隣土地の買取交渉が困難だから、建築制限付きや建築不可物件は、売買準備期間が短ければ短いほど、買取価格が安くなるのです。

再建築不可物件の処分用途が、「相続の現金分割のため」という人は時間的余裕があって値段交渉もできていいですが、処分用途が「事業資金繰り」の場合は、投げ売り価格になる事もあります。

自営業の人は、建築制限や再建築不可の不動産を相続したら、まさかの時に備えて早めの売却活動や制限解除のアイデアを練っておくことが必要です。

空き地の画像

再建築不可・建築制限

中古アパートの売り物ならともかく、一戸建ての再建築不可・建築制限物件を買い取ると、老朽化した戸建て住宅の賃貸は「無理」ですから、買い取った側は売却案件として資金を寝かし続ける事になります。

不動産として「生き返る」のは、隣地を購入する等して、再建築不可物件の状態から脱した時であり、その時まで土地は塩漬けです。

だから、再建築不可買取は急ぎの案件ほど実現が難しく、オーナーは金繰りが忙しくなる前に余裕を持って買取先を探す必要があります。

任意売却で不動産を売却される方の多くは住宅ローン返済に窮しての決断で、これは気持ち分ります。住宅ローン支払い額の負担を、原因である実家売却で解決するのは理に適ってます。

でも、事業資金の資金繰りで「住宅ローンや抵当権の付いてない」自宅不動産を任意売却してしまうのは勿体ない。

前述の高圧線下の住宅だけはいかんともしがたいですが、その他は、建築制限を解除して既存不適格物件の状態を抜け出したり、周辺土地と合併すれば優良不動産に生まれ変わります。

そのような資産価値を秘めた不動産を資金繰りのためだけに慌てて売却するのはもったいないです。

自営業の資金繰りは大変ですが、慎重にやらないと。不動産は売り急いだら損します。

再建築不可物件の「処分原因」が、相続の遺産分割の為なら、これも理解できます。共有不動産として持っているより第三者に買取ってもらって現金分けする方が相続人にメリットあるからです。

でも、資金繰りのために切羽詰ってから買い取り先を探すのは、業者を「急がせる」ことで再建築不可・建築制限物件の価値ある部分を査定して貰いにくくなってしまいます。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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