住宅ローン共有名義と離婚―夫婦共有持分登記のデメリット

離婚時には夫婦共有名義が住宅ローン組換えの足かせになります。しかし、住宅を共有名義購入するのにはメリットもあり夫婦でじっくり相談しあうべき項目です。

住宅ローン共同名義

夫婦共有名義で住宅購入(=住宅ローン共同名義)することは、夫と妻の両方が住宅ローン控除の適用を受けられたり、売却時の特別控除をダブルで最大6千万円までの控除を可能にします。

一戸建て住宅の購入時、土地と建物を異なる共有割合とすることもできます。土地を単独名義で建物を共同名義、あるいは逆に土地共有名義で建物単独名義とすることも可能です。

その時、住宅ローン共同名義の持分割合は任意で決めますが一般的には半々にする人が多いようです。

※〔住宅ローン減税制度の概要|財務省のサイト内、所得税に関わる相談や特例などについて解説したページ〕

会社員が住宅ローン控除を受けるための「はじめての確定申告」|住宅金融支援機構・フラット35の「住宅ローン控除」解説ページ〕

住宅ローン控除持分

妻が住宅ローン控除を受けられるぶん、夫の収入状況などにより住宅ローン控除額が減ることもあります。住宅ローン控除持分を想定して、住宅ローン計画を立てる必要があります。

住宅ローン返済を夫単独で行う場合の住宅ローン控除は共有持分を全て夫の持ち分つまり夫個人名義にすれば、夫だけが受ける事になります。

共有名義でない場合、連帯保証人でも妻の住宅ローンの借入金額はゼロなので、妻は共有名義の住宅ローン控除=減税を受けません。夫がすべて住宅ローン減税を受ける形です。

マンション共有持分

新築マンションの場合には敷地権の登記がされます。区分所有権を有する購入者は、その大台の上に自分達の権利を有します。

土地と建物の共有持分登記は分譲業者らの土地信託などの共同事業により決められます。

横浜市戸塚区の傾斜地マンション

〔不動産A分の~戸数分の1〕と決った不動産の幾分かを区分所有するという形。その区分所有居宅の中身は購入者の者です。

複数の共有名義でも構いません。ただ、建物共有名義という事ではありません。マンションリフォーム注意点である「共有部分は個人が改修禁止!」とは、そういう事です。

マンションの共有持分は区分所有世帯の個別室の屋内を複数で所有するという意味ですが、区分所有世帯自体がマンション自体を共有している事にもなります。

住宅ローン共有名義

住宅ローン共有名義を単独名義に変更するには金融機関との協議を要し、これは債務の返済力の変更に繋がるので、金融機関のほうが面倒がることがあります。

自分の共有持分権を売却することはできますが、共有名義登記において住宅ローン共有名義の割合を変更することは困難です。

(定期借地権の分譲住宅だと、当然、共有名義にできるのは建物だけ。土地は底地人のものです)

建て替え、リノベの写真

夫婦共有名義

夫婦共有名義は住宅ローン返済債務の支払いを協力し合うからこそ、住宅ローン返済比率に応じて持分割合を登記するわけです。

夫婦共有名義を〈妻への相続のために〉とかいって行うことに住宅共有名義のメリットはありません。

支払いは夫がするけど住まいは夫婦共有名義、または夫が住宅ローン債務など全て引受けて〈妻名義〉とかにするのもデメリットが多いです。

離婚で夫婦共有名義の不動産の共有を解消しようとするさい、事実と異なる住宅持分、住宅ローン持分で過ごしていたことは足かせになります。

住まいで悩む夫婦の写真

住宅共同名義

住宅共同名義にするなら、土地価格と建物価格の比較割合を持分計算に入れないと、将来、住宅持分の処分に争いが生じます。これは共有名義の離婚のネックです。

住宅共同名義は土地建物の一方だけより両方に設定する方がシンプルです。土地は単独、建物は共同名義と事情を複雑にすることは可能です。

しかし、登記を複雑にするのは、共有名義のデメリットばかりを負担しあい、メリットを受ける割合が少なくなります。

共有持分登記

夫婦だけでなく、親子・兄弟で資金を出し合って購入する共有不動産は多いです。共有不動産は、支払う率に応じた持分登記が必要です。

頭金の自己資金から住宅ローン借入金も含め、住宅ローン共同名義の出資割合に応じた共有持分登記が基本です。

異なった共有持分登記を後でゴチャゴチャ揉めることは、家裁調停などの席でも多いそうで、つくづく住宅ローン共同名義にはデメリットの方が多いように感じます。

例えば、兄弟で別荘を買って共有持分登記したものの、後から弟が金がなくて支払いを兄が続けると、後から贈与税のトラブルになることもあります。

登記簿の共有持分登記

不動産登記において、権利者複数、つまり共有名義である場合、登記申請書に共有者の各持分を記載することになります。

これにより共有名義人間の持分割合が登記簿に明示・公示されます。
共有持分登記されることで、共有持分売買のさい、登記簿を見れば売却希望者が有する共有持分の実態が分ります。
「親から相続した100%自分名義の不動産を売ります」という者がいても、謄本をみたら1000分の500は他の兄弟の名義であり、所有権を持っていない、ということが分ります。

共有持分権の登記簿への反映によって、真の所有者から実際の持分だけを買い取ることの助けになります。
そして、しばしば起る、登記上の共有持分権の記載と事実上の持分割合の相違に対しては、「真正な登記名義の回復」の手続きをとることによって更正することができます。

