住宅ローン残るなら任意売却より競売のがヨクね!?

【 このページは、競売より安値買取処分されかねない任意売却の(住宅ローンは残るのに裁判所の競売を回避し現金を残せる?という宣伝に対し)費用や手続きのデメリットを検証しています。】

任意売却は得なのか?「費用を買主負担」は大嘘?

任意売却の疑問点の第一は、「競売よりも金がかからないって本当ですか」、というものです。この質問に多くの任意売却専門業者は、「お客様の負担金はありませんし、引越し代金も購入者が払います」等と解答します。

でも抵当権一杯に借金した債務過剰で、さほど個性もない物件を、どこの誰が高額で購入して引越し代までプレゼントするでしょう。抵当権抹消費用から全て、任意売却の売買代金の中から差し引かれるのは言うまでもありません。

建替えやリフォームの査定価格は自己計算、の挿絵

この項では任意売却で広く伝わるデマを、質問と回答によるFAQ形式で分りやすく解説し、消費者に正しく「任意売却か競売か、『返済(リスケジューリング)』か」の選択ができるよう比較して紹介します。

疑問:任意売却を依頼したら競売までに責任を持って売買してくれるの?

解答:任意売却も常にいつでも成立するわけではありません。特にオーバーローン物件は売却可能金額が、債権回収額に満たない場合は債権者側承諾が得られないことが多いです。

金融は金利が増え続けるから貸す側が儲かる。

第2順位抵当権者以下の債権者が、債権回収額に満たない配当しか得られなければ、任意売却自体に拒否の意向を示すのは当然の成り行きです。

そこで、任意売却価格を詳細に調査検討して、債権者に納得して貰える返済プランとしての売買計画を示すことが必要になります。

疑問:差押登記されてる物件でも任意売却システムで購入希望者はいるの?

解答:債権者の同意が得られれば、差押登記の入った競売物件を買い求める不動産会社はあります。つまり競売の申立を受けて登記の入った後からでも任意売却は可能です。

住宅ローンの借金による担保設定で金縛り。

ただし、競売の開札期日の前日までに売買を完結しなければなりません。競売による手続きで売却が完了してしまいます。この点は、買主が業者であれば売主は気をつけなくていいでしょう。

質問:任意売却完了後、売渡し物件に自分の都合でしばらく住めますか?

解答:原則として、売買代金の決済の日までです。つまり、自宅にいられる期日は競売手続きによる場合と大差ありません。代金決済日には、「引渡し」が必要です。家財道具等の動産類の搬出が完了してなければなりません。

建替え時の一時引越しのイラスト

任意売却で物件を購入したあとも、購入者に相談して引越しをゆっくり考えるなんていうのは難しいです。ただし任意売却専門業者ならば引き渡し時期には融通が利くでしょう。その延長居住期間も買取料金に反映されますが。

質問:任売ではなく「競売」で裁判所の立ち退きから逃れる手はないの?

解答:昔は、裁判所の競売が終わり、落札者が現れても「短期賃借権」を行使するウンヌンでしばらく居座ることはできました。(当時でも違法といえば違法でしたが)

今は、競売落札者の立退き申請から逃れるまともな方法はありません。「競売開始決定通知」が届き、半年位で競売落札となります。

当然、その間は住み続けることができますが、落札されても居座る者は「不法占拠者」となります。元・自宅を出ていかなければなりません。

もちろん、「引越し代」も手当てされません。「ゴネれば立ち退き料金をもらえる」といってすり寄る事件屋もいますが、注意ください。

質問:任意売却の「同意」とはどういう意味?借金相手全員の承諾がいるの?

解答:任意売却とは、不動産所有者が債務支払いを延滞し、債権者から不動産抵当権の実行を受けて不動産を差し押さえられ、競売で処分される前に不動産を売却することです。

クレジットカードトラブルは借り易さが原因。

もちろん、これには住宅ローン・不動産担保融資・手形小切手債権などの債権者であり、「抵当権実行者」である人々の同意が必要です。

この場合の同意とは、「残債務に対する支払いを任意売却で一括返済できないから、その後も月々小額づつ返済するという『口約束』に納得してもらう」ことになります。

質問:任意売却の対象は?(普通の売買仲介との違いや任売の期限は?)

