不動産共有名義―相続&離婚と共有持分売却【土地・住宅】

不動産共有名義共有持分売買を希望しても、親族か専門買取業者しか〈共有持分購入〉に関心を持ちません。
共有名義相続人のうち1人が他の相続持分をまとめて引き受けたり、共有名義不動産を分筆してから売買するのが一般的な共有名義相続の対策です。

不動産共有名義

不動産共有名義とは、その不動産全体の権利を複数人で共同所有しているという意味です。

「この家は2分の1が自分名義、妻との共有名義」とは、夫婦共有財産たるその建物・土地持分の分割・売買・譲渡・贈与・賃貸借できる権利を夫婦で半分づつ持っていることです。売買取引に注意を喚起する写真。

ただし、共有名義不動産は1人では処分できません。
不動産共有名義の売買、即ち、共有名義の土地の売買、土地持分分割、共有地売買には、共有者全員の同意・承諾が必ず必要になります。

「共有持分2分の1」では夫1人で不動産自体の売買はできず、残り半分の共有名義人(妻)の許可がなければ、売買するのも賃貸するのも不可能です。

共有名義不動産を単独で処分するのは、違法…というより物理的に法務局で「登記」ができず不可能です。

自分の印鑑と印鑑証明と不動産の登記済証をもって、所有権移転登記を試みても、法務局の人に「で?」と言われて追い返されます。

「で?」とは、つまり【不動産共有名義人たる『妻の承諾』なく手続きできないよ】という意味です。

共有名義とは?【不動産共有名義―共同所有・オーナー制】

共有名義とは、不動産を共同所有し、使用することも維持管理することも共同所有名義に名を連ねる他の名義人と分かち合う事を意味します。権利も義務もシェアするという意味です。

不動産共有名義の「共同所有」で説明しやすいのは、友人などと共同で避暑地の別荘を購入し維持管理する共同オーナー制です。

別荘は年に一度か二度、使う程度の不動産です。個人所有するよりオーナー制で共同所有し、各自の予定を合わせて【その週間だけ独占】利用した方が経済的です。

東京都内に住み、神奈川県の葉山や大磯に別荘を共有名義で持ち、維持管理費を「持分割合」でシェアしヨットを共有名義で買ってマリーナの駐艇料金をシェアしている経済的なお金持ちもいます。

江の島電鉄と相模湾の写真。

共有名義持分【不動産共有名義相続の持ち分】

とはいえ別荘と普通の不動産共有名義とは、それに至る過程が違い、共有名義持分の意味合いも変わります。

別荘は仲いい友人同士が好き好んで共有し合いますが、普通の不動産共有名義の場合は祖父の死亡等で共有名義の土地が誕生するといった感じで、自然発生的に共有状態になります。

別荘の共有名義持分は処分を急ぐ必要もなく友情の続く限り共有しあいますが、相続で起こる不動産共有名義持分は、長引くと子の世代まで相続争いで迷惑したりロクな事がありません。

共有名義人の多くは親族関係であり、その関係を良好にするには、早く共有地売買、不動産持分の売買を済ませ、共有名義解消・解除をして損得関係のない間柄に戻すほうが良いのです。

この点で、別荘と相続不動産の共有名義持分の扱いは相違しています。

もちろんどんな不動産でも、【自分の共有名義持分だけ】なら単独で売買処分できます。自分の権利分だけ共有持分買取をしてもらえば共有名義は解消できます。

共有名義持分については、相模原市が公開しているPDFファイルの記事が分りやすい解説をしています。

土地・家屋の所有が共有名義の場合の注意点―相模原市HPより〕

共有名義 相続

不動産共有名義の売買には、売買契約時に共有者全員が同席する必要がありますが委任も可能です。共有名義相続で財産対象を処分する時など、委任で行う事が多いです。

実家の祖父が亡くなって家族で共有名義相続が起き、他の共有者が都会の仕事で忙しいから、実家に同居してた長男に実家売却(および相続持分の売却)を委任するなどです。

この名義変更にも共有者(相続人)全員の同意が必要です。相続における共有不動産売却では同意のないまま白紙委任状を渡す事でトラブルになる事もあります。

相続トラブルでこじれると共有物分割請求訴訟によって裁判による手続きに移行されます。

共有名義相続の家・土地の売買には、共有者全員の実印―共有者全員の契約書への記名・押印―共有者全員の印鑑証明が必要です。

(くわしくは『共同名義―土地共有名義の共有者全員持分全部移転・共同訴訟』を参照)

