不動産広告ルール―売買~売却買取の不動産おとり広告・二重価格

不動産広告ルール

不動産広告ルールを規定する法律は、原則に宅地建物取引業法(宅建業法)があり、不当景品類および不当表示防止法(略称:景表法・不当表示法)、独占禁止法、不正競争防止法、消費者保護基本法・条例が周辺法として存在しています。

また、不動産の「新規分譲物件やモデルハウス(オープンハウス)の宣伝広告」を電柱にくくる【捨て看板】を規制する不動産広告ルールとしては、道交法や野外広告物法、河川法もあります。(捨て看板を取り付けている所を現行犯逮捕されると軽犯罪法と条例の世話になります。)

計算をするイメージ写真

不動産広告規制規約

不動産広告ルールを宅建業法他の法律や規則(不動産広告規制規約)で規定すると、大きく分けて3つのルール違反が不動産広告において実行されていると理解できます。

不動産広告のルール違反は、二重価格表示(表示規約20条)、おとり広告(表示規約21条)、デメリット表示(表示規約8条、規則4条2項)という3つの規則を守らずに広告を実施し営業行為を行う事に、集約されています。

不動産の表示に関する公正競争規約施行規則

二重価格表示

二重価格表示とは、売却したい物件とは別に「割高価格の不動産を比較表示」し、実際販売価格を〈格安〉かと誤認させる広告方法で、景品表示法違反に当る不動産広告規制規約の対象となる違法行為になります。

消費者庁表示対策課で価格表示ガイドラインを公表し、二重価格表示に関して定義を示しています。

二重価格表示―消費者庁 価格表示ガイドライン

二重表示価格の事例

例えば、新古住宅や再販物件を、旧価格と比較対照し値下げして売却する場合、本当に値下げより3ヶ月以上前に公表され3ヶ月以上広告していたけど「売れなかった時の値段」ならば、二重価格表示になりません。

二重価格表示の事例としては、その新古住宅が新築で初めて分譲していた不動産業者が表示していた価格と比較して「通常販売価格・八千万円のところ今なら四千万円」等といって売ることです。

(新古住宅は施工販売した不動産屋さんが棚卸しのためアウトレット物件業者さんに売却し、アウトレット物件業者さんが再販する事が多いので、この構造になります。)

不動産の二重価格表示

これは、新築から数年経って買い手が付かず、中古住宅となってしまった物件を新古として販売し、周辺の新築相場と比較して安さで売りたいという、業者として切実な違反です。

不動産業界ではなく〈小売業界〉では、実在しないメーカー小売価格をでっちあげ、それと比較して半額以下セールと宣伝するような広告は溢れています。

一昨年は神奈川県内の多くのスーパー等へ、それは違法な価格表示だと通達が出されました。小売業界の二重価格表示と比べると不動産の二重価格表示は「控え目」な方です。

実在物件の売却価格と比較

新築物件を売却するさい、競合の不動産業者の実際の販売価格を比較して、それより安く販売するということは問題ありません。

因みに〈格安・掘出物〉等の表現は、特定用語として禁止されています。

広告をするときのきまり 首都圏不動産公正取引協議会

売買取引に注意を喚起する写真。

おとり広告

おとり広告とは、集客のために虚偽の誇大宣伝を広報する広告活動のことです。客を騙して釣り上げるので、釣り広告ともいいます。

おとり広告に関する表示 | 消費者庁

不動産のおとり広告に関する表示

景品表示法第4条第1項第3号の規定に基づく「不動産のおとり広告に関する表示」において不当表示と規定された広報内容はおとり広告とみなされます。

不動産広告において、存在しない架空物件、存在しても売却済みの物件や所有者に売却意思の無い物件の広告などが、格安で宣伝されているものが不動産おとり広告の代表事例です。

不当景品類及び不当表示防止法

不動産業者への罰則

おとり広告をすること自体に罰則はなく、景品表示法に違反した違法状態が続いていても、消費者庁は対象不動産業者に「一般消費者に与えた誤認の排除、つまり誇大広告部分の削除を命じる程度です。