解答:任意売却を検討されたほうがいい方とは、住宅ローンが3ヶ月以上滞納していて銀行他の金融機関から債務の一括請求されている方、「競売開始決定通知」が来ている方です。

債権者から一括請求がきても無視し続けていると、当前、債権者は債権回収のための差押と「競売」を申し立て、裁判所の競売で落札され、不動産の所有権がなくなります。

信販・割賦販売契約は作りすぎてハマる。

そうなる前の方、競売直前の方などが任意売却を考慮しなければならないギリギリの対象者です。

裁判所の競売手続き、任意売却に関するリンク一覧

住宅ローン滞納からの競売による自宅処分の流れ

裁判所の競売で不動産が安く売られるのを阻止するために、競売で流れる前に裁判所外で高値売却する(そういう民間での不動産仲介をしてくれる不動産屋が存在してボランティアのように働いてくれる)のが任意売却の理想、というか都市伝説です。

任意売却の実態は、不動産業者が超割安価格で買叩くように買い取り、住宅ローンは残債として残るわ、引越し費用は無料といいつつも手元に1円も残らないわ、結局弁護士費用か何かを取られていたわ、で踏んだり蹴ったり、という感想を持つが多いです。

それなら任意売却せず、裁判所が競売手続きを進行させるのを見ながら、自宅に住み続ければ、ま、いっか、と考えるのが一般的です。以下では、住宅ローン滞納からの競売の流れ、競売で自宅を処分するメリット・デメリットを質問に対する解答形式で解説します。

質問:住宅ローン滞納から競売までの流れとリスケジューリングを教えて?

解答:住宅ローンを滞納すると、文書による督促がきます。ここで支払い計画を約束するリスケジューリングをすれば、任意売却をして「自宅を失う」必要はなくなります。

借金の欲と自ら縁を切る、カードを切断する。

しかし、債権者からの支払い督促を無視すれば、当然、滞納3ヶ月で事故案件として個人情報センターに通知、登録がされリスケジューリングの機会は今後なくなります。

ちなみに個人情報登録が完了すると、ブラックリスト債務者としてクレジットカード等の使用ができなくなります。そして、銀行から見て、滞納3ヶ月から6ヶ月で今までの支払い期間の猶予がなくなる「期限の利益の喪失」となります。

ローン残金全額の一括請求が、金融機関または保証会社から通知されます。このあとは、債権者側の弁護士が不動産を差し押さえ、競売により債権を回収します。

質問:競売の売却金は住宅ローン債務を引かれて口座に振り込まれるの?

解答:競売とは、裁判所が不動産を強制的に売却することです。通常は、競争入札により、最も高い価格を入札した者が落札します。落札者が裁判所に代金を納付した時点で「所有権」は落札者に移転します。

この場合、裁判所(国)が売主です。個人の要望は聞き入れてもらえません。

また競売で不動産が処分されても(任意売却の場合も)住宅ローンは無くなりません。銀行は競売で回収できなかった不足分を債務者である持ち主に給料差押といった形で請求します。競売回避策としては以下のものがあります。

貯金やマネープランなしで住宅購入する。

残債務の一括返済

残債務を一括返済できれば、自宅に住み続けることができます。これは競売になるまで借金を放置した多額債務者には不可能です。

親子間売買(親族購入)

資金力のある親族がいて関係が良好なら、親族に任意売却し、賃貸で借りるという方法もあります。これができれば自宅に住み続けることができます。
但し、親族が購入資金を保有しているか、諸条件はありますが、新たに住宅ローンを組めることが必要となります。

条件変更

住宅ローン以外に借入れがなければ、銀行・信金信組に住宅ローンの「条件変更」の相談をしてみるのも一案です。

民事再生

住宅ローン以外に信販・クレジット・消費者金融に多額の借り入れがある場合、民事再生という法的手段があります。

自己破産

民事再生が困難なほど多重債務に陥っている場合、自己破産するのが安易ながらも一番の解決策になることがあります。当然、自宅は手放すことになります。

裁判所の判決と競売でローン地獄の自宅が売れた。

質問:住宅ローンの月々支払いは減額可能?競売直前でも交渉できるの?

解答:住宅ローンの減額支払いは可能です。これは債権者(金融機関)に支払条件を交渉し、月額払い・ボーナス払いの金額変更を行えます。

個人でも交渉可能ですが債務免除はできません。このさい、返済期間の延長をして月々の支払いを抑えるため以前より債務額は増えます。

これは弁護士を入れても一緒です。また、月々の支払い条件を変更した後に返済を滞納すると、当たり前ですが住宅ローンの残債務を一括返済で請求されます。

質問:期限の利益の喪失とは?住宅ローンを借りてる側の損害ですか?

