私道負担―位置指定道路持分と通行権、私道トラブル―私道評価・通行権

私道負担とは?

私道負担とは、売買される土地面積の内、近隣住民と共に通行用に共有する私道として提供しなければならない敷地部分を意味します。

私道負担する土地は、自己所有地であっても公衆用道路として私道共有しあっているものなので、建物を建てる時の建蔽率に換算できません。私道負担部分は実質的に、私有地を公共用に提供した事と近い意味になります。

私道負担には、これから自分が購入する土地に対し、接道する私道の「私道持分」を自分の敷地の一部として付帯購入する、負担義務を指して「私道負担」という場合もあります。

この場合、共有道路の共有持分権は取得しても、用途は住民共有の道路に制限されます。

建ぺい率 – Wikipedia

私道、みなし道路の写真。

私道負担面積と私道トラブル

私道負担部分は私用ができず、取得したのが共有道路の道路持分ですから、宅地に建築物を建てる際の建蔽率や容積率の計算に私道負担面積は加算できません。私道負担があることや私道負担面積を知らずに私道付き土地建物を購入すると、私道トラブルの原因になります。

また、建築基準法で規制している道路では、建築物を道路内に築造する事は禁じられているのに、道路位置指定を受けた私道負担部分に、塀などが違法に設置されている事があります。そういう違法建築物も売買は自由なので市場で売却されている事もあります。

私道負担付き建物は、購入した人が自費で違法状態を除却しなければならないなど、購入費用以外にも経費が掛かるリスクのある不動産である事を認識しておく必要があります。

私道負担金・私道利用者負担金

私道負担金私道利用者負担金とは、他人の道路持分で共有されている私道を共有持分や私道負担をせずに新たに利用する者が、私道負担面積に応じて支払う金銭です。

これから購入する土地がその私道に依存する物件だから、私道負担者らが支払っている固定資産税などの税金は、新たな私道利用者も公平に負担すべきであるというのが、私道負担金・私道利用者負担金の考え方です。

宅建業者は、私道付き不動産を媒介する時に、私道負担金・私道利用者負担金がある事を重要事項説明で説明する義務があります。

私道負担の意味の解説

以下のリンク先では、私道負担の意味などについて専門に分りやすく解説しています。

不動産の売買において、対象となる土地の一部が「私道の敷地」となっているとき、その私道の敷地の部分を「私道負担」と呼んでいる。
私道負担とは、土地の一部に私道が含まれている場合、その私道の敷地の部分の負担金をいいます。
不動産取引において、売買等の対象となる土地の一部に私道の敷地が含まれている場合に、この私道敷地部分を「私道負担」といいます。

私道とは?

私道とは、個人・法人の私有地を道路として専用使用している状態を意味します。私道の対義語は、公道(国道・都道府県道・市町村道)です。

私道と公道の違いは、私道は私人が管理し特定者のみしか利用しない事を目的としているのに対し、公道は自治体が管理し不特定多数の通行や車両の駐車用に公衆利用される事を目的としている点です。

私道であれば、原則、特定者のみに通行を制限できますが、公道はそれができません。私道とは、公道と違い不特定多数の者の往来を禁止できるため、公道で適用される道路関係の法律を排除する事も可能です。

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私道評価

私道の典型例として、サーキット・レース場と自動車教習所の敷地内道路をイメージすると、私道が公道と異なる評価を受ける道路である事が分ります。

レース場も教習所も整備された自動車道路が敷設されていますが、そこは私道と評価され、道交法その他の法律の管轄外です。倫理はともかく、法律上は無免許運転も教習所内の信号無視も高速走行も、私有地内なら私道評価によって違法状態になりません。

私道は不特定多数の通行する公衆道路・公共の道路という評価を受けず、道路に関する法律の範囲外なのです。私道・共有道路は所有者および特定利用者(道路持分者や共同名義人、サービス利用者)以外の利用が制限される道路です。

しかし、みなし道路(2項道路)と指定されると、一般公衆が自由通行する公共道路に似た評価になります。

私道通行権

私道通行権とは、私道に接道する敷地所有者が私道所有者や共有道路の道路持分所有者と交渉して私道通行の承諾を得た後の私的権利であり、自然発生的な権利ではありません。この点、民法で認められた承諾不要の袋地の囲繞地通行権とは異なります。

私道通行権には、賃貸借・使用貸借契約による通行権、建築基準法・判例による通行の自由権、慣習上の通行権などがあります。通行地役権による私道通行権も存在します。

私道トラブル

私道トラブルとは、私道所有者と私道利用者の間または道路持分権者間で起る、私道利用を巡る紛争を意味します。

私道を共有し、私道接道する敷地を住宅地として利用しているエリアは、東京都内の密集市街地など住宅が緊密に建っている場所です。建物や宅地がひしめき合って構成される区画では、袋小路を共有道路としてギリギリの間口で存続している旗竿地間取りの敷地も多数あります。

