旗竿地間取りのメリットデメリット―敷延外構アプローチと延長敷地トラブル

旗竿地間取りのメリット・デメリットを解説したページです。敷延(延長敷地)とも呼ばれる旗竿地の、外構や路地状敷地の有効利用法や敷地延長トラブルの事例判例を紹介しています。
旗竿地間取りの物件をお持ちで売却をお考えの方は、文末の【売却をお考えの方へ】をご参照ください。

旗竿地のメリット

旗竿地のメリットは、取引価格の安さです。

旗竿地間取りのような変形地住宅は、東京都内23区や横浜・川崎の人口密集地域の土地を最大数の人に売るため、細かく切り刻んで分筆・分譲して生まれた物件です。

他人の土地に挟まれ、公道から狭い路地状敷地(旗竿地・旗地)を通らないと住処である母屋へいけない事から、旗竿地には「隔絶された土地」のイメージがあります。

この「僻地」的な雰囲気から、旗竿地評価(売買―売却~買取価格)は低く、日当たりよい旗地の土地でも、一般の宅地価格より3割以上安くなるのが旗竿地のメリットです。

敷延(敷地延長/延長敷地)とも称する、路地状敷地を行き来して外界(道路)と繋がるこの変形地住宅の環境を「ポジティブ」に受け止めれば、割安価格という旗竿地のメリットを都内や横浜など都心における「持ち家」という形で、享受できます。

旗竿地の一般的メリット(閑静・プライバシー)を検証

一般的に言われる「旗竿地のメリット」は、路地状敷地として公道から住宅本体が隔離されている点を主軸に評されます。

つまり、「道路から離れていて静か・閑静」「通行人に家の中を覗けないからプライバシーが保たれる」という2点が、旗竿地のメリットと一般に言われるものです。

密集市街地の細路地の写真

しかし、公道に面していても生垣・塀があれば家の中を覗かれないのは同じです。旗竿地のメリットとあえて評価するには弱いでしょう。

また、分譲地が整形地だけで足りず、不整形地の住宅まで出現する住宅密集地です。ここでは隣家との密接度合いが普通の住宅地より高く、「プライバシーの確保」は疑問です。

そもそも旗竿地のある場所は、密集市街地で生活者が多いから生活音も多く、総じて静かではありません。旗竿地の外構で防音しても、隣家の子供の声が聞こえます。

大都会に居ながら、5mから10m道路から離れただけで車の音がシャットアウトできる訳がありません。

本当の静けさが必要なら、都心の住宅密集地ではなく隣家や公道と2~30mは距離が保てる田舎に住むべきです。「公道から奥まった位置に家があるから静か」というのは単なるイメージです。

旗竿地のメリットに「閑静」を謳うのは見当違いに感じます。ゆえに、旗竿地のメリットは「旗竿地の取引(販売~購入)価格」の割安さに尽きるといえます。

旗竿地の間取り

間取りが先か、敷地が先か。

家を建てる際の状況には、間取りを考えてから間取りの広さにあった土地選びをするのか、既存敷地を元に間取りを考えるのか、2通りがあります。

間取りから選ぶのは、注文住宅で1から建てる時、間取りにあった建売住宅や中古住宅を購入するケースです。

敷地から選ぶのは、既に家が建っていて建て替えする時や、割安な土地を先に購入しておく時であり、旗竿地住宅の建築は、ほぼ敷地が先のケースです。

間取りを先に考え、その間取りにあった敷延の土地をわざわざ探す事は困難です。

旗竿地の間取りは、変形地である旗竿地の建坪として使える部分を有効活用するデザインセンスが必要です。

〔参考:建坪(タテツボ)とは – コトバンク

旗竿地間取りの土地に対し、単純な間取り設計の四角形の家では、庭が用意できなかったり、建物の片側が日当たりが悪いままだったりして、生活に不便なが出るというデメリットがおきます。

