賃借権・借地権、等価交換―借地権を底地と交換し解消(消滅)する

借地権・賃借権

借地権・賃借権は、旧法借地権時代、契約書の作成や公正証書が義務ではなかったため、

底地人と借地人の口頭契約で土地の賃貸借。
借地権相続で、借地人変更があったのを地主が知らない。

という契約関係が常態化していました。

そして、貸宅地つまり底地業は、リスキーだという証左である借地権・賃借権のトラブルが多々ありました。
ここから底地所有者たる地主の借地権等価交換による「自己借地権(借地権解消)」の解決法(借地権と底地の交換方式)が一般化しました。

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共有持分権と借地権等価交換

借地権等価交換の理屈は、夫婦の離婚の際の共有持分権の処分を考えると明解です。共有持分権は、住宅ローン返済や物件売却、不動産担保融資などファイナンスの目安となるものです。
夫婦が離婚する場合、婚姻中に得た財産は夫婦共有財産として、不動産なども民法768条に基づいて〈50:50〉で分けられます。不動産や預金の名義が夫でも妻に半分権利があります。

民法768条 協議上の離婚

不動産を購入する時の持分割合を〈夫75%:妻25%〉とか数字上で割振っても、結局50:50に分割されちゃう事になります。

ローン共有名義と借地権等価交換

でも、持分割合の持分登記は住宅ローン共有名義の公示的な意味も持つので、この割合登記は理に適っています。
また、離婚時に夫婦折半というのは、妻にばかり肩入れしてるわけじゃなく、妻が稼ぎが多かった時は、夫もその貯金の半分を(夫婦共有財産として)もらえるという判例もあります。

しかし妻が専業主婦で子連れで出ていくという時、夫が法定の請求をするのは、民法1条3項の〔権利の濫用に当る〕として、妻と子の救済のため、夫の権利を認めない《建物明渡請求を権利濫用とした平成26年8月21日東京高裁判決》も出ています。

見積書を読む写真

借地権等価交換

借地権等価交換とは、底地と借地権を税務上で等価交換する事です。詳しくは、「等価交換アパマン経営」に記述しています。

例えば100坪の底地に借地権の付いた建物が立っている時、この不動産を2つに分けるには、借地権と底地の交換方式を使います。

底地人と借地人が100坪の土地のうち〈底地権の一部〉と〈借地権の一部〉を「同じ価値のぶん」交換し合い、借地権解消がなされます。

すると「50坪:50坪」とか「30坪:70坪」とかの割合で、借地権・賃借権の付いてない土地が生まれます。
借地権等価交換により、完全自己所有の土地をそれぞれ取得するのです。(坪数は相対取引ですから極端な話10坪:90坪になるなどケースバイケース)

借地権と底地の交換方式

借地権売却は、借地人が相続その他の事情をもって、底地人に借地権の売却を相談するもの。地主から借地権購入を打診する場合もあります。
底地売買は、底地人から借地人へ底地の買取を依頼したり、第三者に底地を売渡すことで、底地ビジネスとも言われます。

底地・借地権の同時売却は底地と借地権を《第三者に同時売却》して、貸借と土地そのものを白紙にし、その売買代金を借地人・底地人で分配するものです。
借地権と底地の交換方式は、借地人と底地人がお互いに借地権と土地を任意の配分で交換して、完全な自己所有権の土地を作り出すものです。

借地建物のイラスト

底地とは?

底地とは、宅地上に地上権賃借権がついた建物が建っていて、自己所有地なのに地主よりも借地権者が強い権利で支配する土地状態のことを意味します。

地主は、過去に自分の土地を「何時でも返還して貰える」と思って貸し地したものの、借地借家法がこれほど借地権者を保護し、底地の価値を貶める法律であるとは予想できませんでした。
多くの地主は、底地化したことを後悔しています。
底地とは、借地権の付着した土地のことですが、底地の値段はその底地の土地上の借地権の種類により、変わります。

底地価格の評価と地上権借地権

底地の中でも、旧法借地権または地上権借地権という強力な権利が設定され、借地権割合が9割あるような土地もあります。
こういう底地の価格は「土地の正価(10割)-借地権割合(9割)=底地価格(1割)」という、真っ当な評価が出せません。地上権借地権により、土地はほぼ賃借人の所有に近い状態だからです。
この場合、底地価格は土地価格の1割以下、2~3%の評価しか出ないこともあります。

対して、貸地期間の短く、満期がくれば借地人に土地の更地返還義務が課せられる、定期借地権契約のうちの事業用定期借地権で賃貸契約をしている底地の価格は高額で取引されます。
事業用の借地権だから、借地権者も商売人ということで法律の保護も弱いわけです。

賃借権・借地権・地上権の違い

ここで賃借権・借地権・地上権の違いを再確認してみます。
まず、借地権と法律上で呼ばれる枠組みがあって、その中に「物権」である地上権と貸地契約にもとづく「債権」である賃借権というカテゴリー分けがされます。
「借地権=地上権+賃借権」という構造になります。

地上権借地権は前述のとおり、絶対的な土地利用権です。これは地上権が「物権」つまり土地所有権と同等の直接支配権であることからも理解可能です。
これに対し、賃借権・借地権は登記・第三者への譲渡転貸などに地主の承諾が必要な点で違いがあります。
(ただし、地主の承諾が得られない場合、借地非訟手続きという裁判所の許可によって売買を可能にできるため、賃借権借地権が弱い権利であるわけではありません。

借地権解消

借地権解消、つまり借地権を消滅させる事は、今の時代、底地オーナーである地主にとって、願ったり叶ったりの話です。

底地を所有していない者からすると底地オーナーの感覚は理解しにくいところがあります。

等価交換といっても「元は自分の土地」であり、相手は親からの借地権相続でなんの苦労もなく借りた土地に居座ってるだけのヤツなのに、なんで7割も8割も借りてるヤツに自分の土地の権利を持ってかれるんだ?と普通は思います。

しかし、いったん貸地して、自分の土地上に借地権付建物を建築されると、もうそこは自分の土地じゃなくなったも同然なわけです。借地料は入っても土地利用権がないことは、自分の土地じゃないのと同義な感覚です。

それよりも、借地権等価交換によって借地権解消をし、面積が半分になっても、完全所有権の土地を取り戻すほうが、地主のメリットになるのです。

借地権割合と借地権等価交換

借地権と底地の交換方式の交換比率は、借地権割合とは無関係です。同じ土地上で権利を有するもの同士の交換は、お互い納得すれば5:5でも1:9でも良くて、これに借地権割合は関係ありません。

借地権等価交換は、あくまで相対取引であり交換比率は〈5:5〉でも〈6:4〉でもいいから、完全所有権の土地を手に入れることがネックです。

借地権・賃借権と底地の交換で課税が生じなくなる条件とは、

  • 同種類の固定資産であること
  • 底地も借地権も1年以上所有
  • 交換目的の取得でないこと
  • 交換後、同用途で使用する
  • 差額が2割以内であること

等になります。

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