建築基準法雨水排水―建基法排水設備とリフォームの法律・条例

建築基準法雨水排水

宅地の雨水排水は、民法第218条において「隣地に流す目的の建造・工作物」は許されないと規定しています。
雨どいの先端を隣地の庭先に向ける事は許されず、自己敷地に接する道路側溝や公共水路に流すのが雨水排水の基準です。

パイプ修理をするイラスト

これは、袋地(囲繞地通行権利用土地)でも一緒です。公道の道路側溝に接面していないからと、囲繞地の敷地を自分の家の雨水で水溜りにしてしまっては許されません。
囲繞地を利用させてもらって雨水排水設備を設けねば建物を建てられません。
建築基準法の雨水排水条項=第19条3項において、「雨水と汚水を排出又は処理するための適当な下水管等の施設を設けること」としています。

建築基準法の雨水排水条項に見合った排水設備の基準を満たす対策を取らねば、そこに建物を建築する事すら許されません。

建物排水=雨水、汚水・屎尿、雑排水・台所浴室

水が供給されることを給水・上水と呼び、水を捨てることを排水、そのうち汚物を流し捨てることを下水といいます。

一戸建て住宅から中古マンションや中古アパートまで、建物から出る「排水」には、「雨水・汚水・雑排水」の3種類があります。
トイレからの屎尿は「汚水」、台所・浴室の排水は「雑排水」にカテゴライズされます。
排水は下水道が整備されていない地域では、一定水質まで処理してから河川や海に放出します。

建築基準法では、給水・上水に関しては、配水管からの飲み水の汚染防止や貯水タンクの点検の規定が設けられています。
老朽化していて管理組合の機能が麻痺しているようなマンションでは、大修繕が行われると屋上の貯水タンクの中に鳥の死骸が沈んでた、なんてことが頻繁にあります。
つまり点検義務を怠っているマンションがかなりあるということです。

また、建築基準法においては、下水配管は管内臭気が漏れないための排水トラップ構造が義務です。
流し台・洗面台の下の排水パイプが、真っ直ぐではなく、クルリと一回転しているのが、排水トラップ構造です。

建築基準法の排水設備→合流式・分流式

建築物の敷地内排水には、合流式と分流式があります。
合流式は雨水・汚水・雑排水を同じ配水管で排水し、公共下水道を通して終末処理場で処理します。これは、合流式下水道がある地域でのみ、利用できます。
分流式排水は、汚水・雑排水と雨水が3種の排水系統で排出されるという方式です。

家庭の下水のしくみ|川崎市上下水道局ウェブサイト

水道工事

建築基準法の排水

建築基準法は「建築物の範囲」に、建物以外の一定の設備も含む、として、それら設備についても規制をかけています。
建物だけでは現代人の生活が成し得ず、そこには様々な設備が必要だから、それを法律で是非の判断をしておくのは理に適っています。

建築設備とは、建築物に設ける電気・ガス・給水・排水・換気・暖房・冷房・消火・排煙・汚物処理・煙突・昇降機・避雷針などを指します。
建築設備の具体的な制限は、建築基準法施行令第5章の4に定められています。(参考記事:欠陥住宅トラブル
昇降機を除き、構造耐力上安全なものとして国交省の定める規格を使用しなければなりません。

建築基準法の給水設備=水道法の給水装置

建築基準法でいう給水設備は、水道法では給水装置という表現で定められています。
建築基準法令は、給配水管・ガス管の設備や、配電管に関する規定がありますが、給水については水道法という法律があるので、直接的な規定ではありません。
給水方式には、直結方式と受水槽方式があります。直結方式は水道管に直結させて給水する設備。

水道直結方式は、特別な装置を必要としないから、設備費がかからず、水道の圧力だけで電力もいらないので停電でも断水しないというメリットがあります。

増圧直結給水方式とは、水道から直結させた管を増圧給水設備を利用して各住戸にポンプ圧によって給水する低層マンションで利用可能なシステムです。
受水槽方式とはマンションの屋上によくある、水道から給水した水を受水槽に溜めてから各住戸に給水する方式です。受水槽つまり貯水タンクの清掃メンテ費用や電気代など、諸経費がかかる給水設備です。

建築基準法施行令第129条の2の5

(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)

建築基準法トイレ

建築基準法のトイレ条項では、トイレリフォームDIYについても換気と採光を重視し、水洗便所で照明と換気設備を完備していない場合は、直接外気に触れる窓を設置しないといけない、としています。
汲取り式便所では、屎尿や臭気が漏れない構造、便槽に雨水が浸水しない構造設計が責務になっています。
都市計画区域・準都市計画区域内の学校・病院・公会堂・ホテルなど特殊建築物は、建築基準法の規定により、大便所の換気口には蝿が入らないための予防措置も必要です。

建築基準法のトイレ・バスルームには原則として窓が必要です。
でも、学生向けワンルームマンションに付帯のユニットバス(バス・トイレ一体型)なんかは、100%窓ナシのFRP素材の密閉された空間の中のバストイレで、建築基準法におけるトイレの原則に反しています。
なぜ、UB方式の窓ナシのトイレバスが許されるかというと、建築基準法のトイレルールでは、「水洗トイレで照明・換気扇付き」ならば、窓のないトイレでも認められるという例外規定があるからです。

この例外規定によって、風呂無しアパートを風呂付にランクアップさせるユニットバス交換リフォームが腐朽しました。

そもそも、現代では下水道が完備され、国内のほとんどの区域は終末処理場で汚水処理することが前提であり、トイレは全て水洗便所でなければなりません。これは下水道法31条に規定されています。

トイレのリフォーム後のイラスト

下水道リフォーム、雨水処理・排水設備の設置

建築物を建てて公共下水道の使用を開始する時は、その建物所有者・利用者は、配水管・排水渠などの排水設備を設置する義務があります。
この場合、建物から出る全ての排水を塩ビの配水管を買ってきて、道路際の側溝に勝手に排泄する構造にリフォームすることは、排水設備を設置したことにはなりません。(参考記事:リフォーム契約書

下水道法に従い法律に準じた施工による排水設備を用意し、設置後は排水設備の改築修繕・維持清掃は所有者・占有者が責任を持って行わねばなりません。

下水道法令が改正されました|国土交通省都市地域整備局

袋地所有者の自宅再建築のための選択

法律に基づいて公共下水道に接続する時に他人の土地や排水設備を使用しなければならない時は、他人の土地に排水設備を引き込むことが法律で可能です。
ただし、他人の土地にとって最も損害の少ない場所・方法を執らなければなりません。

この点は、袋地所有者が自宅を再建築不可物件にならないマトモな物件として残すため囲繞地通行権を行使するにも、囲繞地所有者に迷惑かからないよう最善の選択をしなければならないのと似ています。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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