共有持分買取請求権【民法253条】共有解除、持分強制買取制度

共有持分買取請求権とは、民法253条に規定された共有解除を目的とした持分強制買取制度の事を意味します。
(※ 共有持分買取を希望して当ページを訪れて下さった方は、文末の【共有持分の買取をご希望の方へ】をご参照ください。)

共有持分買取

共有持分買取(買取請求権)とは、民法253条に書かれた「共有物の管理負担義務」を履行しない者の共有持分を、他の共有者が償金を支払って買い取る事を請求できる共有持分処分の権利です。

共有持分買取請求権は「共有持分強制買取制度」ともいいます。本来、共有名義人間で応分負担するはずの経費を支払わない者が共有持分を所有し続ける事は、負担義務を履行している他の共有者に不公平です。

現金処分のイメージ写真。

その不公平を解消すべく、共有責任を果たす者が、持分ぶんの義務を履行しない者に対し、共有持分買取を請求できるのが、共有持分買取請求権です。

ビジネスにおいての共同経営・協力事業で、出資や労働参加をせず、共同協力の名のもとに成果・収益を要求する者は排除されます。
一般にはこれを除名とか契約解消いいます。

不動産における共有持分者間では、各持分に応じた役割を果たさない者がいても、民法上の所有権持分が存在し簡単に名義を外せません。
共有者の持ち分を解消するにも、不当な権利者の所有権を取得するまで、その権利を尊重しなければなりません。

不動産を共同所有する権利を相手から取得するには、共有している持ち分を買い取りするしかありません。
その「共有持分買取」に実効力を持たせるため、持分を買取する側の権利として、共有持分買取請求権があります。

共有持分買取請求権の共有物管理費用、負担義務

共有持分買取請求権は、共有物の管理費用負担義務の不公平・理不尽を是正する為にも、理に適った共有持分権の行使方法であるといえます。

共有持分を相互に有し、持分による配当など利益を享受する者同士は、共有物管理費用も公平に負担すべきで、その義務を履行しない者と共有状態を持続させるより、共有持分買取請求権を行使し、共有持分買取による共有解消(買取で共有解除)をする事は、共有者全員に有益です。

もちろん民法253条に基づく権利ですから、この請求権による共有持分買取価格は常識に照らして妥当な金額です。売却する人にも購入する人にも不都合のない金額が設定されます。

民法253条

民法第253条
1項 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
2項 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

民法253条(共有物に関する負担)|houko.comより)

この民法253条1項の「管理の費用」とは、共有物の維持費用と有益費・必要費を指しています。例えば相続などで木造アパートを共有している場合の修繕費用が共有物の管理費用に当たります。

また、「共有物に関する負担」とは、そのアパートにかかる固定資産税といった所有者・共有者が当然負担すべき費用を意味します。

共有物の管理の費用、共有物の負担と義務の履行

共有不動産の固定資産税は、253条1項の「共有物の負担」に該当し、代表して固定資産税を支払った者は他の共有者に対し、共有物の負担として、共有持分割合に応じた金額を請求できます。

民法253条2項の「義務を履行しない」とは、例えば共有状態で土地活用~アパート経営し、共有者の一人がせっせと維持管理費用を拠出してアパートの存立に寄与しているのに、他の共有者がピタ1円も管理費用を支払わずに家賃だけは折半を要求する、みたいな事です。

民法253条2項は、自分のフトコロは痛めずに、「アパート家賃は共有持分ぶんもらう権利がある」なんていう共有者の持分は償金を支払って買取できると定めたものです。

民法 共有

民法の共有は、民法249条から264条まで規定がおかれています。

共有と一言でいっても意味は広く、「総有」といわれる広義の共有は、1つの物を共同所有する所有者全員が1の団体として組織化された入会権のようなもので、ここに共有持分のような個々の所有権はありません。
民法上の組合もこれに当たり、個々人の持分売却処分などは不可能です。
合有という総有と共有の間にあるシェア・共同所有形態は総有に準じたもので、共同信託や夫婦共有財産が合有に当たります。

