使用貸借相続(民法593条)―貸主借主の死亡と使用貸借権の承継

使用貸借相続

使用貸借相続は、原則成立しません。

使用貸借は貸主・借主の信頼関係に基づく借主の一身専属権だからです。

使用貸借 – wikipedia

使用貸借は当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方から目的物を受け取ることを内容とする要物・無償・片務契約である(第593条)。

使用貸借相続が成立して「使用貸借権」が強力な権利として認められてしまうと、悪意のある相続人に使用貸借相続され貸主に不利益となる可能性があるからです。

よって、使用貸借相続は認められず、借主の死亡によって使用貸借権は効力を失い、相続人は使用貸借を継承する事はできません。

土地使用貸借契約―借地借家法の適用がなく更地評価

ちなみに使用貸借している土地は更地評価をされます。

土地使用貸借契約が設定された土地評価は、更地評価されます。土地使用貸借契約の借主には、借地借家法の適用がないため、経済的な価値は「0円」とされているためです。

査定価格0円

使用貸借している土地の相続税評価とその利用法|全日本不動産協会

借地権慣行のある地域であっても、建物又は構築物の所有を目的として使用貸借による土地の賃貸借があった場合におけるその土地の相続税評価は更地として評価し、土地の使用権の評価は零として取り扱います。

使用貸借に係る土地|国税不服審判所

贈与を受けた土地を贈与者に無償で使用させた場合のその土地の評価額は自用地の価額によるべきであるとした事例

建物とその敷地を所有していた父がその土地を子に贈与し、その後父が当該土地を無償使用することとなった場合における当該土地に係る贈与価額の評価に当たっては、自用地として評価するのが相当である。

使用貸借の例外で使用貸借相続権が認められる場合

使用貸借は、借主の個人的な信頼に基づき、相続できないのが原則ですが例外として使用貸借相続が認められる場合(使用貸借判例)もあります。

相続される使用貸借例としては以下の様なものがあります。

使用貸借相続例―新たな義務と使用貸借権の発生

高齢の貸主が「親戚」に自分の介護をして貰う代償に自己の不動産(自宅その他)に無償で居住させる等の約束をし、親戚は介護をしながら貸主の家に居住。

ところが親戚の方が先に死んでしまい、相続人である「親戚の子」が、高齢の貸主の介護を承継する事になりました。

そうすると、親戚からその子供へ、貸主との信頼関係と貸主を扶養する義務が承継されます。

この場合、使用貸借相続が許され、子は貸主の不動産の使用貸借を継続できます(新たな使用貸借契約が発生するとも解釈されます)。

使用貸借判例

使用貸借判例には、以下の様なものがあります。

使用貸借判例 平成5(オ)1946 土地建物共有物分割

遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

(最高裁判例)

これは、共同相続人のうち、被相続人と同居してきた相続人には、相続開始から共有物分割までの間、使用貸借契約が成立していると認められた使用貸借判例です。

また、共同名義の土地上に貸主所有の家があり、借主が税金を全額負担する代わりに使用貸借で居住していた場合、借主相続人が税金負担義務を承継すると共に、その使用貸借相続をする、といったケースもあります。

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使用貸借貸主の死亡―使用貸借解除にならず義務を相続

使用貸借相続は、借主死亡で原則終了し、例外として使用貸借が継続するということは分りました。

使用貸借相続は、借主死亡で終わるという事の反対解釈で使用貸借貸主の死亡では解除にならないとされています。相続人は被相続人の権利義務を包括承継するからです。

使用貸借借主が死亡した事では使用貸借解除に至らず、その契約期限までは借主に使用貸借させ続ける「義務」を相続人が相続する事になります。

ちなみに使用貸借権は信頼関係に基づく権利なので、取引の対象にはなりません。借地権売却はできても使用貸借権の売却はできません。

使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて|国税庁

使用貸借に係る土地又は借地権を相続又は贈与により取得した場合における相続税又は贈与税の課税価格に算入すべき価額は、当該土地の上に存する建物等又は当該借地権の目的となっている土地の上に存する建物等の自用又は貸付けの区分にかかわらず、すべて当該土地又は借地権が自用のものであるとした場合の価額とする。

(本文、終了)

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