狭い延長敷地に庭を造るため、L字型の建物にして、L字の内側に「中庭」をこしらえるといった創意工夫。旗竿地の間取りにはセンスとアイデアが必要です。

旗竿地の間取り―日当たりと通風

住宅の密集した都内では、日当たりや通風は道路側から受けるのが一般です。旗竿地は周囲を建物で囲まれ、道路から隔絶されているため、日当たりと風通しの良さは期待できない事があります。

よって旗竿地の間取り設計・施工は、通常の住宅よりも採光・通風の為の工夫を施したデザインを採用しています。

普通の家の階段は「両側が壁で『蹴込板』、階下は収納スペース」等にしてあります。

〔参考:階段 – Wikipedia

旗竿地間取りでは、階段を「ささら桁階段や力桁階段など『蹴込板』がない踏み板のみで、階下は廊下空間」にして、通気を良くし空間の拡がりと日当りをを感じさせています。

旗地間取りでは採光・陽当たりに関して、窓の面積を大きく取り太陽光を多く採り入れ、部屋数を少なくして部屋と部屋の仕切りをなくし室内の日当たりを遮るという、狭小住宅間取りにも似た工夫がなされます。

敷延(敷地延長/延長敷地)

旗竿地間取りの宅地は、延長された敷地の意味で「敷延(敷地延長/延長敷地)」とも呼ばれます。

敷地奥の建物から道路まで他人の敷地の間を縫って、自己の路地状敷地(アプローチ)が繋がり、これによって、その建物が建築基準法に適合してできる事で敷延物件(敷地延長/延長敷地)が存在しえます。

横浜市建築局 建築基準法の道路

他人の所有地と境界線で区切られた、自己所有領域で建築を行う時、法律に従いギリギリ道路に接面しさせる延長敷地の意味合いは、この土地の存続に重要です。

よって、道路と接する旗地間口の2m接道要件が不足すると、敷延物件は直ちに再建築不可物件になってしまう訳です。

敷延(延長敷地)の路地状部分の長さ条例

敷延(延長敷地)によって接道している宅地は、原則2m幅で接道していれば再建築不可なりません。しかし、延長敷地の路地状部分の長さによっては規制を受けます。

横浜市のホームページでは、〔横浜市建築基準条例第4条、 路地状敷地の長さ〕を自治体の規定で、「路地状敷地(アプローチ)部分が15m以上なら、接道幅は2mじゃなく3m必要」としています。

路地状部分が15mもあれば「敷地間口が2mじゃ救急車が入れないよ!」と言うことです。路地状部分が25mなら〈4m道幅〉を条例で要求されます。

敷延幅は市区町村によって変ります。公道から15mも長い敷延の道幅が2mでは消防車が入れず、消火活動ができません。東京都内や横浜・川崎など住宅過密地帯では、路地状敷地の道幅条例をもっと規制してもいい位です。

横浜ビジネスタウン

敷地延長部分の片側が「崖地」や池や水路の場合も、路地幅の要件は厳しくなります。2m程度の道幅だと浸水や崖の崩落で、避難経路が絶たれる可能性もあるためです。

以上、防災対策で問題のありそうな敷延(延長敷地)には、自治体条例によって建築基準法よりも厳しい制限が課されます。

旗竿地の外構

旗竿地の外構は、普通の宅地よりも隣家に密接している旗竿地の住民がプライバシーを保護しながら、快適な生活を送らねばならない為、その設置施工には神経を使います。

一般的な旗竿地のメリットとして、〔旗竿地は道路と隔絶され、路地状敷地の分だけ道路と距離があるからプライバシーが保たれる〕という説が流布されています。

しかし道路と隔絶していても、隣家とは普通の住宅地より密接しているのが、旗竿物件のある土地柄であり、プライバシー保護のためには外構施工が必須です。

建物自体も一般の分譲地以上に近接し、外構築造でも過度な相隣関係を意識しなければなりません。しかし、高過ぎる外構築造は日当たりと通風を阻害してしまいます。

旗竿地の外構には、以下に記すようなトラブル要素も備えていて、旗竿地のデメリットの最たる原因となっています。

旗竿地外構施工例と旗竿地トラブル

旗竿地の外構は、高くし過ぎれば、住居の日当たりに影響するだけでなく、防犯上も危険性が増します。隣家から敷地内の存在を窺い知れないという事は、泥棒が潜んでいても分らないからです、

