自宅介護限界点 リフォーム費用と認知症自宅介護の限界

自宅介護限界点

自宅介護限界点(在宅介護限界点)というキーワードがあります。自宅介護限界点とは、家族ケア可能状態と家庭崩壊状態との境界線を意味します。
昔ながらの複数世帯同居の大家族ならともかく、要介護の親を1人の子もしくは子夫婦のみで支える自宅介護には限界があります。

共働きが当然の時代、デイサービスを利用して夫婦それぞれ働く時間を確保できても、夜の徘徊があれば勤務時間外も心身が休まりません。いずれ仕事に支障を来たします。
夫婦で親を看る二人三脚の自宅介護も、同じ状態が継続すると自宅介護の限界点が近まります。

住まいで悩む夫婦の写真

在宅介護の限界とは、家族の精神状態のリミットであり、これを超えると介助する側の鬱病から介護自殺・介護殺人にまで発展することになります。
自宅介護の限界を先送りするには、特養やグループホームへの入所を前提とした、ショートステイ、お泊りデイサービス、小規模多機能など宿泊可能な介護施設を利用し、なるべく親と距離を置くほうがいいと「実体験」として思います。

介護リフォーム補助金外のリフォーム予算

介護認定リフォームによる住宅改修に対する介護保険給付金(補助金)は20万円が上限です。

20万円の介護リフォーム費用でできることというと、実はタカが知れています。そして、介護保険法・条例で定められた在宅ケアのためのリフォーム及び福祉用具レンタルは一定の範囲内・種類が決っています。
要介護者個人が固有・特別の介助を必要な場合、既存の介護保険給付金によるリフォームでは賄いきれず、自費・自己負担になります。
つまり、公的助成に頼れるバリアフリーリフォームは大した改修はできないということです。

もし自宅を100%満足できる親の介護仕様にカスタマイズすると、その介護リフォーム費用は2百~1千万円くらいの幅でかなりの規模のリフォーム費用を考える必要があります。

金額の開きは、セルフか業者まかせかの違いです。2百万は自分で資材購入し日曜大工リフォームする場合、1千万円は業者まかせのフル装備介護です。

自宅リフォーム費用

介護を目的とした自宅リフォーム費用で、介護保険住宅改修申請をして市区町村役場からもらえる補助金は20万円までです。
それ以上の資金は、自らの貯金なりリフォームローンなどで捻出しなければなりません。

自腹で在宅ケアのためのリフォーム計画を組むとしたら、改修部分をバラバラに考えず、効率的にトータルで介助しやすい環境になるよう、コンパクトなケアプランニングをしなければなりません。

過去に「戸建て住宅で親の家リフォームを計画するなら、2階は『子が管理する倉庫』にして親は2階に上らせないほうがいい」と書きました。

これは実体験からくる本音です。介護保険の自宅リフォーム費用補助金を使って、階段に手すりをつけても自力での階段昇降ができなくなる時がすぐにやってきます。

耐震基準に関する建築基準法改正以前の昭和時代の一戸建て住宅は、階段に手すりを必要としなかったので、築30年以上の家で介護保険リフォームを考えようとする時、まず、候補に上るのは、階段の手すり取付けリフォームです。
階段の上り下りで怪我しないよう配慮するためのリフォームですが、実はいったん要介護状態になると、階段を登りたくても登れない身体になってしまう時期が早々にやってきます。

限られた予算は大切にすべきで、いずれ不要になるのなら最初から階段使用を廃除した方がいいという意味です。

自宅リフォーム費用と要介護度と安全

しかし、どうしても2階にあがる必要があるなら、介護保険の枠内で細かく手すりをつけるなんてやめて、いっそ自費で電動の「階段昇降機」を設置した方が効果的です。

いずれ要介護度が上って2階に上るのが困難になるとしても、今どうしても必要なら、階段昇降機(60~100万円)のほうが、手すり(5~10万)より数倍安全です。

昇降機は要介護者が自力を使わず、機械の力で体を運んでくれますが、手すりは自分の力で昇降するうち、階段の途中でよろけて転落し、死亡する確率が高いからです。

自宅介護の限界と介護保険サービス単位

自宅介護の限界を先送りするために、親を介護施設に泊まらせることに介護保険サービス単位を使うべき・・・というと、「自宅介護になってない!」と思われるかも知れません。

しかし、あくまでショートステイだし、実体験として親と離れる時間があるほうが効果的なのです。

介護保険で使えるサービス単位を自宅介護を頑張るための福祉用具レンタルに使っても、福祉用具はその機能を発揮しきれないことが多いです。

例えば、電動ベッド(特殊寝台)なんかレンタルしても、「食事までベッドで介助付で暮らす要介護度4・5の寝たきり老人以外、電動の起き上がり機能を使わない」ものなんです。