それと一緒に「再発防止策を検討せよ。今後はおとり広告をするな」という措置命令を出すだけなので、不動産業者に対する打撃はなく、罰則はない(皆無)といえます。

電話営業する写真。

デメリット表示

デメリット表示とは、不動産売却などのさい、購入者に不利益を与える事項の表示のことを意味します。

不動産契約の重要事項説明義務とは異なり、不動産広告の表示規約に「特定事項の明示義務」として、デメリット表示を見やすい場所へ、大きさ色彩を基準以上で明確に記載することが義務付けられています。

デメリット表示の事例

市街化調整区域内の開発許可を受けていない土地は、不動産の表示に関する公正競争規約9条(予告広告における特例)に基づき、「宅地造成および建築物の建築が不可能」である旨の表示をしなければなりません。

分譲住宅・マンションの広告案内では、近隣に日照を阻害するような建築物が建つ予定や住居環境が変わる規模の造成地ができる計画の旨を、道路ができて静寂が妨害されそうな都市計画も表示しなければなりません。

東京都内・横浜市・川崎市の中古物件

東京都内の中古アパートやマンションなど投資用賃貸物件の価格が高騰しています。横浜市や川崎市内でも、投資用中古の売れ行きは好調。居住用の中古物件もよく動いています。

そして、分譲住宅~マンションの中古物件の〈新聞折込広告〉が、ひんぱんに入ってきます。リフォームチラシも目立ちます。大手の三井不動産の新築そっくりさんのチラシもよく見ます。

二重価格表示と表示規約

そんな中で、新古住宅のアウトレット物件を二重価格表示で広告し販売している業者さんが非常に多い。これは、広告の現物が新聞折込の中にいつも大量に入っている事から分ります。

二重価格表示は、不動産の表示に関する公正競争規約20条の違反になります。

表示規約20条とは、不動産業者は、物件の価格、賃料ほかにつき、実売価格よりも高い価格を併記し比較対照する場合において、虚偽の内容や自社に有利な広告表示をしてはならないと規定した不動産広告ルールです。

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再建築不可と二重価格表示

二重価格表示の事例として、同一でない商品を価格比較することがあります。

例えば、中古の再建築不可物件旗竿地不整形地を売却するさいに周辺の【普通の中古一戸建て住宅】の相場価格をことさら強調して、建て替えできない建物という「悪条件を受忍しても更に安い」と購入者を惑わせるなら、二重価格表示になります。

同じ町内の、似たような再建築不可物件や既存不適格物件の中古価格や旗竿地、不整形地の土地価格をリスト化し、同一の条件の商品と比べて安いかを表示するなら問題はありません。

不動産おとり広告

不動産・建築業者側も行政からの命令に対し「不服申し立て」をする対抗手段まで与えられています。おとり広告の規制は有名無実といえます。

実際に、「神奈川 賃貸 安い」などでグーグル検索して、上位表示されてくる物件は過去の物件なのに、業者に尋ねると「あります。当社までお越し下さい」と虚偽勧誘をする、不動産おとり広告の濫用が現在進行形で行われています。

住宅ローン広告

住宅ローン金利と返済事例についての宣伝、いわゆる住宅ローン広告は、おとり広告ではないし、不動産広告規制規約の「誇大な表現」に引っかかるとまでも言えませんが、購入動機をそそる一番重要なところで都合のいい表現をしていて消費者が損している事があります。

不動産広告、特に新聞折込チラシには、「毎月39,800円!アパート家賃並みの返済額!」等といって、住宅購入の敷居が低いと妄信させる広告表現が見受けられます。

実際、住宅ローン返済を5万円未満に抑えるプランも可能でしょう。しかしこれは、変動金利型ローン35年返済プランを最低金利で計算すると出来上がるプランです。

住宅購入し返済が始まってからの金利上昇リスクは高いです。まして、今は史上最低金利です。上ること以外は、ありえません。

住宅ローン広告は、不動産を売るための広告ですから、真に受けずにキチンとした返済プランを練る心構えが必要です。

不動産ポータルと囮広告

ネット上のおとり広告は数が多すぎて規制しきれず、また業者の物件をまとめて掲載している不動産ポータルサイトも、商売ですから口ではおとり広告を禁止しているといっても実は後押ししているのが実態です。

リフォームモニター商法は、悪質な契約・粗悪な施工については消費者契約法によって取り消しの対象になりますが、その前段階の《リフォームモニター募集》の広告は表示規約の「その他の不当表示」に該当します。

