遺産相続時効取得=不動産共有名義の相続持分を【遺産時効取得】

共有持分を相続時効取得で自己のものにすることは可能です。
このページでは、不動産遺産相続時効についての情報をまとめて解説しています。
相続の最中で「自分の相続分が売却できるか?」お悩みの方は、文末の【時効取得できてるか悩んでる方へ】をご参照ください。

時効取得持分

時効取得した共有持分を買取って欲しいと相談されたが、調査したら相続人の勘違いだったというお話です。

相談者さんの実家は祖父所有だったものが祖父が亡くなった後〈長男である父〉と〈次男であるオジ〉の共有名義で相続登記を済ませていました。オジは父よりも早く、25~6年前に亡くなっていました。

本来なら実家売却処分(実家を売る段取りを組む)のは、20数年前にやるべき作業だったわけです。

※ 相続登記に関するリンク

遺産の換価分割のための相続登記と贈与税 – 国税庁

相談者さんが、父から実家を相続したのは20数年前

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当時、父の相続登記のため実家の登記簿謄本をあげて、不動産名義が父とオジの共有名義のまま、

〔オジ側の相続人が不動産の共有名義状態になにも手を加えていない〕

つまり、オジの相続手続きが放置のままであることを、初めて知りました。

時効取得=共有持分の時効取得

オジには娘さん、相談者さんからしたらイトコ(従妹)がいたためオジの共有持分はすでに彼女が所有権移転しているかと思っていました。

20数年前、その時その事実を知って、相談者さんは父の共有持分だけ自分に所有権移転登記をして、以来、その実家に暮し続けています。

従妹は嫁いでいて疎遠になっていたので、連絡は取り合わず。

そして、私の会社に「この共有名義の実家を買取ってくれ」と相談にきました。

相談内容は自分の共有持分だけではなく

自分の共有持分と《未登記のまま従妹の共有持分》を合わせた100%

を買取ってくれとのこと。

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つまり「100%、自分名義の不動産(みたいなもの)だ!」という主張。

その根拠は、相談者さんが

自主占有による時効取得で従妹の共有持分を所有権移転できる権利が自分にはある

という、お考えによるものです。

※ 自主占有と他主占有に関するwikipediaの見解。

自主占有と他主占有 – wikipedia

相続時効所得は、通行地役権にも及びます。
通行地役権に判例による時効所得が認められていることを理由とします。

遺産相続時効

東京都内や横浜・川崎など土地建物や借地権価格が高額な地域では、共同相続した不動産の持ち分は親族間でも争奪戦です。

東京都の密集した町並み

しかし、田舎では牧歌的でノンビリした所もあり、相談者さんの従妹のように自分にも権利のある不動産の共有持分に手をつけないことも多いのです。

(というか、事情を聞くと両家に嫁がれた従妹はOL&主婦業と忙しく、相続登記どころじゃなかったのかも知れない)

そして、相談者さんは放置してあった父とオジの共有名義の不動産を住み着いて〈占有〉し続けてきたことで、

民法にある《時効取得》によって、この共有不動産の所有権すなわち持分を取得した

というわけ(?)です。イトコの持分も俺のもの・・・という。

こういう思い込み、勝手な解釈をしたまま、相続不動産(または相続持分)を売りたいと業者を巡って売却話を吹聴して廻る相続人は多いものです。

登記上、旗竿地の間口幅が接道義務不足で再建築不可になっている家があり、クルマを敷地に乗り入れる幅が足りずに隣地を少し拝借していた人がいました。
拝借部分の敷地は、隣家の庭が広大で家人も大らかだったため、同情してもらって無断使用させてもらっていました。
完全な間口幅不足の再建築不可物件です。

この物件を売り歩いていた所有者は、「長いこと文句も言われず、他人の土地を占有していたのだから、土地の時効取得が完了している」と思い込んでいました。
所有者は、普通の旗竿地の売却に当たると言い張って売り込み歩いていたわけですが、これは単なる再建築不可の売却~買取案件です。
これではいくらたくさんの買取業者を廻ってみても売買が成立しようがありません。

不動産共有名義相続と時効取得

話を元に戻すと、従妹の持分を含めて自分名義と勘違いして売却相談にきた相談者さんには、詳しく勘違いを指摘しました。

そもそも、父の共有持分は占有も何も関係なく、相談者さんのものです。

そして、実家に住む権利は、実家に住んでいたお父さんが亡くなられた時点で1人っ子の相談者さんが自動的に相続します。

だから、お父さんの持分も実家に居住する権利も20年間の時効取得に関係なく、最初から相談者さんは有するわけです。

ここら辺は、話したら「あ、そうですね」と納得していました。

相続時効=共有名義の土地相続

しかしながら従妹がオジさんから相続した共有持分は、100年経っても相談者の所有にはなりません。

別に遺言でもあれば、遺言持分によって形成は変わってきますが、他人の物を物理的に占有しているだけでは、時効取得ができません。

住宅売却は金額が大きいから混乱しないよう注意。

隣の土地を自分の土地だと思って境界を越えて建物を建て20年占有していて取得時効が完成した、なんて話はありますが、隣の空き地に地代を払って建物を建てて30年間過ごしても、借地権の話はおいといて空き地を時効取得できるわけではありません。

