共有物分割請求訴訟―縁戚と共有分割・土地持分分割割合を争う

共有物分割請求訴訟

共有物分割請求訴訟とは、共有名義人・共同相続人間での共有財産分割交渉が整わなかった時、裁判所に共有持分分割割合について裁定してもらう訴訟手続きを意味します。

共有物分割請求訴訟は、相続紛争において、子から縁戚まで無秩序に言い争う登場人物間の交通整理の役割を担っているといえます。

遺産分割協議書は、相続財産が多いほどに見ず知らずの縁戚の名前が登場し、無関係な縁戚ほど相続にあやかろうと四の五の言って共有分割の進行を妨げるものです。

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縁戚との共有財産分割と共有物分割請求訴訟

共有物分割がままならない状態を、共有物分割請求訴訟の提訴で改善できる可能性があります。

縁戚とは、相続による共有物分割の協議以外では二度と顔を合わせる可能性のない、他人同然の親戚を意味します。

対立する共有名義人同士は弁護士を立てる事で話し合いの場が生じ、共有財産分割で少ししか儲からない縁戚の人は共有持分放棄する等して、「登場人物が減る」事は紛争解決の近道です。

こういう相続人たちの混沌とした状態を整理できる事だけでも共有物分割請求訴訟のメリットは大きいです。

共有物分割請求訴訟を提起しないと延々と縁戚やその親族らがガチャガチャ言ってきて、他人に家の中を引っ掻き回されるような不快な気持ちになります。

共有物分割請求訴訟はそんな縁戚を含む、相続人の整理調整のために有効な手段です。

共有分割(共有物分割)

知人から、「共有名義不動産を相続したけれど共有持分が分散しすぎ、共有分割案(共有物分割案)がまとまらず『金』にならない」と相談された事があります。相続がらみの共有不動産売却は、なかなか進展が見込めません。

知人の場合、曽祖父が残した共有名義土地の共有名義人が相続の繰り返しで多人数になって、見ず知らずの縁戚&赤の他人が登場しゴタゴタになっていました。

曽祖父の時点で(債務がらみか)、既に第三者に共有持分売却が実行され、その第三者側でも数十年の間に相続が起こり、共有名義人が増殖していました。

実際のところは、縁戚どころか赤の他人同士の共有持分紛争になっていたようです。

共有分割、縁戚間の代償分割と現物分割

相続財産が手に入る場合、広大な共有名義の土地よりも、狭くても単独名義の土地を単純相続できるほうが数倍お得です。

棚ボタ相続で広大な土地のオーナーになった気分になれても、その共有分割が紛糾し、代償分割にも現物分割にも話がまとまらず、その土地自体の処分が進まない事は多いです。

そんな、売れない土地、売却不可能な建物は1円の価値もありません。いわゆる、実質0円住宅のようなものです。

知人の相続した共有不動産は、共有者が縁戚や赤の他人で混沌としていて、共有物分割請求訴訟の提起によっても長引きそうな感じがしました。

そこで、「現時点で一番共有持分権を持っている共有者に持分売却の交渉をしたら?」とアドバイスしました。

共有持分の譲渡・売買、持分分割割合

共有物件自体を売買するのではなく、共有者に共有持分譲渡をするわけです。共有持分譲渡ならば、持分譲渡相手以外の他の共有者に知られる事なく秘密でできます。共有名義売買の価格設定も自由です。

持分紛争当事者の中でも、一番、持分割合を多く持つ共有者は、一番高く共有持分買取をしてくれるでしょう。

自己所有の共有持分売買だけなら相対取引ですから、売買価格さえ気にしなければ今日・明日にでも持分売却が可能です。

共有名義売却の価格は多少安くなっても、紛糾する共有分割案にジリジリ焦燥感を感じ続けるより、精神的にメリットがあります。

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共有物分割請求

1千万円以上の利益になるなら、紛争に参加し、共有物分割請求訴訟まで参戦する価値もありますが、たかが数百万円の土地共有名義なら、自己の共有名義はさっさと処分した方が得策です。

共有者同士の協議が合意に至らなかったら、共有者の誰かが原告になって、他の共有名義人全員を被告として、共有物分割請求訴訟を起こす事になります。

共有物分割請求訴訟は裁判ですから、裁判所の裁判官が共有持分の分割割合に裁定を下します。

ただ、共有物分割請求訴訟は民事裁判ですが、ことが家族・親族間の問題だからか、裁判官も親身になって家裁調停並みに和解の提案を双方に促してくれたりします。

共有物分割請求訴訟では、各共有者が譲れない分割割合と共有分割案を持っています。譲歩できないから共有物分割請求訴訟にまでなだれ込むわけです。

それら、共有物分割の財産分割案のうち、もっともマトモで具体性のある持分分割案が審理の対象とされます。

共有物分割請求と縁戚との共有分割・活用案

ところで、共有物分割請求訴訟以前の話として、縁戚・共有者同士の現実・具体的な共有物件の処分活用案を相談し協議しあう事が重要です。

例えば、東京都内23区の好立地な場所の駐車場土地の相続があるとします。

代償分割や現物分割ではなく、「全員の『共有持分登記』をして、共有のまま収益分配をして行こう」という共有物活用案もあるでしょう。

東京都内なら駐車場は儲かります。共有持分を維持したままの駐車場経営もありでしょう。

(都内ならボロアパートを相続しても、『低所得者相手のボロアパート経営』には入居者が後を絶たないので、共有名義不動産のままの活用もありです。)