食事の時、ベッドを起こしてベッドの上で食事する以外の人は、「ベッドはフラットのまま、電動機能未使用」のままがほとんどです。

そして、下手に重くて動かしづらい電動ベッドだから、いつも同じ向きで寝てしまい、片側が単なる床ずれから「褥瘡」になってしまう危険性があります。

認知症自宅介護の限界

要介護者の認知症が進んでくると、家族だけの見守りでは自宅介護の限界期が早まります。

自宅介護を頑張るために高齢者リフォームや福祉レンタルをフル装備するより、サービス単位の多くを介護施設の「お泊り」に託し、腰をすえて在宅介護をする選択肢もあるわけです。

認知症の親のケアは家族のストレスが鬱積しやすく、月の何割か家から出てもらうだけでも、家族の心理的な限界値が減少します。

ショートステイやお泊りデイサービスは、老人ホームのように入居したっきりではなく、介護保険の制約のため、月の2/3しか宿泊ができません。つまり、10日間が自宅です。

これで、介護保険外利用料がかからず済み、月10万円くらいの自己負担ですみます。家にいるのが月の1/3だけなら、介護の負担も少なく福祉用具レンタルも不要です。

怪我した高齢者の写真。

認知症自宅介護の限界を避ける介護施設利用

認知症自宅介護を限界以上まで1人で背負い込んだ末の介護自殺は、報道されないだけで身近に沢山の例があります。

自らを追い込まないためには、外部委託、つまり介護施設を利用することに重点をおいて、自宅リフォームや福祉用具レンタルなど介助のための下準備は先延ばしすることです。

当ブログを訪問する人は、「離れて暮らす親の介護」というキーワードで検索してくる方が沢山います。これは、googleAnalyticsの調査結果からの推測です。

同居ではない遠方の親の介護のため、保険外の介護リフォーム費用に大金を投じても、見守る人がいなくては、家族は安心できません。

離れて暮らすなら尚更、月の半分くらいはプロである介護施設へ見守りを代行してもらうほうが、長期的な、限界とは程遠い、気楽な介護を可能とします。

認知症の限界

認知症の限界は要介護者本人も感じていて、この限界に抗う気持ちが介助する家族への暴言・暴力につながることがしばしばです。

家族の認知症の限界を先延ばしするため、医療サービスとしてニューロケア・認知症クリニックというものもあります。
しかしこのニューロケア、親切な医者を見つけるのは一苦労です。
ニューロケアという最新の医療サービスや在宅療養支援診療所登録をする医者、東京都内や横浜など大都市では競争率が高いため、優秀で優良なお医者さんが多いです。
しかし、地方に行くと、単に儲けに目ざといだけで認知や訪問診療に手を出し、田舎だけに競合がおらずぼろ儲けしている認知症クリニックが多いです。

こういうニューロケアや訪問診療医に引っ掛かると、公的保険で賄えない支出、24時間ケアのための月額の会員費・管理費などで出費がかさみ、とにかく薬を大量に投与・服用させられるハメになります。
ニューロケア・認知症クリニックで訪問診療契約をして落ち着いた心算が、経済面で苦しめられて、認知症自宅介護の限界が近づいたとウスウス感じている家族も多いのではないでしょうか?

自助と老老介護の限界点

介護行政の趣旨には、地域包括ケアといって、地域一体が公共的に要介護者を守り、「共助」し、助け合う精神が含まれています。
しかし、実際のところ「地域包括ケアをしよう!」と声をあげても周りが年寄りばかりで他人の介護にまでボランティアできないのが、東京都内でも地方でも在宅介護の現状としてあります。
そして、在宅介護を支援する包括ケアの共助(=インフォーマルサービス)が機能しないことから、結局、「自助」しかなく、自助・互助するのが老老世帯であり、もう自宅介護限界点はハッキリ見えていると言えます。

このような状況であると、特に認知症介護の場合は、老老でも子による介護でも自宅での限界に家族だけで抵抗するのは無理があります。
よって、自宅の介護リフォームは、できる限り施設入所を前提とした程度に止めるべきです。
福祉用具レンタルも介護保険を万能だとは思わずに、ジャパネット等の通販で買った方が安あがりなことが多いです。
介護保険の点数は、なるべく施設入所用に温存するのがベターです。

特別養護老人ホームが空きがないと最初から諦めて在宅介護をしている人もいますが、特養は沢山の施設にありったけ申し込んでも問題なく、地元地域の特養じゃなくても申込み可能です。
特養入所前提の「ロングショートステイ」というサービスもあるので、そういう自宅外の施設利用に使えるよう介護保険の割り振りをケアマネージャーに相談しないと損です。
特養入所という希望が見えるだけで、辛い、在宅介護の限界点に介護家族が自ら近づくような精神的疲労も減少します。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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