解答:「期限の利益」とは、債務者が債務の返済を、分割で支払える権利です。これは、住宅ローンを返済し続ければ、銀行・債権者は一括返済を要求できないという意味です。

裏を返して、「期限の利益喪失」は、債務者が住宅ローンの支払いを滞納したり自己破産など契約違反が生じた場合に、債権者が一括回収できるという意味です。

住宅ローン返済中に、「期限の利益喪失」になれば、住宅ローン残額の一括返済を求められます。その債権回収手続きが「競売」です。期限の利益の喪失の通知を受取ってからの選択肢はほとんどないです。

  • 友人や親族に、残債を満額返済できる金を借り、借金をゼロにする。
  • 任意売却手続きのうち、有効手段を活用し、金融機関を説得する。
  • 放置して、裁判所の競売で家を処分される。

以上のように任意売却に至るまでのルートは限られます。債務者・自宅所有者さんの意思決定がキーとなります。

住宅ローンの審査や特例に関するリンク一覧

固定資産税や都道府県税・国税の滞納はどうなる?

質問:任意売却のメリットは?滞納していた税金まで処理してくれるの?

解答:一般に任意売却のメリットといわれるのは、以下のことです。

  • 所有者・債権者・買主が話し合いにより納得して緩やかな返済が可能。
  • 一般の売却と同じ販売方法のため近隣住民に「秘密厳守」にできる。
  • 通常不動産を売却する際支払わなければならない費用が債権者より支払われる。
  • 不動産会社への仲介手数料が不要。
  • 抵当権抹消費用がかからない。
  • 滞納分の固定資産税・住民税が解消できる。
  • 引越し費用等を手当てしてもらえる。

上記のことが任意売却のメリットと言われますが、上記の「一見、お得にみえる『費用負担ゼロ』が実際は任意売却価格に上乗せされる」のは少し考えればわかります。

相続・固定資産税、税金の負担は大きく重い。
任意売却のメリットは、2つ。

  • 分譲マンションを手放す時に(自分自身で手続きするのではなく業者に頼めば)滞納した管理費・修繕積立金に対する返済リスクがなくなる。
  • リースバックが可能な場合だけは、そこにすみ続けられるから、借金で家の所有権がなくなったことを周囲に知られない、ということ。

この2つ以外には任意売却のメリットはありません。
(任意売却をしたら、一般的にはそこから「引っ越す」わけです。今まで馴染んできた近所の方に家を手放したのが知れるのは当然で、「引っ越すまでの間だけ秘密にしたい」程度の近所づきあいなら秘密にしようがオープンにしようが関係ないともいえます。どのみち後々で「噂」の的になります)

疑問:住宅ローンの他、固定資産税や国税を滞納しているが任意売却可能か?

解答:住宅ローン以外の抵当権や差押が入っていても任意売却も不動産買取も可能です。

税金の徴収は優先的で、自己破産しても滞納した税金支払い義務は免れませんから、税金支払いは任意売却時でも最優先です。あとは不動産担保金融会社さんの「所有権移転仮登記」や「持分売渡し仮登記」などが入っていても売買には支障はありません。

固定資産税の差押えがほとんどですが、その他住民税・源泉税・国民保険・自動車税などの滞納でも自宅の差押えを受けることがあります。これらの原因は、債務者があまりにいい加減に支払いを延滞し続けているからです。自宅に差押えがつく前に役所に分割で支払う約束をすることをお勧めします。

任意売却とは関係ない話ですが、差押がついてしまった後でも、少しづつでも納付することにより差押えの解除の交渉が出来ることがあります。

自宅売却後の住宅ローン残債(借金)の支払い義務

質問:任意売却しても借金をゼロにするには自己破産しないといけないの?

解答:〝任意売却をして家を失ってしまったら後は失うものは何もないから自己破産しましょう〟といって破産弁護士を紹介する任売業者は多いです。

自己破産して免責が認められると住宅ローン残債務の支払いはしなくてよくなるという事実はあります。家を失ったら、住宅ローンなど払いたくないという債務者には、都合のいい話です。

しかし任意売却をしても自己破産すべきではないし、家を失ったらすべて終わりという考え方は、弁護士からの紹介料でも稼ぎたいという業者のセールストークです。

任意売却をして残った債務は支払うべきです。多くの債権者は、月々ごとの分割払いに応じてくれますが、厳しい債権者は給与を差押えることがあります。

質問:任意売却のデメリットは?『住宅ローン残債が消滅する』はウソ?

