家裁調停=遺産相続調停の流れと調停に代わる遺産分割審判【相続割合】

家裁調停

家裁調停による遺産分割審判は、カオス状態にある相続持分の解消をする手続きとして有効です。
調停は第三者である調停機関としての裁判所が、紛争の当事者双方の協調ポイントを探して、そこでの合意を得るべく説得しながら和解させるため進められます。

判例結果のイラスト

裁判所における調停には、一般民事事件を扱う民事調停と、家事・人事のみを扱う家裁調停とに類別されます。(宅地や建物の貸借その他の利用関係の紛争を解決する『宅地建物調停』もあります。)
家裁調停が【裁判】と異なるのは、裁判のように「裁く」のではなく、調停委員会が双方の意見調整をして、和解させる方向に解決していく点です。

家裁調停は訴訟に比べ、時間費用を大幅に節約できます。
家裁調停は裁判・訴訟のように双方が100%敵対する関係にはなりませんが、調停審判の決定事項には強制力があります。
例えば示談書で強制執行はできませんが、調停調書では強制執行ができるという具合です。
相続共有者の間で遺産割合=相続財産の持分割合が決まらない時は多くが遺産分割調停の申立てを行います。

遺産分割調停前置

調停前置主義とは、家事審判法17条・18条に基づき、家事・人事に関する訴訟事件は裁判で争うより先に家裁へ調停の申し立てをしなければならないという制度です。
親子関係負存在確認訴訟が典型ですが、まず家庭裁判所の申立をし、それが委員調停にかけられ、調停に諮るかどうか審理されます。

遺産分割は調停前置主義ではありません。しかし、多くの場合、調停前置主義同様、裁判より先に遺産分割調停が行われ、こじれたら裁判(遺産分割審判)に移行します。
調停では、調停委員2名と裁判官1名の調停委員会が、中立の立場で助力し、共有持分権の交通整理・共有者間の利益の調整を支援してくれます。

遺産相続調停

遺産相続協議のまとまらない共有状態の時、共有者の誰でもが遺産相続調停を申し立てることができます。
同様に遺産相続に対して、いきなり共有物分割請求訴訟みたいに最初から裁判に訴えでることも可能です。

でも多くの場合、裁判官が「話し合い(遺産相続調停)で解決してはどうですか?」と勧誘してきて、遺産調停のテーブルに移行することがあります。

遺産相続調停の流れ

遺産分割協議がまとまらない、協議に応じない者がいて遺産分割協議書の作成どころではない場合、裁判所に遺産分割の裁判を申し立てることもできますが、最初は、遺産相続調停の申し立てから行いましょう。
遺産相続調停は、家庭裁判所に用意されている遺産相続調停申立書のひな形に参考書式として用意された書き方をそのままに申立書を作成します。
被相続人たる故人の最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所にその遺産相続調停申立書を提出すれば申請終了です。
遺産相続調停の流れ・その1はコレで完了です。

遺産相続調停の申し立ては戸籍謄本・住民票・その他、遺産相続の利害および請求内容を裏付ける資料を添付します。
その他、家庭裁判所から相続人たちに郵送する通知のための郵便切手代、収入印紙料金等の費用がかかります。
遺産相続調停申立書が家庭裁判所に受理されると、家裁調停への出頭通知が届きます。
その出頭期日に家庭裁判所の調停室にいくこと。これが遺産相続調停の流れ・その2です。

遺産相続調停に限らず、家裁調停では、申立人は申立人控え室、他の者は相手方控え室で待機し、調停委員に呼ばれる度、代わりバンコに調停室に入ります。
調停委員は、申立人および相手方にそれぞれ「相手はこう言ってる」というのを伝言板役として伝え、「あんたはどうする?」と意見を尋ね、更にそれを相手方に伝えます。
家裁調停の控え室が相手方と申立人と分れています。