建築基準法違反のデメリット表示

デメリット表示の具体的な事例としては、建築基準法改正で既存不適格になっている中古住宅、接道義務違反による再建築不可物件、高圧電線下にある建替えに制約のある建物などです。

その他、違法建築物や心理的瑕疵物件をはじめとした事故物件、訳あり物件なども、デメリットとして表示義務があります。(共有名義不動産も紛争中の『事件物件』として明示する必要があります。)

新築現場の写真。

不動産広告ルールと青田売り

建築条件付土地取引は本来、土地購入者の自由に建物の内容を決めることができるものですが、これを偽装した「青田売り」は不動産広告ルールに違反するものです。

これは、建売住宅を建築確認前から売りたい不動産販売会社が、建築条件付土地としてフリー設計ができそうに見せかける虚偽販売です。広告表示の開始時期の制限違反広告として取扱われます。

積極的なデメリット表示

不動産業者は消費者には分らない物件の環境や条件を明確に広告しなければならないのがデメリット表示です。さて、隠したい瑕疵を、あえて公表する事で好感をもたれる事があるのも事実です。

例えは、一戸建て住宅の寿命は20年とも25年とも言われていても、世間には見栄えがいい築20年ばかりです。こういう物件を単に「中古住宅」として売る事もできます。

しかし、寿命が切れた建物だからと、古家付き土地として販売すると、お客さんが「こんな良い中古住宅、古家じゃないじゃん!」と喜んで住んでくれるケースもあります。

建て替え費用を想定した割安な価格で売却してあげれば、クチコミ対象にしてくれるほど喜ばれる事も。

また、みなし道路におけるセットバックの必要性や、私道持分のリスク説明は100%解説すれば、物件住所地によってはデメリットを上回る価格メリットを理解して貰える方が多いです。

不動産広告ルールぎりぎりのおとり広告

不動産広告ルール(宅建業法の不動産広告規制)に引っ掛からないものの、明らかに不動産売却を考えている消費者の売買活動を阻害している悪質な「おとり広告」も存在します。

ほんとかも知れず不動産広告ルールに抵触してるといえず、不動産おとり広告の罰則が適用されないような微妙なところで勝負している不動産広告です。

そういう不動産おとり広告の代表的な事例として、「不動産を探しています」という新聞折込みチラシがあります。

おとり広告「不動産を探している客がいる」

【近所で土地を探している方がいます】【お客様からこの周辺の土地の購入を頼まれました】などなど。いかにも不動産購入を希望する買主がいて、その命で動いているような広告。

この「不動産を探しています」の広告を打ってる不動産屋には、不動産購入希望の客(買主)が付いている訳ではありません。

単に、その不動産屋自身が「不動産を売りたい客(売却希望顧客)」を見つけたいための、不動産広告規制規約には引っ掛からない「おとり広告の一種」です。

不動産所有者全てに当てはまるおとり広告の文面

急いでいる訳じゃなければ、この手のおとり広告に釣られても実害はありません。

しかし、住宅ローン遅延で競売に掛かる直前の任意売却に慌ててる時に、このチラシを信じると時間を無駄にします。

不動産を探してる近所の人を客として抱えてる訳でもないし、自らが中古物件買取をしてくれる訳でもないので、「売却依頼する時間」が無駄になります。

大概、不動産おとり広告には、物件所有者の誰にでも当てはまる購入希望物件の情報が書いてあります。

で、購入希望者が「とにかく購入を急いでいて、相場以上でもOKと言っている」みたいなありえない話が広告チラシに書いてあります。

現金処分のイメージ写真。

不動産購入を急ぐ理由は一般人にはない

不動産業者自身が事情があって物件購入を急いでいるなら理解できますし、「借金支払いのため急いで物件を売りたい売買相場以下でOK!」というのも分ります。

「購入を急がなきゃならない事情」なんてありません。あるように広告には書いてありますが・・・・。

まして、「急いでいるから購入価格が高くて構わない」なんて状況、ありそうでも、絶対にありません。

買取ってくれるならいいですが、単なる仲介業者です。

(本文、終了)

★☆★東京~神奈川で物件を探しています。★☆★

gold

※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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