不動産個人売買=中古住宅・マンション・土地のC2C【消費者直接取引】

不動産個人売買

不動産個人売買とは、C2C(Consumer to Consumer/消費者対消費者)で土地や中古住宅、マンションといった仲介を入れず個人間で不動産売買する直接取引を意味しています。

不動産個人売買のメリットは、仲介業者を介在させず個人売主と個人買主が直接取引する事で、不動産仲介手数料が不要になる点です。消費者対消費者(C2C)の取引なので、売却価格・買取価格の折衝を当事者間で自由決定できる点もメリットです。
しかし当事者間の資金力格差により、一方が不利になる売買契約になる点、リスク回避策が不明なまま売買が完了してしまう等の消費者として危険な取引でもある点は、不動産個人売買の致命的なデメリットです。

ネット取引

以下は土地や中古住宅、マンションなどの不動産売買が個人対個人によって行われている具体例を紹介します。

土地個人売買

土地個人売買を一番シンプルに解説できる例は、地主が貸している土地上に建つ借地建物を買い取る借地権買取です。
不動産個人売買(土地個人売買)というと、ヤフオクを思い浮かべる人が多いですが、この借地権売買こそ売買仲介業者やサイトがからまない、純粋な意味での「不動産個人売買(土地個人売買)の典型」です。

前述の【不動産(土地)の個人間売買では、資金力の格差で『一方に不利』になる】ケースは、この権利売買の場面で多く見られます。
借地権売買において、借地人が資金難だと、目先の現金につられ地主に都合いい売買価格になってしまいます。
また、借地人による底地売却の場面で、地主が借金に追われ、借地人が貯金をたんまり持っていれば、当然、土地売買価格は買主である借地人主導になります。

不動産個人売買の具体例を考えると、ネットでの個人売買サイトやヤフオクの不動産オークションが思い浮かびますが、あれらの実体は個人不動産売買から遠いものです。
借地権買取⇔底地買取はそれぞれ、間に仲介業者も個人売買サイトも絡まない分、登場人物が個人対個人という、純粋な土地個人売買の具体例と言えます。

中古住宅個人売買

中古住宅個人売買の例は、【接道義務不足の再建築不可物件の住宅所有者】が、公道に接する隣家・隣地の土地を「接道義務を満たすぶんだけ」買い取って、自宅の再建築不可状態を解消するケースです。

これは購入する土地面積も小さく、隣地を少しだけ買い取るだけなので、不動産個人売買(中古住宅個人売買)のイメージからは程遠いかもしれません。
しかし、法律上、不完全な中古住宅(既存不適格物件)を隣の敷地を買い取ることで完全な物件として扱えるようになる点では個人間の不動産売買として説明しやすい事例です。

例えば、親から相続した老朽住宅を建て替えようとしたけど、土地の公道に接道する旗竿地間取りの【旗竿間口の接道幅】が2mの接道義務をわずかに満たしていなかった、ということはよくあります。
そうした時、隣地を相手に境界線を巡って裁判して、「隣家がウチの敷地を不法に侵奪していた」ことを証明し、晴れて、自分の敷地としての権利を回復するという手段もあります。

ただし、裁判をしても必ず勝てる保証はなく、何より、悪気が全くなかったかも知れない隣家とのご近所づきあいをたった数十センチの敷地幅を争う境界確定の訴えによって、冷え切ったものにするのはナンセンスです。
そうした時は、接道義務に不足する敷地面積を、隣家に対して個人間売買を持ちかけ売ってもらうほうがスピーディな大人の対応としてベターだったりするものです。

親子間売買による任意売却も、親の借金返済の為に子供が親の中古住宅を購入し、親子間売買住宅ローンによる資金の融通で住宅ローンを肩代わりする金融取引であり、中古住宅個人売買と言えます。
任意売却業者が住宅ローンの采配をしたり、弁護士さんが介入したりする点では、純粋な中古住宅個人売買とは言えませんが、仲介業者の入らない直接取引という不動産個人売買の要件は満たしています。

マンション個人売買

マンション個人売買の参考としては、離婚夫婦の離活作業の一環として、〈夫婦共有名義〉で購入したマンションの処分において、出て行く妻の共有持分買取を夫が行い、夫・単独名義の不動産に変更する夫婦間のC2C取引が分りやすい例です。

意味合い的には、手切れ金や慰謝料の代替行為に近いものですが、共有持分も立派な不動産取引であり、夫婦の間に仲介者も誰もいない超・直接取引を行う不動産個人売買(マンション個人売買)の身近なお話です。

