窓先空地―東京都内や横浜市の建築条例とアパート避難通路

窓先空地

〈窓先空地〉とは、東京都内神奈川県横浜市など巨大都市の、[住宅密集地]にあるアパートやフラットなど、共同住宅の1階住居の窓辺に接する敷地に幅員1.5m以上の空地を設け、避難用通路として確保しなければならないとした制度です。

窓先空地のクウチの「空」は、「真空状態」とか「空っぽ」を意味します。
つまり、窓先空地を設けることは、窓先に空の土地(くう=地上に何の障害物もないカラの土地)を用意するということです。

この空地は避難用通路になり、火災時に公衆道路や広場・公園などへの非難のために使いますから、道としての機能を完備する必要があるのです。

横浜市の窓先空地規定と建築基準条例

横浜市建築基準条例

横浜市では、以下の通り窓先空地の面積に関し規定し、その根拠条例を設けています。

横浜市建築局建築安全課 建築確認(申請・審査・検査)Q&A
4-25 . 共同住宅の窓先空地について規定はありますか?

窓先空地の概要

窓先空地は、都内23区部や横浜市内のアパートや小規模マンションの1階の窓の外に見られる、洗濯機置き場や隣室との仕切りボードより〈外側〉の、更地の空き地です。

参考:wikipediaより

公開空地 wikipedia

空地(あきち・空き地)wikipedia

因みにベランダ側に限ったわけではありません。

窓先空地、つまり東京都内のアパートマンションのバルコニー・窓際の先の地上に何も設置しない避難用通路は以下の基準で設置する必要があります。

そのアパマンが耐火建築物の場合

  • 200平米以下=1.5m幅員の避難用通路(窓先空地)を用意すべし。
  • 200~600平米の耐火建築物=窓先空地は2m幅を用意すべし。
  • 600~1000平米=窓先空地は3m幅を用意。
  • 1000平米を超える耐火建築物は4m以上の窓先空地が必要。

ゲストハウスなど「簡易宿所」の安全条例もこれに準用されています。

  • 宿泊室の面積が200平米以下の耐火建築物=窓先空地が1.5m以上必要。
  • 宿泊室の面積が200平米強の耐火建築物=窓先空地が2m以上必要。

さらに耐火建築物ではなく、木造建築などの場合は、窓先空地の要件が厳しくなっています。

木造建築の窓先空地要件

  • 100平米以下の木造建物=窓先空地は1.5m
  • 100~300平米の建築物=窓先空地は2m
  • 300~500平米の建築物=窓先空地は3m
  • 500平米以上=窓先空地は4m

これに倣って、民泊などの簡易宿所は次のように窓先空地を用意する必要があります。

  • 宿泊室の面積が100平米以下の木造建築=窓先空地の幅員は1.5m
  • 宿泊室の面積が100平米超の木造建築=窓先空地の幅員は2m以上必要

東京都内や横浜市は、以上のような条件で窓先空地が必須の許可要件となっています。

神奈川なら横浜・川崎の条例

同じ神奈川県でも、横浜や川崎以外の市町村のアパート1階は、隣の建築物と密接していてOKです。〈空地〉など必要ありません。

だから県内の他の市町村から横浜市内に引っ越してきた人は、アパート1階の「舗装もされずに地面むき出しの空き地」が無駄に見えてしかたありません。

横浜ビジネスタウン

公園や緑地に面していれば不要

横浜みたいな大都会の土地を空き地にするなら、せめて花壇でも設ければいいのに(もったいない)と思える、放置された空き地が窓先空地です。

因みにバルコニーが道路や公園、緑地に面している場合は避難経路が確保されているということで窓先空地は不要です。

義務であるがオーナーにはムダな土地活用

高級なアパートやマンションでは、窓先空地に芝生を植えキレイにしてたりします。小規模で安いアパートは、大体、地面から雑草が生えた空き地状態。

これは、マンション業者(&オーナー)としても条例で仕方なく設けただけの利益を生まない場所なので、清掃するのも費用の無駄になるのです。

建築安全条例・防災条例・建築基準条例

窓先空地は23区の各区、横浜市内でも区部によって条例などが変わります。

どの自治体も建築基準法第40条に基づいて制定されますが、条例の名称は「建築安全条例」「建築防災条例」など異なります。東京都23区の場合は安全条例、横浜市の場合は建築基準条例です。