離婚の不動産売却【係争中の訳あり物件】

夫婦共有名義の不動産を購入する時も、離婚の不動産売却による「清算(共有名義解消・解除)」の時も夫婦のどちらかが相方に委任することも原則できます。

でも、離婚夫婦は相手に実印など渡したくないと言って、自分の分だけ共有名義売却することが多いです。

見積書を読む写真

親子共有名義の場合でも委任が多いです。相続共有でも共有名義の相続不動産を売買する前に、全員の共有持分権を一人の共有者に渡しておくことがあります。

ちなみに、離婚不動産売却による売り出し物件は、法律的に係争中の扱いになり、不動産市場では事故物件、訳あり物件のカテゴリーに入る事もあります。

土地持分【不動産権利義務の共有・協力】

不動産共有名義の考え方の基本は、一筆の土地持分が「2分の1づつ」なら〔半分づつの権利と義務を持ってシェアせよ〕というもの。

共有名義とは、使える権利も義務である納税も共有持分によってシェアする所有形態、という意味です。

土地持分(土地名義共有割合)が2分の1づつの兄弟がいて、その土地で駐車場経営するなら、月々入金される駐車場代は折半し、管理維持費用は土地持ち分にあわせ負担しあう事になります。

これらについては、横浜市がQ&A形式の税金相談、よくある相談FAQページを解説しています。

横浜ビジネスタウン

共有持分売却

共有持分売却とは、共有名義で不動産を所有する者のうち、共有状態を脱したい者が単独で自分の共有持分のみを売却する法律行為です。

共有持分売却は、複数の相続人がいて、その1人が持分売りをしたいなら、共有者同士の誰かに売却依頼するのが妥当です。

売却対象である不動産にもっとも執着のある者(占有者に限らず)に、現金取引によって共有持分売却を行うことが、高い売却価格で売り抜けられる確かな方法です。

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夫婦の有する共有持分売却は、第三者に売却依頼するしかありません。

離活に至っているのなら、もはや喧嘩別れする相手の共有持分を買取って資金を相手に渡す(相手に利益を与える)という、思考回路にはならないからです。

この場合、共有持分売却が可能な第三者とは、ほぼ共有名義不動産の買取業者に限られます。

ただし、共有名義不動産の買取業者でも、オーバーローン住宅の共有持分売却には応じないケースが多いです。

共有持分の意味と売却の効果

共有持分売却を依頼してくる奥さんの質問には、大体、決ったフレーズがあります。

「離婚したら夫の借金の保証人から外してもらえるの?」

・・・という、共有持分の意味を理解していない勘違いです。

保証人や連帯保証人であるかもしれないけど、

それ以前に「共有持分」として、奥さん本人がその不動産を自身で購入している

当事者なんです。

共有名義不動産はダンナが1人でした買い物じゃなく、奥さんとの共同購入した結果なんです。

奥さん本人が購入したものだから、その〈2千万円分〉の住宅ローン残債も奥さんの借金な訳です・・・連保もしてるだろうし。

そんな感じでオーバーローンの夫婦共有持分売却を希望されてくる、奥さんのご相談には応じきれずにいます。

共有不動産の持分売却代金

妻から請求される慰謝料や子供の扶養費など経費が他にもありますが、『共有持分の解説』のため、省略して説明しています。

また、夫が単独所有すれば【金利分】損をしないか?と思われるかも知れませんが、〈単独〉ですからもはや将来の金利に妻は一切無関係です。

共有不動産に片方が住み続ける場合、ネックは〈共有持分売却で得られ、相手に支払う持分代金〉を用意しなければならないということです。……共有持分競売というケースもあります。