また、旗竿地と隣家との騒音トラブルは外構の高さより、コミュニケーション不足による事が多く、「近所づきあい能力」で解決できるモノです。

旗竿地トラブルは、旗竿地を所有する側ではなく、隣家が外構を再築する時に、旗竿地側の土地を侵略してくることで路地状敷地(アプローチ)の間口が狭くなる事から起こります。

隣家が古くなった外構を再築し、土地境界線を越えて旗竿地側に外構を築いて、旗竿地側が「接道面の幅が狭くなった(土地を奪われた)事に気がつかない外構施工工事の例が多々あります。

路地状敷地の接道面が2.5m位あれば、旗竿地所有者が気がつかないだけで終わりです。

しかし、外構で旗竿地侵害された間口が建基法ギリギリの2m幅だと、将来、自宅の建て替えをしようとした時、「敷延間口が2m未満で再建築不可物件になってた!」という珍事になりかねません。

敷地を侵害され、敷延接道面を数十センチ奪われ、トラブルとなる旗竿地の外構施工例は頻繁に起っています。

こういう旗竿地トラブルを見ると、値段が安いだけで敷延物件を買うのは考えものかと思ってしまいます。

路地状敷地(アプローチ)

地形がたなびく旗と旗竿に見立てられる変形地、「旗竿地」。その旗竿の部分、つまり公道に面する門扉から建物の入り口までの路地状敷地(アプローチ)部分は、「日当たり」の良否で格差が生まれます。

旗竿地間取りの物件をはじめとした再建築不可の買取の際には、敷地とその周辺環境に対する空間演出デザインの良否が買取価格を高くも安くも影響します。

アプローチの両側が「隣家の庭」だったら、アプローチも陽の光の注ぐ遊歩道の様に明るく見えます。

また、隣家がガーデニング好きで、土地境界の生垣を薔薇の花であつらえていたら、「借景」のプレゼントを貰ったようなものです。

裏庭・裏路地のような路地状敷地(アプローチ)

問題なのは、アプローチが隣家の住宅自体と接している場合です。我が家に出入りする表玄関なのに、他人の裏庭・裏路地を行き来する感じです。

そして、こういう建物の日陰の道には、日陰に強い繁殖力を持つドクダミや苔など雑草が、手入れをしなければ1年で一気に繁殖します。

「路地状敷地」とはいえ、ほんとに裏路地を通行して行き来する住宅では、「持ち家」の嬉しさは半減、旗竿地のメリットである割安感も半減します。

激安の中古物件だけど、路地状敷地(アプローチ)部分が薄暗い物件を買い求める場合、1年後の雑草の繁殖を抑えるため、防草シートの敷設工事費用ぐらいは予算組みしておく必要があります。

路地状敷地・アプローチのエクステリアデザイン

路地状敷地(アプローチ)部分が日当たりの悪い暗所なら必ず防草シート敷設工事すべきです。ところで、通風の利いた明るいアプローチなら、自分でDIYリフォームして、高級なエクステリアデザインし、「玄関までの道のりの広い高級住宅」を演出することが可能です。

DIYで日曜大工する写真

旗ざお地では、玄関に入る前のアプローチが「その家の顔」です。

もし、再建築不可物件として安い旗竿物件の購入機会があったら、リフォーム用に予算を残しておいて、アプローチに集中的に再建築不可リフォームをかけるのも手です。

アプローチ

ちなみに、アプローチとは、一戸建て住宅の門扉から建物玄関までの通路を意味します。道路と自宅敷地との接道面から玄関まで路地状敷地がアプローチです。多くは庭の間や駐車場部分に区別できるよう小道状に通路を設けます。

マンションの場合、一階の入口付近のスペース一帯を指してアプローチと呼びます。建物に入り口のない、個別玄関の2階建てアパートやコーポ建築には、アプローチはありません。