解答:任意売却を「秘密厳守」で行うことはできません。

家の売却で見学者多数を説明する絵

債権者の同意

任意売却には、「債権者」すべての同意が必要す。登記されている権利者ひとりでも反対すると任意売却できません。

連帯保証人の同意

任意売却には、「連帯保証人」の同意が必要です。住宅ローンを滞納すれば債権者は主債務者・連帯保証人のどちらからでも債権回収は可能です。
そして、任意売却を強行して残債が残れば、それも連帯保証人に請求しようと思えばできないこともありません。
かように連帯保証人の地位は重要で、同意を得られなければ競売を選ぶしかありません。保証人が行方不明・連絡不能の場合も一緒です。

手続き・交渉の困難

任意売却では住宅ローンを融資している銀行など金融機関に、物件売買の同意を得るための交渉が必要です。
任意売却では、住宅の売れた代金で住宅ローンの残債務全額を支払いきれません。となると債権者は残債務の債権回収を無担保で実行しなければなりません。

100%任意売却を成功…不可能

また、任意売却業者に依頼しても「100%任意売却を成功」されることは不可能です。
任意売却を代行する不動産会社も弁護士も「債権者に強制力がない」ため、ていねいに交渉を繰り返す以外に方法はありません。

任意売却が許可されない

また債権者の同意があっても、「購入者あっての任意売却」ですから、売買価格が折り合わず取引決裂も多いです。
任意売却会社が買取保証をするケースもありますが、その売買価格が安すぎると債権者が任意売却を許可しないこともあります。
住宅ローン返済が滞り、競売直前になって、任意売却相談を始める場合、時間がなくて結局競売になることもあります。

秘密厳守で自宅売却は無理、の図

内覧で近所に知れわたる

任意売却をふつうに行う場合、買い手さんに内覧をしてもらわなければなりません。
内覧するということは、近所に「家を売る」ことを知られることです。この点、任意売却業者が宣伝する「秘密厳守」がウソだということです。
任意売却が失敗に終わると、近隣住民に任意売却が広く知れわたり、かつ競売で家を手放すという惨状になります。

質問:保証会社が代位弁済するのなら、そこに残債を月々支払えばいいの?

解答:代位弁済とは、住宅ローンの支払いが滞った場合、債務を保証した信用保証会社や保証協会がローン利用者に代わって、残債ローンを支払う(保証会社が住宅ローンを肩代わりして銀行に元本と利息を返済)ことを意味します。

代位弁済になる期間は、銀行により様々です。普通なら住宅ローンを滞納して約6ヶ月で代位弁済が行われます。この際、保証会社は弁済した全額について債務者に対して求償権(支払いを求める権利)を取得します。

質問:任意売却した後は住宅ローンは払わないの(残債務は消えるか)?

解答:住宅ローンは残ります。そして、住宅ローンの残債や延滞金は、自己破産でもしない限り、全て支払わなければなりません。

なのになぜ任意売却するかというと、競売で落札されるより任意売却で売るほうが自宅を高額で売却できる可能性があるからというだけです。

ローンや借金の支払いでいつも銀行残高がない。

高く売れれば住宅ローンの残債務が減少し、その後の借金支払いが楽になるということです。任意売却で担保としての不動産が消えますから、その後の借金は無担保債権として銀行などの金融機関からサービサーに引きつがれます。

銀行もその先のサービサーも不動産を担保としての住宅ローン支払いさえしない人間が、無担保貸し付けとなったら、更に支払いをしなくなることは解っています。

もちろん自己破産し免責が決定すると、返済しなくてよくなります。だから、任意売却に対し、銀行などの金融機関はいい顔をしないわけです。

疑問:住宅ローンの抵当権の抹消はいつされて、いつ他人名義になるの?

解答:住宅ローン借入れで契約したとき不動産に付けられた抵当権の抹消は代金決済と同時に手続きが行われます。売り渡す側は抵当権の抹消のことなど考える必要はありません。

代金決済の現場で書類を整え、司法書士により、当日、法務局に対する所有権移転登記、抵当権抹消登記の申請が完了します。

離婚と共有名義・連帯保証、ローン支払いの協議方法

離婚で住宅ローン名義変更は不可能、の図

質問:夫婦共有名義の不動産(ローン残高有)は離婚後に任意売却できるの?

