新築そっくりさんクレームと欠陥アパートの苦情

欠陥アパート

中古アパート(風呂なし・和室トイレ・6畳1K × 8戸)をリノベーションしたら、アパートの構造躯体を切り刻まれ欠陥アパートになって、最後は任意売却業者に叩かれて買取られたという大家さんのお話です。

川崎市内に〔築古物件のアパートを所有する地主〕さんが、同市内に在住している〔私の知人の地主〕さんのトコへ「アパート購入しない?」という相談を持ちかけました。

2人は川崎市内のライオンズとか老人会つながり。売主さんは複数人に売買の相談をされていたようです。

radiotaiso

私の知人は、購入するかしないか決めかね、「買取金額の査定とまでは行かない軽い気持ちでいいから」と、私を物件の下見調査に付き合せました。
この時は欠陥アパートだとは思いもよらなかったそうです。

アパートは築40年弱のわりに、外観はキレイにリノベーションされ、パッと見、欠陥アパートの様相は見当たらず築10年レベルの美観。階段部分などの塗装も悪くなかった。8戸中、4戸が空室。

3人でアパートの内覧会。1階の空室は下水&カビ臭がきついけど、アパートの内装はキレイ。でもユニットバスのドアの建て付けが悪く、フローリングの床がたわんでいました。40年なりの老朽化なのか?と思いながらも2階へ。

メリットを計算する写真

老朽化ではなく欠陥アパートの症状

アパート2階の空室はキレイでユニットバス周りもしっかりし、床のたわみもありません。1階の部屋が2階の頑丈さと比較して弱々しすぎる。老朽化だけじゃない欠陥アパートのような気がする。

〔なんで1階がこんなに傷んでるんですか?〕と売主の地主さんに訊ねても〔さあねぇ〕とのことでした。

老朽化というよりシロアリにやられた末期のよう。

「今から入居者に住み心地を聞き取りします」と言ったら「いや、みんないないと思うよ」という。「じゃ、在宅ならいいですね」といって、てきとうな部屋を訪ねました。学生さんがいました。

訪問調査による査定会社は住まいを丁寧に調べ値付けする。

売主大家さんが後ろでばつが悪そうにしてたけど、色々訊ねたら「軋む音が酷いしクサい(その他、欠陥アパートを裏付けるようなクレーム色々)」とのこと。

とりあえず売主さんの家にお呼ばれして3人で買う買わないの相談。(経年劣化だけじゃない気がして)しつこく質問を続けたら、床がベコベコの事情が分りました。

経年劣化とは – 日本語表現辞典 Weblio辞書

新築そっくりリノベと欠陥アパート

最近は大東建託さんやミサワホームさんなど大手企業にアパートを賃貸し管理を任せる〈一括借上げ方式(サブリース・家賃保証など含む)〉が一般的になってきました。

アパート投資を志す〈投資家大家さん〉は、利回り重視なため1~2割近くも管理費を差っ引かれる〈一括借上げ〉はなにかと不評です。投資だから1%の利率の上下が大事なんだという考え方。

精密な現場調査・インスペクトによる値段交渉は信じてよい。

しかし、定期巡回や共用部分の清掃、退室後クリーニング、家賃管理、滞納督促、一人で動き回ってると投資(出資し不労所得を得る)の意味がなくなる〔不動産投資の失敗〕こともあります。アパート管理が本職になってしまって・・・。

一括借上げには、入居募集・契約手続き・建物管理等を業者任せにできる他に、管理会社さんが〈よそ者の売込みに目を光らせてる〉ことによる、「悪い虫が寄り付かない」というメリットもあります。

この〈床へこみ欠陥アパート〉の売主大家さんは、管理会社を介さず全部自分でやっていました。もともとは、〔風呂なし・和室トイレ・6畳1K × 8戸〕のアパート。時代に合わず空き家が目立つようになっていった。