旗竿地のデメリット

土地としての旗竿地・延長敷地、または旗竿地に建つ中古物件を購入するメリットは、東京都内23区や横浜・川崎といった都心部に格安で持ち家できる事ですが、メリットよりデメリットが多い事を理解して購入すべきです。

旗竿地のデメリットは変形地という形状や立地環境にあります。

旗竿地デメリットである周辺環境を上手く活用できる見込みがあり、かつ割安で入手可能なら、旗ざお地ほど買い得な不動産はありません。

旗竿地・敷延のデメリットには、「日当たりや通風が悪いので建物が傷みやすく将来のリノベーション費用がかかる。往来から路地状敷地ごしでは住宅内部が見えず防犯上危険」という事例があります。

日当たり・通風・防犯は、旗竿地・敷延のメリットとして「プライバシーの確保」と謳われる事と背反しているデメリットです。

しかし、これから購入する人なら「日当たり・通風」に関しては旗竿地の間取りの熟考で対処できるでしょう。防犯に関しては、割安に都内に旗竿物件を入手できる時点で諦めるべきだと感じます。

旗竿地デメリット・旗部分の間取りの無駄

旗竿地のデメリットの最たるものは、住宅地としての「間取りの歩留まり」の悪さです。土地の形状が変形地なので、これから建てるもしくは建替える住宅の間取りが地形に縛られて限定されます。

「日当たり・通風は何とかなる」と前述しましたが、宅地としての歩留まり悪さ、無駄な部分の多さはいかんともしがたいものです。

旗地形状により建坪が狭くなるデメリット

旗竿地と呼びながらも、「旗地部分の土地」は正方形ではなく、台形や三角地である旗竿・敷延物件が多いです。旗地が変形地だと「購入した面積の割りに建築可能な建坪が狭い」というデメリットに直面します。

特に旗地部分の土地境界線がカーブを描いていると、見た目は実際の敷地面積より広く感じるのに、家を建てる時になると「建築基準法の敷地境界制限で狭い建築面積になってしまう」事があります。

建物は直線で区画して建てるのが普通ですが、土地境界がデコボコしていると敷地境界と建物の距離制限があるから、土地は広くても建物部分に目いっぱい使えません。外構と建物の間に無駄ができます。

旗竿地駐車場【敷延部分を駐車場活用】

旗竿地の、道路に通じる路地状敷地・敷延部分を、駐車場スペースに活用する所有者さんが多いです。

でも意見を聞いてみると、多くは敷延(敷地延長/延長敷地)の路地幅が車幅ギリギリサイズであり、車の発停車に気を使い、外構で車を傷つけないよう神経質になるデメリットがあるそうです。

また、旗竿敷地自体ではなく、取り巻く住宅地環境の狭苦しさから、大型車所有に向かないというデメリットもあります。

旗竿地駐車場に停められている車両に軽自動車が多いのは、資金的問題ではなく、住宅地の環境上、軽自動車じゃないと気を使ってしまいストレスになるからだ、と聞きます。

この旗竿地駐車場は個人的にデメリットではなく、土地を余すことなく利用している、いい駐車場活用なんじゃないかと思います。

旗竿地間取りのメリットデメリットのまとめ

旗竿地間取りのメリットデメリットについてのまとめとしては、「旗竿地のメリットである(割安な)売買価格が、将来の外構・敷延間口のトラブルにより再建築不可状態になるデメリットをカバーできる値段なら買って損なしということ」です。

以上の点を鑑みて、慎重にお買い得な旗状地物件を選び抜けば、都内や横浜市内に価値ある「持ち家」を格安で買える事も可能でしょう。

当然ながら、自分が購入した時に安かったように、旗竿地の売却価格・買取価格はかなり安めに査定されます。

売却をお考えの方へ

旗竿地間取り住宅の売却をお考えの方、売りたいが査定では思うような値段が付かなかったという方、一度お問い合わせください。

現在、東京都内~神奈川県内の以下のエリアを第一希望として、物件の買取(もしくは借り上げ)を行っています。
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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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