住宅共有名義

住宅ローン共有名義は借入の枠を2人分に拡げられたり、購入する物件のグレードアップのための信用情報の点でメリットがあります。

住宅共有名義はワンランク上の物件を求められる点で有益ですが、離婚の時には不動産持分の処分が面倒です。

住宅共有名義は、物件売却の際、普通の売買をしている仲介業者や買取業者では、なかなか買取を引き受けてくれません。

権利を確保するなら口ゲンカより法律で。

持分買取を専門に行う業者のみ、共有名義売却に応じてくれるくらい【売却困難】な不動産です。

共有名義の離婚

共有名義の離婚の時は、単独名義なら慰謝料ほか「お金」が、財産分与でシンプルに収入になります。

共有名義の不動産を売却して「利益」が出れば共有持分割合に応じて利益を分けます。ただ、売却利益が出るという事は、住宅ローン負債がないという事で現実的ではありません。

離婚で住宅ローン共有名義だと「負債」が残れば、それも持分に応じて負担します。

夫の単独名義にしておくと負債に関係なく、慰謝料請求できるなど妻側がニュートラルでいられます。

住宅ローン計算

不動産共有名義は住宅ローン返済債務の支払いを夫婦分担で担うとき、その返済持分に応じる証としたり、相続でやむなく生じるなど、必要以外はしない方が賢明です。

むやみに共有状態にすると共有名義のメリットを享受するよりデメリットの被害を受ける方が大きいです。

共有名義デメリット

共有名義のデメリットは不動産の処分が他の持分所有者に左右される事です。共有名義の物件は、基本、紛争のある物件として、事故物件、訳あり物件にカテゴライズされます。

不仲が原因で妻が家出して行方不明になる事は多いです。そんな状況下で共有名義だと住宅ローン返済が苦しくなって家を任意売却する時にトラブルが生じます。

夫婦共有名義の不動産は共有者全員の承諾が必要なので、妻が行方不明だと任意売却業者も不動産買取に応じてくれません。

妻の失踪宣告をし、共有者が死んだものとして持分売却する場合、【女性の失踪宣告】は男性よりも取り難いと言われ、弁護士さんに余計にお金を取られます。

住宅設計を考える

住宅ローンの負担の有無で共有名義にするかを決め、支払い価格に比例させた共有持分にするのが単純明快です。

共有名義はデメリットも多いので、住宅ローン返済を共同で支払っていくなど必要性がある場合に限り、共有名義登記にするのが妥当です。

共有名義登記

住宅ローンは夫が負担しているけど10%だけ共有名義登記を奥さんにしてる夫婦がいます。実体がないのに共有名義にすることも自由であり違法ではありません。

しかし、どうせ住宅共同名義の登記にするなら50%にすればいいのに、10%だけとする理由は正確には分りません。ただ、【面白い発想】でもあります。

10%の共有名義登記でも、離活のさいに、夫が買い取りたければ50%の価格で持分売却することも可能です。

物件が単独名義なら1千万円で売れるのに、90%の共有名義登記では物件自体は売れません。90%の持分に9百万円の価値はありません。

離婚で不動産を処分したい時、夫の90%の共有名義登記は、売却査定で100万円の価値もないといえます。

見積書を読む写真

妻の住宅持分割合の10%があったら、100%にして1千万円で売れるのに、です。

だから、夫はその10%の共有名義登記に5百万円かけても買戻す価値があります。

不動産担保金融で1千分の1所有権移転登記の本登記を入れる業者さんもいます。

債務者に勝手に不動産を処分させないためと、他の債権者に買い取らせる目的です。

共有名義登記というのは、定価も相場もなく、他の共有者の【必要性】で値段の決まる商品ともいえます。

住宅ローン返済

住宅ローン返済において、元働きの夫と妻が住宅ローン共同名義でいると、住宅ローン控除持分などの税金的・行政的なサービスが享受できる等、共有名義のメリットが分りました。

整理すれば、共働きの夫婦が各収入の中から住宅ローン返済の資金を負担しあっているなら、ローン返済は共有名義口座として考え、住宅ローン返済に合わせた共有持分登記にした方がいいという結論です。

メリットを計算する電卓の写真。

住宅持分、住宅ローン持分

これは、不動産取得の資金を負担した者が名義を取得するというシンプルな住宅持分、住宅ローン持分の原則に従うものです。住宅持分、住宅ローン持分の原則を外れると、「贈与」の問題が生じる共有名義のデメリットを負うハメになります。

〈住宅持分=0〉で〈住宅ローン持分=40%〉の妻がいたとします。つまり不動産は夫の個人名義です。

これが妻の40%の住宅ローン返済負担を夫への贈与と認定されたら、無駄な贈与税が掛かります。

住宅ローン持分=住宅ローン返済額が4割なら、住宅持分も4割にしておいた方が良いのです。

住宅持分割合

〈住宅ローン持分=40%〉の夫婦共有名義。月20万円の住宅ローン返済のうち妻が8万円である場合。夫の収入が例えば40万円位あれば、夫婦でいる間は《夫単独名義》でも構いません。

しかし離婚して、妻が本来の住宅持分割合の40%を所有権移転登記すると、税務署は「譲渡所得の財産分与」として、夫に譲渡所得税申告を求める事が考えられます。

(これは、夫名義の不動産の値上がりぶんの価値に税金が掛けられるもので都内の一部地域の人しか関係ない話です。)

共有名義のメリット

共働き夫婦の支払いに応じた住宅持分割合を反映させた共有名義のメリットは、土地建物共有名義にしておく事で将来の相続税対策になり、将来、実家売却する時に、居住用資産譲渡の控除をそれぞれの名義で受けられる事です。

妻に収入財産がないのに住宅共有名義にしておくと、妻の共有持分は夫から妻への贈与とみなされるので注意が必要です。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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