5~6年前、一度、〈入居者0〉になったタイミングで『ユニットバス付ワンルームにリノベーションしませんか、格安でやらせてもらいます』、と飛び込み営業がきたという。

かなり安いと思えるリフォーム費用の見積書を提示され、業者のセールストークが素晴らしかったらしく、誰にも相談せず〈見積りだけで即断〉した。

これが間違いでした。

私が見た所、〈築10年アパート〉だったけど、リノベしたのが5~6年前ということは〈新築そっくりさん技能〉もない業者だったんだと思います。

住友不動産のリフォーム|新築そっくりさん

〈新築そっくりさん〉は住友不動産のスケルトンリフォームサービスですが、他の業者だって、リノベしてくれと依頼されたら、新築同様の外観にする責務があります。

〈中古物件〉を〈そこそこの中古?〉程度にする位なら、素人がDIYリフォームでやるでしょう。

新築そっくりさんクレーム

このアパートのリノベーションは地元の業者がやったのですが、新築そっくりさんシステムの本家・住友不動産でもアパマンリノベはやってくれるようです。

新築そっくりさんは住友不動産が開発したリノベーションのパッケージシステムで割安な料金でリノベができると評価が高いです。
また、リノベせざるを得ない再建築不可物件に住んでいる家主からすれば、新築そっくりさんはもっとも身近なマイホームリニューアルのサービスと言えます。

住友不動産には、リノベーションの新築そっくりさん部門は知らないけど、〈STEP〉でお馴染みの住友不動産販売に知人がいます。

住友グループの社員は商事をはじめ、意識高い系が多いのですが知人もその一人。住友の名に恥じないよう折り目正しく生きてます。

また下請け業者ではリフォーム業務の一人親方のヤツと、住友STEP販売の仲介チラシを住友不動産販売の支店から請負ってポスティングしてるオッサンが知人でいます(還暦過ぎで下請けというか、歩合のパート?)。

新築そっくりさんクレームがネット上では多く、下請け業者を名乗る人が支払い悪いとか書いていたそうです。私の知人の場合、2人とも住友は支払いがイイ!と喜んで働いています。

新築そっくりさんの施工時期がいい加減なことがクレーム・苦情の急先鋒のようです。確かに新築そっくりさんタイプのフルリノベーションだと仕事量が多いからノロい下請けに任せると大変かも知れない。

また、リノベーション費用もメーカーの信用分、高くなるからお客さんの期待も高くなるのでしょう。

お客さんとしたら新築でもいいものを〔あの住友が新築そっくりさんと言うんだから!〕ということで新築以上の期待があるかも知れません。

それに応えるべく住友不動産の社員のほうは頑張ってるのだろうけど、現場下請けとの間に入ってる中間業者らが邪魔で話が伝わらないのが新築そっくりさん工事にクレームが入る原因だと思います。

住友の場合、社員自体は非常に住友カラーのエリートばかりで、ケアミスなんかしそうもない。中間業者が問題の可能性が高い。

新築そっくりさんと苦情や欠陥工事

ちなみにステップ販売のチラシをポスティングしてる知人のオッサンは、なんというか〈住友と直取引〉なのです。

彼は世田谷区の一等地にある都営住宅に住み、収入源は世田谷区役所(生活保護)なのですが、ダブルインカムを得るため、ステップのチラシをポスティングしてます。

住友販売STEPの、あの赤と黒の印刷してあるチラシ、あれは社員がポスティングしてるのでも大手の広告業者が請負ってるのでもないそうです。

知人の場合は新宿営業所とチラシ配布モニター契約とかいう〈直接契約〉をしてて、月半ば以降に酒代とパチンコ代が切れると〈住友STEP直属のポストマン〉となって、世田谷区内にチラシを投函して回ってます。

なんのこっちゃ?

と思われるかも知れませんが、これ、間に中間搾取業者のいない〈直取〉です。

直取だと、現場の人間と顔が近いから話が早いし、トラブルやクレームの発生を予見できそう。

知人もアル中なのに住友の社員のつもりで配ってるようです(w)。

ポスト投函スタッフの管理なんて細々した仕事さえ住友の各支店の社員さんが直々にやってるのだから、新築そっくりさんの業務委託も現場の職人さんを住友の各支店が直接取引すればいいのにと思います。

そうすると設計・監理とか建築の複雑な構造で面倒が起きるのかもしれないけど、現場に〈住友の仕事してる〉っていうプライドが生まれるかなと。

リフォームや建築の一人親方って〈どこの看板で仕事してる〉って意識が薄いです。これは孫請け工務店の社員もですが・・・。幾つも現場を掛け持ちしてるからどこがどの会社だか混乱して仕方ないかもですが。