そんな密集地ではちょっとでも塀などで境界線を侵害されると、自宅がたちまち接道義務を果たせない既存不適格物件に変貌してしまう危険性があります。

私道通行料や負担金を巡る私道トラブル

私道に接道する敷地所有者間の境界線トラブルや、共有道路に関する私道トラブルは、東京都内では頻繁に起きています。私道所有者と私道利用者間で起る私道トラブルは、主に私道通行料を巡って発生します。

私道通行料の値上げに納得がいかなかったり、私道通行料の支払いを延滞・拒否したりして関係が悪化し、ある日、私道所有者が私道を通行止めしてトラブルが火を噴いた、というのがパターンです。

こうなる前に家裁調停で和解するのが一番ですが、「通行止め」までいくと、損害賠償請求や妨害廃除請求、差し止め請求などで私道トラブルが裁判所での争いに発展します。

私道駐車や位置指定道路駐車でのトラブル

私道負担や共有道路持分を按分している私道利用者間には、私道で庭の延長のガーデニングをしないとか、指導駐車禁止だとか、限られた私道面積を共有するもの同士のルールがあります。

袋小路土地評価を受けた先が行き止まりの私道では、公道に通じる手前側の家が私道を駐車場代わりにしていると、袋小路の先の家の通行が妨害されます。私道面積がだだっ広いところなんて少なく、都内では車がすれ違うのさえ困難なのが普通です。

その私道を常時駐車場利用されてはかないません。通行地役権者として、通行妨害廃除請求する事ができます。位置指定道路の駐車トラブルも同様です。

駐車場の使用料など|国税庁

東京都の密集した町並み

位置指定道路トラブル

位置指定道路とは、道路法、都市計画法、土地区画整理法によらない〈私道〉のうち、幅員4m以上かつ一定の技術的基準に適合するもので、特定行政庁(市区村町役場の長)から指定を受けた道路を意味します。

位置指定道路トラブルで良くあるのは、道路持分のない通行者が私道を通行する権利を持っているわけではない(通行の自由を認められただけ)ということを知らないことからの紛争です。

位置指定道路トラブルで、通行を妨げられたとして人格権の侵害として通行の妨害廃除を認める判例も出ているようですが、道路持分を持たない一般人に私道通行権自体があるわけじゃない、通行地役権とは別の自由ということです。

所有者にとっても道路位置指定を受けるため自由な利用を制限されるなど、厳格な手続きです。

位置指定道路持分と通行権、私道負担義務

再建築不可物件だった敷地も、接道する共有道路が建築基準法42条1項5号の位置指定道路と認められると、接道義務を果たし建築許可が得られる〔再建築可能な〕土地になります。

そのように、公益性高い道路位置指定を受けるために所有者や共有道路持分権者が制限を負担することにより、一般公衆に自由な通行が認められることになるのです。

ただし、道路持分権者ばかり私道負担義務があっては不公平です。所有者・持分者は維持管理するための合理的で必要な程度だけは通行制限ができるという判例もあります。

つまり通勤通学で日常不可欠な場合に妨害予防はできるけれど、道路持分者にとっての道路維持管理に必要性ある場合、妨害廃除できないこともあります。

デベロッパーの宅地開発で出来た〈開発道路〉に位置指定道路を含む開発道路トラブルも多々あり、私道が位置指定道路となった後、公道に移管されることもあります。

私道が位置指定道路に道路位置指定受ける許可条件

位置指定道路の指定を受けるには、その私道の両端が公道に接していることが条件です。

ただし袋小路でも長さが35m以下、幅員が6m以上だったり、道路の端に公園や広場(他人の空き地ではなく)があれば、〈再建築〉の認められる道路となります。

また、袋路で35mあっても、途中一定間隔に自動車転回広場を設ければ、位置指定道路の指定を受けられます。私道が道路位置指定を受けるには条件をクリアしなければなりません。

〔例:道路位置指定とは|横浜市 建築局

既存道路との交差部や屈曲部に2辺をそれぞれ2mとする〈隅切り〉を作らなければなりません。

横浜市金沢区の坂道写真。

基本的に「階段状」であってはいけませんし、勾配が12%以下でなければいけません。(勾配は非難や安全に害がなければ緩和されることもあります)

道路の表面がアスファルトやコンクリートであること、せめて砂利敷きである必要があり、ぬかるんだ泥土では許可されません。

同様に、道路や敷地に排水用の側溝が設けられていることが条件になります。

位置指定道路の私道に、その道路持分者が自動車の通行を禁止するポールなどを置いている場合がありますが、これは私道負担を受任している所有者の不利益の有無が判断材料になります。

その土地の地面の下が暗渠になってたりして、車のような重量が道路にかかると危険だとか、住民の安全を脅かす可能性があれば通行禁止にも理由があるとされます。

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