遺産相続調停の初回には、調停の手続き説明のため、双方が調停室で顔を合わす事もありますが、その後は、直接、顔を合わさせずに委員が伝言役をやるのには理由があります。
離れていれば冷静だが対面させるとヒートアップして罵り合いのケンカになることがあるからです。
しかし、その地域の家裁の狭さや間取りによって、申立人と相手方がハチ合わせ状態になって睨み合いになることもあります。
ここで、調停委員によどみなく自分の主張を伝え、調停委員にこれを理解させること、これが遺産相続調停の流れ・その3です。

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遺産相続調停では何回も協議を重ねて、次の事項について状況を確認および決定し、最終的に相続人・共有者たちの合意をまとめます。

  • 各相続人の共有持分の範囲確認
  • 相続遺産の評価額について確認
  • 寄与分や特別受益の調整確認
  • 相続持分+遺産分割方法の確認

相続人によっては、生前贈与の差別や遺言持分などについて調整を取りにくいこともありますが、これら時効を調停を重ねて確定させることが、遺産相続調停の流れ・その4です。この段階は重要です。

家裁調停は、原則、相続人同士の会議で調停委員会はこの遺産相続調停の司会進行・ホスト役という建て前があります。
しかし、実際は法律的に分らない点を教えてくれたり、良い方向に行くようコーチングしてくれたりします。
民事訴訟の際も、弁護士さんナシで争っていると、裁判官がしきりに和解提案してくれたりしますが、家裁調停を自分で申し立てて、弁護士さんナシでやっていると調停委員がたくさんアドバイスしてくれて、【家裁ってなんていい公共施設なんだ!】としみじみ感じます。
遺産相続調停において、【申立人 VS 他の相続人】の間で合意がまとまったら、家庭裁判所が調停調書を作成してくれます。
これが「遺産相続調停の流れ」のラストです。

調停に代わる審判

上述の通り、家裁調停の調停調書には、裁判の判決にも似た債務名義としての効力があります。
遺産相続調停調書でまとめられた決定事項を強制執行手続きで実現することが可能です。

さて、遺産相続調停調書がまとまれば、このようなエンディングになりますが、調停が不調・不成立で終わることもあります。
遺産相続調停調書が不成立となった場合、調停に変わる審判、つまり本裁判として遺産分割審判に争いが自動的に移行します。

住宅売却は金額が大きいから混乱しないよう注意。

遺産分割審判

遺産分割審判とは、遺産相続調停で相続人等の合意がまとまらず、遺産分割割合が決定できなかった、その調停に代わる審判として引き継がれ、本裁判形式の手続き、つまり【話し合い(調停・和解)】はもうありえず、【審判(勝ち負け)】を決める法廷闘争へと流れたことを意味します。

遺産分割審判に移行した場合、共有持分を放棄した相続人以外は、これ意向は対立する者同士として、家裁調停室ではなく、地方裁判所の法廷で裁判官の前で対面しながら遺産分割割合を争うことになります。
遺産分割審判をする法廷においては、もう和解をする必要もありません。相続人それぞれが自分に有利な証拠資料を用意し、金融資産や共同名義の状態にある不動産の持分をゲットするために法律論で戦います。

家裁調停は弁護士さんに頼まず、一人で自分自身でトライしてもそこそこイケます。自分で遺産相続調停の申立書を書いても調停委員さんが間違いを正してくれるので何とかなります。
しかし、遺産分割審判へ移行する流れになったら、その時点で相続専門弁護士を探す方がいいかも知れません。

遺産相続分割割合

遺産分割審判は、共有者相続人の主張・証拠が出尽くすまで続けられ、その主張の論理性を鑑みて、遺産相続分割割合を審判するものです。
但し、裁判所の判断でまだ和解の可能性があり、話し合いの機械を持たせたほうが当事者間の遺産相続分割割合への合意を得られて、上手くまとまると考えた場合、裁判官から話し合いの提案をする事もあります。
分割割合の話し合いがまとまったり、裁判所の審判が出れば、判決として決定し、遺産分割審判が終了します。

遺産分割審判の決定に基づき、遺産相続割合に従って共有持分が割り振られ、この審判に違約することがあれば強制執行手続きも可能です。
強制執行されることに不服のある共有者は、2週間以内なら即時抗告ができます。即時抗告すると高裁の抗告審(再審理)で不服申し立てに理由があるか判断されます。

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