建替え・売却には地主の承諾が必要。

先日、旭化成さんの戸建て現場の前を通りかかったら、本社じゃニュースにもなった不祥事からの苦情・クレームを受けて神妙になって社員一丸襟を正してるのに、現場の鳶の兄さん達が道に足を投げ出してグデーッと休憩中でした。

彼らには旭化成の現場がどう思われようと関係ないのでしょう。

新築そっくりさんも各営業所ごとに地元業者との提携であるのだろうけど、そこからまた下請けに落ちるから、現場じゃ一流企業の仕事って意識が低い。

金払いはいいから職人も〈孫請けとしての仕事〉はするけど、お客さんの期待するのは、どこかの馬の骨の仕事じゃなく〈住友クオリティ〉だと理解せずにふるまう。

空き家になってる家を貸したいということで、自宅を貸す前にリノベーションする人が増えていますが、リノベして人に貸せない状態にされる家もあるでしょう。

スケルトンリフォームながら居住したままの工事が可能というのは画期的ですが、現場が住友の看板背負ってる意識がないと、逆に、新築そっくりさんのスペック自体は高くても、1千万円以上のお金を払うお客さんからしたらクレームつけたくなるでしょう。

直で雇えば現場も締まるでしょう。これは大手デベぜんぶに当りますが。

欠陥アパートの苦情と賃貸クレーム

欠陥アパートの売主大家さんは、〔事情を隠して売却しよう〕としてた分、申し訳なさそうに私と買主(予定だった地主)に解説してくれました。以下のような話でした。

調子いい営業マンがセールスにきた。地元業者だし見積書が安くて気を惹かれ〈即決〉でリノベを依頼

渡した過去の設計図書を持ち帰り、新装アパートの設計図を確認したかしないか〈忘れた〉そうですが、改修工事が早々に着工したそうです。

建て替え、リノベの写真

この大家さんの所有する賃貸住宅は、〈この欠陥アパート一棟〉だけだった(あとは駐車場)ので、リノベされていくアパートが愛おしくて毎日見学していたそうです。

ところが外装・内装、着々と進み設備も新しい物が搬入される中、ユニットバス工事がストップ。各戸にバスシステムが置かれたまま他の工事もストップ。

理由は「ユニットバスの発注ミス(サイズ間違い)」とのこと。これについて、(ほんとうは当り前なのですが)業者に「追加注文分は弊社で負担します」と言われ、〔なんて誠実な業者だ〕と思ったそうです。

ところが、メーカーが遅れているのか再注文自体ウソだったのか・・・新しいユニットが到着しない。

しばらくして、1階も2階も躯体の柱や梁を削ったり切ったりしはじめたそうです。

「サイズ間違いだったけど、このシステムの方が先々便利になります」みたいなことを言われ、「大丈夫かな?」と思っていたら、今度は1階の〈基礎〉のコンクリを削り始めたという。

基礎とは – 建築用語 Weblio辞書

『基礎、壊してる!』・・・ここから先は大家さんも〈思考停止〉して、誰にも相談しないまま成り行きを見守り、竣工~立派な事故物件・訳あり物件にされて引渡し終了。

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任意売却業者に捨て値で買取される

その後、入居者も入れたけれど、〈東日本大震災〉が起り、それからアパートの風呂場部分を中心におかしくなったようです。

「業者に文句を言わなかったのは、竣工前後に〈更に値引き〉してくれて、申し訳なくなったから。売却を考えたのは欠陥アパートを売り逃げしたいからじゃなく、自宅売却も考えているほど資金が必要になったから」

と、売主大家さんはいいました。この欠陥アパート売買は私がこちら側の地主さんにストップをかけて成立しませんでした。その後、任意売却業者が思い切り叩いて買取っていったそうです。

融資住宅等の任意売却:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

契約は鍵や買取資金を手にするまで終っていない。

売主大家さんとしては大赤字だったでしょうが、欠陥アパートを抱え続けている時よりも、生まれる心のゆとりは金銭に換えがたいものなので、買叩かれ上等だったんではないかと想像します。

(本文、終了)

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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