共有分割、共有財産を分割か共有名義経営か

共有分割案が具体的でないと話になりません。

共有名義のまま駐車場経営をしようと言い出した者が、「売上管理、賃料徴収の責任を持ち、未回収分は自腹を切る」くらい、他の共有者へのリスクマネジメントを提案できないなら、危ないです。

共有名義駐車場にして、共有者の一人のせいで駐車契約者のほとんどが「駐車場代を支払わずに請求すると逆ギレするイカツイ人達」だったら、せっかくの相続財産が負の遺産になってしまいます。

共有物分割協議

共有物分割請求訴訟は訴訟ですから、裁判所が最後に出す判決には絶対的な拘束力があります。

前述してきた通り、共有名義人が沢山いて収拾がつかないさいの交通整理には最適です。ですが、後から事情変更があっても取り消すことは困難です。

もし時間があり、縁戚とも上手くやっていけそうならば、共有物分割請求訴訟は最終手段として、裁判外の共有物分割協議共有持分買取も含む)で話をまとめるのがベターでしょう。

債権者代位権により共有持分に基づく共有物分割協議

共有者に借金があり、債務弁済する資力も当てもない時、債権者は債権者代位権によって債務者の共有持分に基づく、共有物分割請求権を行使し、共有物分割協議を求める事が可能です。

共有物分割請求は、持分者が共有名義不動産を売却したい時で他の共有者が反対している場合に、共有物件を売却したのと同じ「換価」を得られる手段です。

債権者代位権は債務者かつ共有持分者の共有物分割請求権を債務者の代わりに行使して、債務者が共有物分割請求権を行使したのと同じ結果を得られます。

分割協議で共有不動産売却や共有持分買取を依頼

債権者が債務者の代わりに共有物分割協議に登場し、他の共有名義人に共有不動産売却や不動産持分買取を依頼し、共有物分割協議が不調に終れば「共有物分割請求訴訟」を提訴できます。

共有物分割訴訟が成立しなければ、裁判所が共有持分競売を命じる事になります。

この競売で得たお金、持分買取で得たお金は、本来、真の共有者である債務者のお金ですが、債権者はこの持分換金資金から債権回収をする事ができます。

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共有物分割登記

共有物分割登記は、相続共有状態の「複数の不動産」を、持分交換することで各不動産の共有名義を単独名義に修正し、相続人が各自自分だけの物件を相続するための共有登記です。

相続財産は、遺言持分がある場合は別として、いったん相続人全員の共有名義・共有財産になります。不動産も各自の相続割合に応じた1つの共有物です。

不動産が複数あっても、個々の不動産がそれぞれ相続持分に応じた相続人全員の共有物です。

3人の相続人が3つの土地を相続したら、共有物分割登記をするまでは3つの共有名義不動産が存在することになります。

共有物分割協議により登記し相続共有開始時に遡及効

共有物分割登記は、「共有物分割協議=遺産分割協議」終了後、遺産分割協議書になぞらえて登記申請します。

それぞれ別個の不動産を取得するため、協議した共有分割(共有物分割)で、「自己物件以外」の共有持分を相互に譲渡しあう持分交換で持分を整理した形になります。

この共有物分割登記は民法909条にもとづき、相続共有名義のスタート時点に遡って効力を生じますが、他人に売却された共有持分には効力が及びません。

共有物禁止特約【民法256条】

共有物分割請求のさいに、将来、更に分割が行われ、土地やビル等の共有名義が散乱して、第三者に散らばらないよう分割禁止をしたい、と考える被相続人や相続人は多いものです。
民法256条1項により、共有者はいつでも共有物分割請求が可能です。民法は「共有」を、「将来の分割を前提とした状態」と考えているからです。

しかし、共有名義人(共同相続人)が合意して、分割をしない、という「共有物分割禁止特約」を、遺産分割協議書・共有物分割協議書において設定することも可能です。
この共有物分割禁止特約の有効期間は最長5年となっています。
5年経過後は、再度協議し、共有物分割禁止契約を新たに取り交わすことになりますが、そのさいの共有物分割禁止期間も、民法256条2項により、5年が限度です。

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