共同名義―土地共有名義の共有者全員持分全部移転・共同訴訟

共同名義とは、土地建物を共同所有する不動産形態、所有名義が複数人に分散し各人に共同管理義務のある所有権を意味します。

共同名義による不動産所有は、1つの物件を複数人で持ち合うので、名義人同士の持分紛争は紛糾します。
これを解消するために共有者全員持分全部移転などの法律上のルールが定められています。

計算をするイメージ写真

※共同名義の不動産売却でお悩みの方は、文末の【持分売却をお考えの方へ】をご参照ください。

共同名義

共同名義は、不動産を複数名義人により協同所有・協同維持管理する所有権の1形態です。
一人っ子であれば、親から相続した自宅売却は子が単独でできます。

対して、兄弟がいると一個の不動産遺産を分け合わねばなりません。
土地なら「分筆」することで分割して各人に分け与えられますが、1戸の建物を切り分けることはできません。
よって、全員で共有しておこうということで、共同名義の物件が誕生します。

不動産を夫婦で購入する時、支払代金を夫と妻が分担しあい対象物件も夫婦半々の共有持分権で共同所有しよう、という流れで共同名義が発生することもあります。

共同名義が少数の相続人・夫婦間だけで構成されているなら共有物の処分は容易ですが、世襲を繰り返した不動産は未知の他人まで共同名義による所有権者になっていたりします。

共同名義不動産と都内の相続持分売買

不動産の共同名義は、自分の有する名義ぶんの権利のみなら第三者への売却(不動産持分売り=共有持分売却)が可能です。
相続不動産を共同名義で維持していくより、自分の持分は売却して現金化したい、という人は、自身の共同名義持分を誰に売ってもかまいません。

東京都内の人気エリアの収益不動産は、共同名義人に加わることで家賃収入の配当が得られます。
だから、都内23区の駅近隣ビルでは1棟に数十人の共同名義人が所有権者として名を連ねています。
都内の物件だと賃料収入だけでなく、不動産売却時の売却利益も相当高額です。
数十億円規模の都内駅近ビルだと共有持分買取も盛んに行われるため、1棟に数十人もの所有権者が協同参画となるのです。
共同名義の不動産相続は、登場人物が増えるほど整理が複雑になっていきます。

共有者全員持分全部移転

共有者全員持分全部移転という共同名義の整理方法があります。
共有者全員持分全部移転とは、一言でいうと「共同名義人全員の持分同時売却」です。

不動産を単独名義で所有している人が物件を売却すると、登記簿には「所有権移転」と記されます。
不動産を共同名義で所有するA・B・CのうちAが借金のカタに持分を差押えられ、共有持分競売され、持分が他人に落札されると「A持分全部移転」と登記されます。

共有者全員の意思で共有物件を他人に売却する場合には「共有者全員持分全部移転」と登記目的に記載されます。
共有であるだけで、実際は「所有権移転」なのだから登記にも所有権移転と記述すれば良いように思います。
しかし、登記目的は厳格なので、共有者全員持分全部移転と記載することが共有不動産売却のルールとなっています。

相違、紛争

共同名義の共有者持分全部移転と訴訟

共同名義の不動産は権利調整が大変ですが、これに加え、隣地人との境界線トラブルを抱えていたりすると、すべて解決するまで売却ができません。
共同名義物件の隣地境界が不明で隣人1人の単独所有なら、共同名義人全員で隣人1人に共同訴訟をします。
自分たちも隣地所有権者もそれぞれ複数いて、共同名義なら、自分たち共同名義人全員の連名で、隣地の共同名義人全員に対し、境界確定訴訟を提訴します。

全員の共同名義が必要なのは、その境界線が決まることで土地の増減があり、そのぶん共有地の持分が変わる、つまり共有者持分全部移転が起きるからです。
共有者全員の持分が全部移転することになるこの手続きを固有必要的共同訴訟と呼びます。

遺産分割の前提問題と固有必要的共同訴訟 – 東京大学法科大学院ローレビュー

買っても負けても共同名義の持分の価値に影響しますから、その訴訟には原告も被告も持分権者全員を当事者として裁判に参加させなければなりません。

共同名義相続

「親が相続取得した共同名義」をさらに子供が相続するケースは、相続財産が高額で遺産分割協議書のまとまりがつきにくい東京都内ではよくあることです。
東京都内にある共同名義不動産に、他の道府県から相続人がズラリと名を連ね、連絡がつかない行方不明者までいることがあります。

共同名義相続が繰り返されると、共有者がカオス状態になります。共同名義人の1人で共有物の処分ができると他の共有者の共有財産権を脅かしかねません。
そのために共有者全員持分全部移転といった、所有権移転にひと手間かかった登記が必要になるのです。

土地共同名義の面倒だけど合理的な考えは〈民法251条〉に基づいています。

「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ共有物に変更を加えられない」

共有(民法251条-共有物の変更行為) – Wikipedia

対して、共同名義人が「家を貸したい」という時は、共同名義相続財産の〔管理行為〕になります。
この場合、共有持分の過半数を越えた共同名義人らの合意を得ることで、家を貸す賃貸行為が可能になります。
これは、民法252条に基づいています。

「共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」

共有(民法252条-共有物の管理) – Wikibooks

共同名義相続の判例と持分売買の市場

上記の共有者全員持分全部移転にかかる固有必要的共同訴訟の例としての最高裁による共同名義相続の判例でも「土地境界は所有権問題であり利害関係者全員で確定すべき=共有者全員が共同参加しなければならない」と判じています。

隣接する土地の一方又は双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴え又は訴えられることを必要とする(最高裁判例昭46.12.9)。

共同訴訟に関連した文献の一覧|weblioより

この共同名義相続の判例、つまり「共同名義人全員参加」をベースに〔共有者のうち一人が隣地も所有してる場合はその者は除いた全員で〕等の細かい判例が出ています。

ちなみにこれは訴訟参加者に無駄が出ないよう、

  1. ある土地の相続人で共同名義人が5人いる。
  2. 共同名義人の1人は別の機会に隣の土地も相続していた。
  3. 隣地との境界が不明確な時は隣地所有者を訴えるのだが。
  4. 隣地所有者は共同名義人の一人でもある。
  5. 共同名義人本人が、自分で自分に提訴しても意味ない。
  6. 共同名義人以外の4人で、隣地所有者であるこの人を訴えろ。
  7. そしたら、共同名義人全員5人が必要なところ4人でよし。

という流れで当り前の判断がされています。

考え方としては、〔隣地所有者でもある共同名義人は被告として訴訟に関与していることで原告として参加しなかった事を補った〕みたいな回りくどいものです。

また、最初は一人だけで訴えても後から共同名義相続人全員が共同参加すればよし、という共同名義相続の判例〔横浜地裁平成元年3月16日〕も出ています。

【共同名義紛争中の物件=事故物件・訳あり物件】ということで、一般に共同名義物件の売買は忌避されます。
共同名義の物件ばかりだと市場が停滞しますから、裁判所も迅速な事務手続きで、その解消の一助となるよう頑張って、こういう理屈を立ててくれているわけです。

不動産個人売買のイメージ写真。

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