時効取得を主張するためには、「所有の意思をもって占有」することが重要です。共有名義の不動産についても、他人の共有持分部分については、〈他主占有〉してるだけであり、時効のジの字ぶんも自分のものにはなりません。

前述の接道幅の足りない旗竿地・旗地の例でいうと、クルマの乗り入れのため隣人の恩情で間借りしていた数十センチ幅の接道ぶん敷地は、固定資産税も隣人が払い、貸し借りは無償の口約束で行われていただけです。

時効取得どころか、隣人の気分を害すれば、即、クルマの乗り入れ用の間口部分を遮蔽され使えなくされても文句が言えません。
売るに売れない不動産であり、相続時効取得のレベルまで権利が届いていない再建築不可物件なのです。

共有持分時効取得と遺産相続時効

お話を聴くと、相談者がずっと実家に住み着いていた間、従妹からは家賃の請求などはなかったもよう。しかし、「オジさん分の固定資産税は多分イトコが払っていたと思う・・・」という。

これでは単に従妹の恩情に依存していただけで〈自主占有〉ではありません。もっとも、共有不動産は(取り決めがなければ)、共有持分を持つものが〈建物のどこでも〉自由に利用できます。

これが共有持分のメリットです。

共有持分相続

相談者さんが、例え〈1/10〉しか共有持分を持っていなくても、〈住宅の隅っこ〉しか使えないとか、〈トイレだけしか使うな〉とかいうことはなく、家全体を365日、自由に使えます。

「だから、これからも実家は自由に住み続けられますけど、売却したいなら共有者である従妹さんの承諾が必要です。従妹さんの共有持分を相談者さんが買取れば100%の不動産として買えます。今の段階でも、ウチは《相談者さんの共有持分だけ》ならば買い取れます」

と説明したら、不服そうでした。やはり、〔自分の持分50%+時効取得の50%(妄想)〕で100%の不動産として売却して資金繰りがしたかったようです。

とはいえ、自分の50%だって親からタダで相続したもので、感謝しなければ罰当たりな話ではありますが。

不動産相続時効と共有持分相続

「従妹さんを連れてきて、同時売却する形でどうでしょう?」と言ったら、「じゃあ、お金の話は自分とイトコでするから買取るさいに金の話はしないで欲しい」と言われました。で、日を改めて、従妹と必要書類などを携えて来社。

共有者持分 – Wikipedia

会社としては2人の相続人が持つ持分をすべて買い取れ、1個の不動産として購入できるから問題ありません。

結局、従妹が無欲な人で、共有持分の売買価格でもめたくないからと、共有持分放棄の形になりました。
従妹が本来主張していいぶんの相続共有持分をすべて無償で相談者に譲渡した、という形です。

メリットを計算する写真

時効取得で不動産を乗っ取れる伝説

まさか相談者さんも、ちまたで流布されている《時効取得で不動産を乗っ取れる》と言った話を真に受けて、時効取得方法などの詳細を、よく調べもしないまま、20年過ぎるのを待ち続けたとは思えません。

しかし、もし共有名義の物件に一番の権利を有するのが自分だと思うなら、こういう欲のない、気前のいい従妹さんならば20年前に素直に「持分をくれないか?」とお願いしとけば、終っていた話じゃないか???と思いました。

欲のない人ってのは、欲張りなヤツと同じ数いて、だからこそ、世の中ワリと崩壊せず、保ってるんじゃないかと思います。

(昭和44(オ)1270)

所有権移転登記手続等本訴ならびに土地建物所有権確認反訴請求事件

〔昭和46年11月30日/最高裁判所第三小法廷〕

被相続人の死亡により、相続財産の占有を承継したばかりでなく、新たに相続財産を事実上支配することによつて占有を開始し、その占有に所有の意思があるとみられる場合においては、被相続人の占有が所有の意思のないものであつたときでも、相続人は民法185条にいう「新権原」により所有の意思をもつて占有を始めたものというべきである。

時効取得 最高裁判例一覧|RETIO

他主占有者の相続人が独自の占有に基づく取得時効の成立を主張する場合において、占有が所有の意思に基づくものであるといい得るためには、占有者である当該相続人において、その事実的支配が外形的客観的にみて独自の所有の意思に基づくものと解される事情を自ら証明する必要がある(平7(オ)228号 最高裁H8.11.12/最高裁)

時効取得できてるか悩んでる方へ

親が亡くなって相続があったのは知っていたけど、相続人間で話し合う機会もないまま放置され、「自分は親の財産を取得できているのか?」おぼろげながら悩んでいる人は多いものです。

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「登記はしてないけど、時効取得できているのか?」

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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