東京都安全条例の窓先空地のアパマン規定は、ゲストハウス・民泊経営にも派生しています。
つまり建築条例に基づき、ゲストハウス経営においてもアパマンの窓先空地に倣って「簡易宿所(ゲストハウス)」のバルコニーの先に道路・公園・広場・空き地がなければ、以下のアパマンに準じた窓先空地の「何もない空っぽの土地(避難用通路)」を用意しなければならないのです。

貸しアパートの室内面積に入らない土地

東京都内や横浜市の条例で窓先空地は〈義務〉ですが、空地に当てた土地は賃貸する時に「専有免責(室内面積:20平米・・・など)」に入れて宣伝できる土地ではありません。

密集市街地のアパートの1階など、隣家の窓から丸見えだったりするので、〈居住者〉には、窓先空地のようなベランダ先1m弱の空き地は心理的には余裕・ゆとりを与える(悪くない)空間かもしれません。

横浜中心街の空撮

避難用の土地

窓先空地は、以上のような都内区部や横浜市の集合住宅に義務付けられたアパート・コーポの1階窓側にある避難用の空き地です。

ただし、いわゆる「空き地」はその地上に建物を建てられます。「空地」というのは、その地面の上には建設物を置けない土地という意味になります。

窓先空地と接するのは「窓」なら良い

200平米以下の耐火建築物は、窓先空地の幅員が1.5m、100平米以下の非耐火建築物も、窓先空地の幅員が1.5m必要になります。

そして、これらの空き地に面して「窓」を設けること・・・のようです。ベランダとかでなくても良いようです。

(アパートや小規模マンションを想定しての記述なので、200平米を超える耐火建築物100平米を超える非耐火建築物については省略)

横浜市建築基準条例集(条例解説付)

横浜市建築基準条例 第20条の2

窓先空地 東京都・横浜市

オリンピックによる民泊需要の多さを耳にして、相続の際、空き家を買取って民泊仕様にする計画を立てる人が増えています。

しかし、合法的に民泊経営を考えるとすると、東京都安全条例や横浜市建築基準条例に従って、窓先空地を確保しなければならなくなります。
上記のとおり、窓先空地は幅員1.5m×道路・公園までの距離を1円の賃料も取れない避難用通路として確保しなければならないので、改築するならば建物の敷地面積も相応に狭くなる「減築」をしなければならなくなります。
簡単に空き家をゲストハウスに転用することは難しいのです。

とはいえ、原則が【道路・公園に面してない居室の窓先には空地を設けよ】という条件をクリアすればよいわけです。
東京都内や横浜でゲストハウスその他の流行りでトッぽい不動産賃貸ビジネスを展開する人は、たいがい法律や条例の裏をかいて商売することに長けています。
よって、強引に道路側・公園側に「窓」を設けて、窓先空地を不要とするようなギリギリのリノベーションをかけたり、許認可の登録申請を「ゲストハウス・簡易宿所」ではなく、「旅館業申請」にして、許可を取ったり、ほぼトラブルなく、役所の先を行ってゲストハウス経営を始めているようです。

リノベーション等してデザイン刷新し、〈アパート経営〉する計画で、中古アパートを一棟買いするサラリーマンの方が増えています。

中でもアパート投資の初心者の方は、築古物件を買取って改修すると同時に、「窓先空地部分に植樹したり自転車用駐車場にして有効活用しよう」と考えていたりします。

買取っても活用しにくい

パッと見て、1階の窓の外、庇の下までコンクリートなのに、その先が草ぼうぼうの空き地になっているのは「もったいない」と思うのでしょう。せっかく買取るならイジりたい。

でも、窓先空地は避難用通路ですから、ここを屋根とかを付けた自転車用駐車場に改修することはできません。この土地は避難用の通路以外には活用しがたい土地なのです。

避難経路の邪魔をしなければガーデニングも可

しかし雑草生え放題にしておくのも賃貸価格に影響します。避難経路を確保できる程度の低層草花の花壇としてガーデニングに使うなら問題ありません。

麻生区のブロッコリーの葉

東京都内の《秀逸》な窓先空地対策

また、東京都内は先駆的・斬新な発想が溢れていますが、〈窓先空地対策〉でも23区という〈住宅密集地の敷地〉を無駄にしない〈秀逸〉な設計をしている業者さんがいます。

向かい合わせで建てた連棟のアパート2棟の間に中庭と窓先空地を設け、中庭を雑草処理のいらないレンガ造りかなにか・・・洋風の高級感を出しています。

ムダな土地の有効活用

ムダに思えてしまう空き土地も活用次第で庭や通路として有効利用できるという良い例です。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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