上記の例では百万円ですから、クレジットローンで借りて用意すれば簡単ですが、共有持分売却の利益が1千万円以上になると資金調達に苦労します。

離婚協議と共に債務分割払いの公正証書を作成するなどしておかなければなりません。

〔参考:離婚、協議離婚の公正証書に関する『日本公証人連合会』の解説ページ

共有名義の土地の相続

ところで共有名義の土地の相続をしても、共有名義持分の2分の1の位置を示す境界線はありません。

自己持分のみの共有持分売買は可能と書きましたが、共有持分売買価格は格安です。買主に「買った不動産をどうする事もできない」から、格安なのは当然です。

よって、共有名義の土地の相続で取得した共有地売買の価格を上げるには、共有状態の1筆の土地を共有ではない2筆の土地に土地持分分割する必要があります。

「互いに好きに使えるよう半分コの分割をしよう」という話です。

共有名義の土地の相続において、相続した共有名義の土地を売買する以外に、兄弟同士、仲良く隣同士で一戸建て住宅を建てよう」なんて時も分筆をします。

共有名義の土地の売買【持分分割と自己不動産持分売買】

相続した共有名義の土地の売買をしたい時には、共有物分割協議を行なうことになります。

共有名義人が2人の時も多人数の場合も、共有物分割の協議は全員参加が必要です。

共有物分割 – Wikipedia

当り前ですが、共有名義相続した土地自体の売買は、親族であっても1人で勝手にできません。

「土地を半分売買しとこ!」と思っても、分筆(土地持分分割)するか承諾を得るか「持分売り」かでないと土地売買処分のための登記が【自分の実印】だけではできません。

離婚の不動産売却でも、売買は承諾か自己持分のみの不動産持分売買かの選択になります。

住まいで悩む夫婦の写真

土地名義共有割合

例えば土地持分が半々の2人が一筆の更地を真っ二つにしようとしても〈道路付け・採光のいい側〉と〈薄暗く接道は私道負担のある側〉とは、同じ土地でも価値が違います。

そんな時は、2人の持分割合は50%づつでも、面積は〈高価値な4割vs低価値な6割の土地〉という土地名義共有割合(分割割合)にするのが解決策です。

また土地持分を共有のまま、共有名義の土地を売買するため分筆(土地持分分割で土地境界線を作る)にも、共有名義人全員の承諾が必要で、反対者がいれば分割不可能です。

共有名義の土地の相続では、これらを共有物分割の協議で取決めます。土地名義の共有割合の決定は絶対的です。

共有名義の売買は、即ち共有名義の解除・権利関係の解消になり復活は基本ありえません。後の不動産売買で購入する相手先保護の目的もあります。

なので、土地名義の共有割合の〈価値〉を判定することはかなり困難です。

共有名義不動産【共有持分割合と土地分割】

相続共有状態の解消のための共有名義不動産の売買は、現物分割という手続きで行います。

現物分割は共有持分の割合に応じて、土地を分筆し各々が所有します。

共有名義不動産の処分は、一般には資金力のある夫が不動産に有する妻の共有持分権を取得し共有名義から単独名義にして、持分を無くした妻に対し代償金を支払うものです。

ただ、だだっ広い共有名義の土地の売買で、自分名義にするために妻の土地持分を買い取る資金力がない場合、妻の持分割合に応じて土地を分筆することになるかも知れません。

共有名義解消・解除

共有名義不動産自体は、1人の共有者が単独で売買できません。でも、自分1人の共有持ち分は売買・贈与も可能、自己の共有持分売却だけならOKです。

これにより共有名義解消・解除ができ、共有者との関係を絶つ事ができます。

とはいえ、持分売却(不動産持分売買)による共有名義の解消・解除は、買い手あってこそ。普通は共有名義の不動産持分など買取ってくれません。

計算をするイメージ写真

共有持分売買【共有名義のデメリット】

共有持分売買には共有者の承諾は不要。共有持分は、買主さえ見つけられれば、自由に持分売買が可能です。

ただし共有持分を購入してくれる「相手がいれば」…です。これが共有名義のデメリットです。

共有名義の売買には、親族か共有持分専門の任売業者、または離婚の相手方しか関心を持たないでしょう。

ちなみに、共有持分放棄は自由にできます。自己名義を主張すべき時にこれをせず権利放棄するだけなので、自分しか損をしないからです。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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