住宅個人売買

以上が、住宅個人売買の〈実例〉として示せる最も具体性のあるものです。個人売買というと、ヤフオクやネットの個人売買掲示板などを思い浮かべると思います。
でもヤフオクはオークションであり、売り手として参加しているのはほとんど業者なので、ほんとの意味の不動産個人売買ではありません。

また、「個人売買掲示板」は〈危険ドラッグや個人情報名簿〉の個人間売買には向くでしょうが、高額なお金の係わる住宅個人売買には適さないし、掲示板で成立した不動産個人売買の〈実例〉なんて、皆無のはずです。

アメリカ―中古住宅個人売買

アメリカではインターネット普及前から「個人売買情報誌」が州・市ごとに普及し、車・バイクの個人売買や住宅の個人売買が一般的に行なわれていました。

30年以上前、外車販売していた叔父から、キャデラックやリンカーンなどアメ車の仕入れ方法として、個人売買市場(個人売買広告)の存在を教えてもらいました。
叔父が広告を出していた「個人売買情報誌」は、アメリカの各州の中の市町村レベルの小さな地域の個人情報誌でも、タブロイド(夕刊フジサイズ)で毎週100ページ以上のボリュームがありました。

この個人情報誌には、中古住宅など不動産個人売買から物々交換(バーターエクスチェンジ)、ベビーシッター募集まであらゆる個人広告が出ていて、叔父も「アメ車、買い取り」の広告を複数誌に出稿していたわけです。
インターネットのなかった時代のアメリカでは、これが中古住宅や土地まで売れる個人間売買の唯一、かつ最高に効果のあるツールでした。

時代が変わって、印刷費用のかかる個人売買情報誌は姿を消しました。
現在では〈クレイグリスト―Craigslist〉というサイトや〈ebay〉が、不動産の個人売買から私物の交換までのC2C(消費者対消費者)取引で、アメリカ合衆国のメジャーサービスです。
でも、クレイグリストタイプの、「個人が金を払ってまで広告するサイト」が、日本では普及していないことでも分るように、日本人には個人情報サイトによる個人間不動産売買には懐疑的な雰囲気があります。

ジモティなどの無料個人間取引サイトやメルカリやラクマ、フリルといった無料フリマアプリでも、ヤフオクでも小物の個人売買は盛んですが、不動産個人売買は怪しい雰囲気が漂っていて、個人売買になれた人ほど手出しはしないようです。
ようくみれば、「実は業者ばっかり」で、事故物件・訳あり物件を売りつけようとしているのがミエミエというのも、日本で不動産個人売買が根付かない原因の1つでしょう。

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不動産個人売買の根付かない理由

インターネットが普及する前から、アメリカでは、スワップミートやエクスチェンジマートといった個人売買の市場(雑誌やフリマイベント)が確立していました。
日本では、フリーマーケットによる個人売買はありますが、個人売買情報誌は機能していません。

日本でも、「個人売買情報誌」が発売されていた時期がありました。
20数年以上前、リクルート社からは【じゃまーる】という個人情報誌がフロムAと同じサイズで東京都内~東京市部や神奈川の横浜・川崎のコンビニに置かれていました。
また同時期、所ジョージ氏が監修し、ネコパブリッシング社から【QUANT―クアント】という個人情報誌が出版されていたこともあります。
クアントはじゃまーると違い、コンビニ取り次ぎがされていなかったので、都内23区の原宿駅前山下書店や新宿紀伊国屋、東京駅の丸善書店など、ファッション系やオールジャンルの書店でしか扱われませんでした。
じゃまーるもクアントも数年で廃刊しました。

日本では0円雑誌(=フリーペーパー)、0円携帯から0円住宅まで、【0円ビジネスモデル】が確立しすぎて、個人が【個人広告料金】を払うビジネスモデルが通用しなかったのが廃刊の理由でしょう。
今現在、国内に残る個人情報誌は、東京都23区および奥多摩を除く東京市部や神奈川県の横浜市・川崎市など大都会の個人住宅にポスティングされるフリーペーパーの「ぱど」くらいです。

ぱどは荏原製作所からスピンアウトしたベンチャー企業で、じゃまーるやクアントと同じ時期か少し早くから出版され、唯一、個人情報誌として残っています。
しかし、24ページ~36ページ刷りで印刷される「ぱど誌」の中に個人広告ページは1ページくらいで、その他はエステや飲食店、司法書士・弁護士の債務整理広告など、商業広告で占められています。

ここからも分るように、日本においては個人間売買の市場は中々成立しづらいわけです。
ヤフオクの中で不動産個人売買が占める割合が数%あるかないかということからも、個人間不動産取引の難しさが伺えます。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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