解答:共有名義の場合、多くは連帯債務者・連帯保証人となっているため、どちらもブラックリストになり、また支払いを求められます。

競売をしても任意売却をしても、のちの債務支払い義務は残るので離婚前に協議をすることが必要です。しかし協議する関係に戻れないのが一般で、相手が行方不明になっていることがあり、「所有権移転ができなくて任意売却が不可能」なことがあります。

住宅ローン債務を片付けるために、不動産業者・調査会社(探偵)・弁護士に多額の費用を請求され、かつ、「任意売却は失敗」ということもあります。こういう場合は、「任意売却よりも離婚協議」に弁護士費用を使うことに専念するか、開き直って競売流れになるのに任せるか、どちらかです。

質問:慰謝料として、住宅ローン支払いせず不動産名義だけ変更できるか?

解答:所有者名義は変更が可能です。しかし住宅ローン支払いに付き金融機関の承諾が必要です。

金融機関との契約をご確認(金融機関に直接相談)ください。離婚するからと言って勝手に名義を変更することは出来ません。

ローン名義の変更または借り換えには、新たな保証人が必要な上、金融機関の承諾が必要です。

質問:離婚後は住宅の税金はどうなる?財産分与すると贈与税がかかるか?

解答:住宅ローンも財産分与のひとつです。マイナスの財産であっても「財産」に変わりありません。譲り受ける側としてはプラスの財産との相殺を計算しなければなりません。

離婚の場合、不動産の財産分与で以下の点について注意が必要です。

贈与税

離婚による財産分与では、「贈与税」は原則課税されませんが、離婚の事由が脱税目的であると判断されたり、分与額が不当に多過ぎと判断されたり、税務署に財産分与であるとしっかり説明できないものには贈与税がかかります。

譲渡所得税

財産分与の住宅評価額が、購入時より高い場合、「利益を受けた」と判断され、夫など分与した側に譲渡所得税がかかります。
これは離婚成立「後」に所有権を移すなど、一定条件を満たせば非課税にできます。
婚姻期間が20年を超える夫婦が離婚により居住用不動産を贈与する場合に限り、2000万円の配偶者控除があります。
これは離婚成立「前」に所有権を移さねばなりません。

不動産取得税

財産分与される人が不動産を取得した時点で不動産取得税がかかります。
離婚では贈与税扱いになり、原則は不動産取得税は発生しませんが、「慰謝料名目」であったり、生活のために分与した場合、課税対象になります。
合意書を事前に交わすことにより、不動産取得税を払わずに済む場合もあります。

登録免許税

もらった不動産を法務局に登記する時点で、分与を受けた人は登録免許税がかかります。合意書を事前に交わすことで、分与した方が支払うこともできます。

質問:離婚後には「住宅ローン控除」はどうなるのか?損する点はなに?

解答:離婚しても住宅ローン控除は可能です。ただし以下の一定条件を満たす必要があります。
夫婦で借金に悩み、それが原因で家庭不和。

住宅ローン名義人が居住

住宅ローン控除は、ローンを組んだ契約者自身が居住していることが要件です。
住宅ローン契約者である夫が離婚後そこに住み続ける場合には問題ありません。妻が住宅に残り夫がよそに出て行くさいには住宅ローン控除は受けられません。
夫が立ち退いて、妻がそこに居座る場合には「妻名義」での住宅ローンを組む必要、「住宅ローンの借り換え」が必要になります。
住宅ローン借り換えをして住み続けるのであれば、妻が控除を受けることが可能となります。

10年以上のローン

住宅ローン控除には「ローン返済期間が10年以上」という要件があります。
住宅ローン借り換えのさい、「返済期間」に注意が必要です。10年未満となれば、控除を受けることができません

新築から25年以内

「住宅ローン借り換え時に注意するべき点として新築から25年以内(耐火建築物でなければ20年)であることも重要です。
これは「住宅を取得した日以前、25年(または20年)以内に建築されたかどうか」が基準になります。
「離婚時に所有権を取得した」場合、そこから逆算して25年または20年以内に建築された建物である必要があります。

財布の中身がないのは将来が無いこと。

質問:離婚を機会に、相手の借入れの連帯保証人から外れられますか?

解答:離婚するさいに、自動的に連帯保証人から外れることはできません。住宅ローンに関しては債務者である夫と連帯保証人である妻は、「それぞれ個別に金融機関との借入れ契約を交わしている」ことと「同じ意味」だからです。

連帯保証人から外してほしい場合、自分に代わって金融機関が納得する資産を持っている人を探して、その人を連帯保証人にたてなければなりません。連帯保証人制度とは、そもそも厳しい制度です。