共有持分買取に関する条項は253条ですが、その根拠は251条の「共有物の変更」と252条「共有物の管理」にあります。

これら民法の条項によって、――共有物に変更を加えるには共有者全員の同意、管理行為には全持分の過半数の同意が必要ですが、保存行為だけは共有名義人に気兼ねすることなく自由にできる――と共有物の扱いに関する共有者間の制限が決められています。
民法における共有のルールはシンプルで、共有者の財産価値に影響がないこと(保存)は自由に、財産をおびやかしかねないこと(変更)は全員の協議でとなっているわけです。

もちろん、変更・管理・保存には、それぞれ持分によるルールがありますが、その共有関係の中にいたくない、自分の持ち分権をとっとと確定させ処分したい場合には、共有物分割請求によることができる点も、民法共有のルールの1つ(256条1項)です。

メリットを計算する電卓の写真。

民法共有の具体例―変更・管理・保存

民法共有の具体例として以下のようなケースがあります。
【両親が死に、残った3兄弟のうち実家の老朽住宅と敷地は親の生前介護に専念した長男がもらうことに全員合意。その実家の隣にある親名義の空き地(更地)は、とりあえず3兄弟の共有として、1/3づつの持分権で残しておく――などです。

この共有土地を「変更」つまり売買したり、そこに他人の借地権を設定させ、借地権アパート経営をさせて地代をもらう等、積極的な土地活用は「変更行為」に当たります。
となれば、他の共有名義人の同意が必要になりますから、実家住まいの長男が「隣の土地、もったいないな」と思ったら、まずは他の2人の兄弟を納得させなければなりません。
長男が独断で共有土地の売買や権利設定をしてしまいそうなら、他の兄弟は、その禁止処分と原状回復請求ができる、という判例(最判平成10.3.24)も出ています。

民法共有における「管理行為の具体例」としては、この空き地を長男が自分のクルマの駐車場として使ったり、他人に駐車場貸しして賃料収益を得たりするケースになります。
これには、民法において共有持分の過半数の同意があれば事足ります。
つまり長男は、二男か三男のどっちかを説得すれば、残りの1人が反対していても、空き地を駐車場として使えるわけです。
長男1/3、二男1/3で相続持分の過半数を占めているので、三男が騒ぎ立てても問題ありません。

民法共有の「保存行為の具体例」は、【長男など1人が隣の空き地の草むしりをしたり、『ここで遊ぶな!』『通行禁止!』などの立て看板を立てたりする】等の無害な行為をすることです。
これらは、全ての共有者に不利益がないようにするための予防策ですから、長男が単独で行うことができます。

共有解除

共有解除〈共有状態の解消〉の方法、つまり共有分割には、現物分割・代金分割・価額賠償といった手順があります。

これは、相続で共有になっている不動産財産を、単なる不動産持分として共有していてもメリットがないため、みんなの合意で共有の解除をする(共有物分割する)ものです。

共有不動産を共同所有のまま維持し続けることも自由です。この場合、共有費用は共有者が持分割合で負担します。

この共有物の管理費用負担は民法253条1項でも規定されています。

民法 – 共有
共有物分割 – wikipedia

共有物分割の現物分割と所有権の共有

例えば9戸の区分所有権のある中古マンションを3人で相続したとしたら、3戸づつ仲良く均等割りできます。

3戸づつ分けたマンションの区分所有権を3人は自由に売却して換金できます。共有物分割の現物分割がシンプルに実行できるわけです。

しかし、同じ共同住宅の相続でも、9室ある1棟の中古アパート経営の場合、区分所有権ではなく、1棟の所有権&経営権を3人で共有する事になります。

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共有物・代金分割と共有持分費用負担

アパートは大体が、大家さん個人の口座に借家人が家賃を振り込むもので、各室が自己所有(区分所有)のアパートなんて聞きません。

1棟のアパートを3人で共有し、共有物分割するとしたら、1人の代表が他の共有持分を買い取る〈代金分割〉の形になります。

例えば1棟の築古物件を相続した場合、〔共有費用の持分負担〕の概念が重要になります。

3人でアパートを相続したら、アパートの家賃収入は共有持分に応じて配当されます。3人仲良くなら約33%づつです。

アパートや貸家の賃貸収入|国税庁

そして、共有物であるアパートの老朽化防止のための管理維持費用と公租公課・租税負担も33%づつ経費負担するのが当然の義務です。

納税においては、共有者の一人が代表として支払い、後に他の共有者に負担分を請求する形になりますが、按分負担に違いはありません。

そして、ここで共有者間での負担義務の不公平が生じたら、共有持分買取請求権による持分強制買取を実施し、共有関係を整理することになります。

共有持分買取による共有解除をしたほうがいいのは、建て直しが困難な共同遺産の処分、再建築不可の売却買取~の段階になった時です。
売却困難な物件を共有名義のまま売りに出しても、買う側からしたら、【再建築不可なうえに複数権利者がいる厄介な物件】にしか見えません。

タダに近いような価格で売りに出してもトラブルを恐れます。買取を希望する人はごく一部の人に限られます。
こういう物件は、1人が他の共有持分を買取って、まず単純名義にして売買に臨まねば、話になりません。

買取で共有解除

しかし、アパート維持に必要なリノベーション費用や修理代については、人により不必要だという意見も出てきます。

美観を保ちたいからマメに掃除負担をする繊細な者と〈朽ち果てても家賃だけ取れればOK〉という猛者ボロアパート経営者タイプ)が1つの物件を共有しあうと問題がおきます。

ルーズな方が、共有持分放棄をしてくれれば問題は起きませんが、大抵、こういう人は何もやらずに権利だけ主張し続けるものです。

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繊細な共有者だけが負担を背負うのは不公平です。空き家対策法が効力を発揮する平成28年度以降、空き家管理の状態のレベルが上ります。

他の共有者が共有費用支払いをあまりに知らん振りしていたら、その共有持分を強制買取できるのが共有持分買取請求権です。

共有不動産維持費用を求償し、応じない場合、相手の共有持分を〈相応の評価金額〉で買取れるわけです。

それ相応の代金を払うから共有解除の価額賠償と同じようなものであり、強制買取という言葉は馴染まないかもしれませんが、一般的に買取で共有解除する事を強制買取制度(共有持分買取請求権)と呼んでいます。

未払い共有持分負担の買取費用―民法253条2項

未払い共有持分負担のいわば債権回収とも言い換えられる共有持分買取請求権の〈買い取り費用〉は、民法253条2項においては、〈相当の償金〉と記されています。

アパートの場合は入居率を含む不動産評価額の共有持分ぶんに相当する対価でしょう。これを今までの立て替え費用を相殺したうえで支払うものです。

計算をするイメージ写真

共有持分買取請求権(建物買取請求権)は、裁判などにかけずに共有者同士で協議し、売買契約で完了できます。

のちの証拠保全になるような請求を内容証明で行なうとか、書類を詳細に取っておくなどのマネジメントは遺産分割協議での手続きと一緒です。

不動産遺産分割協議の申請書|法務省

共有持分譲受人の共有持分買取請求権

民法253条を受けて、民法254条では「共有持分売却の後は、売却相手・購入者である新共有者になった人も、共有持分買取請求権を行使できるとしています。

民法254条|Wikibooks

第254条(共有物についての債権)
共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。

これは、新共有者は持分に応じて共有不動産の管理維持費用その他の義務負担をしなければならないが、他の「元から共有者」が共有義務を怠っていれば、共有持分買取請求権で共有解除できるという意味になります。

共有持分の買取をご希望の方へ

東京都内~神奈川県において、共有名義のまま所有者間の協議が調わず、こうちゃく状態になっている物件の持分でお困りの方、ご相談ください。

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以下の地域においては、特に買い取り依頼を歓迎いたします。一戸建て中古住宅~マンションも、ご相談ください。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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