0円住宅・賃貸併用住宅のデメリット=売電収入でローン0円は不可能

0円住宅

0円住宅ゼロ円住宅)とは、新築や建て替えしたその建物自体に月々の住宅ローンと同等の収益を産む仕掛けを用意し、これにより新しい家の取得金額を実質0円に導く、住宅販売スタイルを意味します。

「0円住宅」という単語からは、住宅メーカーのモニターや行政による家賃フリーの無料宿泊所をイメージしますが、このページの0円住宅は賃貸併用や売電収入による住宅ローン負担0円の家のことです。

査定価格0円

賃貸併用住宅と太陽光発電売電収入で0円住宅

0円住宅は、新築建設・購入費用および建て替え費用の住宅ローン支払いを実質0円にする住宅プランですが、その実現には大きく分けて2通りの方法があります。

1つは新築住宅を完全分離型二世帯住宅間取りにして、そのうち1世帯を他人に貸し家賃を取る「賃貸併用住宅の0円住宅」。

もう1つは建物にありったけソーラーパネル・太陽光パネルを敷き詰め、売電収入を得る「太陽光発電売電収入の0円住宅」。

ローン0円住宅

住宅ローン支払いを抜きに考えると、賃貸併用0円住宅は昔から「下宿付き住宅」として存在していましたし、太陽光発電住宅は「太陽光発電による光熱費の節約」システムとして存在していました。

しかし、「ローン0円住宅」というキャッチフレーズ1つで「無料で持ち家オーナー!?」という錯覚に陥ってしまうのが恐いところです。

賃貸併用・太陽光売電収入の2つのローン0円住宅の仕組みを実体験から説明してゆきます。

0円住宅と賃貸併用住宅ローン

賃貸併用住宅の0円住宅は、「賃貸併用住宅の住宅ローンは賃料と相殺すると支払い額が実質0円になる」というしごく当り前の話です。賃貸併用住宅は大学や専門学校がひしめく東京都内23区には昭和の初めからありました。

都内の賃貸併用住宅に対する住宅ローンは「賃貸併用住宅ローン」として、建物自体に収益効果があるため「融資枠」が一般住宅より多かったのです。しかし、賃料で相殺し住宅ローンが実質0円になる・・・とはセールスされませんでした。

ローン0円住宅と賃貸併用住宅ローンの違い

なぜなら、今時のローン0円住宅と違い、賃貸の居室が1世帯分だけではなく、ワンルームで複数室あったため、賃料収入は住宅ローンを0円に相殺するどころか、「儲け・固定収益」といえるほど多かったからです。

これの意味するのは、賃貸併用住宅を建てるなら複数借家人からの賃料を稼ぐべきで、2世帯間取りで1世帯を貸し出すだけでは、「良くて住宅ローンが0円になるだけ、未入居だと空室分の住宅ローン負担がかかる」と言うことです。

賃貸併用住宅は「下宿屋」的なニュアンスで、アパートを建てれば入居者が集まる昭和時代の産物です。

空き家対策法によって行政対応しなければならないほど空き家の増えた時代に、わざわざ自分ともう1世帯しか住めない不便な2世帯賃貸に「ローン0円住宅」の成功を夢見るのは、経営感覚がズレているといえます。

0円住宅デメリット

新しいアイデアでもない賃貸併用住宅でのローン相殺による「0円住宅」の、唯一、画期的な点は住宅販売会社が空室リスク負担を請負う「物件の一括借上げ」を行う・・・と約束する事です。

一括借上げをし家賃を代払いしてくれるなら、貸室の空室というローン0円住宅デメリットをカバーできます。

でも多くは2年毎の契約更新で未入居を理由にドンドン家賃補償額を下げてしまいます。「約束」は反故にされます。

住宅設計を考える

0円住宅のリスク=家賃0円住宅(収入ゼロ)

東京地裁の受付に行くと、その日どこの法廷でどんな裁判が行われているかチェックする事ができます。

今、東京地裁の民事裁判ではサラ金の「過払い請求並み」に、家賃保証を謳っていたデベロッパーと【家賃0円住宅(入居者0で収入ゼロ)家主】との賠償訴訟がひんぱんに行われています。

入居者がなければ賃料ゼロが続き0円ビジネスモデルが破綻する、賃貸併用住宅・0円住宅のデメリットを浮き彫りにする事態です。

賃貸でローン0円住宅を実践するプランは、このように0円住宅のリスク(家賃収入0円住宅)が現実化しやすく、それを隠す営業トークにも無理が生じるのか0円住宅を公言する工務店はなくなりました。

賃貸併用住宅デメリット

【2世帯だけの賃貸併用住宅(自宅併用賃貸住宅)】をローン0円住宅のつもりで建てても、入居者が集まらないのは、夫婦世帯向け間取りにあります。

これだけ世の中が賃貸物件で溢れている中、あえて「1階に大家が住んでいる2階建ての家に住みたい」と思うカップルがいるか、という心理的デメリットです。

私の周囲には1夫婦だけ賃貸併用住宅のデメリットを考えず、建てて後悔している「失敗例」がいます。

その1夫婦だけで判断するのは乱暴ですが、大家が高齢者ならまだしも、3~40代の夫婦が所有する2世帯住宅の2階にはターゲットである同年代の入居者は集まりません。

賃貸併用住宅、間取りによるデメリット

借家を探している夫婦でも、自分達とそう変わらない年代の夫婦の持ち家を間借りするという「格差」を感じるような暮らしを選ばないからです。

同世代の男が持ち家(賃貸併用住宅)なのに、その賃貸併用住宅を仮住まいにすることは、入居夫婦の夫のプライドに障るというデメリットがあります。

また、家主夫婦が老人ならまだしも、働き盛りだと性的にも元気だったりして、入居側の妻としては少々気持ちの面で拒否感を感じる事もあります。

2世帯だけの賃貸併用住宅のデメリットは、かように入居者が集まりづらい心理的な障壁が実存するという点にあります。

子の賃貸併用住宅のデメリットは、2世帯という密接な関係の間取りにあり、建ててからは解決しようがありません。

そこそこの敷地面積があって賃料収入を得たいなら、いっそ、2Fは狭くていいのでUB付ワンルーム間取りを2~4室、1Fを自宅にしたワンルームアパートにした方が、入居ニーズが確実にあがるでしょう。

賃貸併用住宅失敗例、住宅ローン0円の家成功例

ローン0円の家を建てた賃貸併用住宅失敗例は1件だけですが、実は、住宅ローン0円の家の成功例は、3件も知り合いにいます。

「それなら、賃貸併用の0円住宅はイケてるじゃないか!」と思われるでしょうが、3件とも居住を目的とした2世帯の0円住宅ではありません。

3件とも都内23区の商業地域に近く人通りの多い立地に建てた「店舗併用住宅の賃貸物件」です。

店舗併用住宅ローン

これら、店舗併用住宅の賃貸物件は1階をテナント貸しし2階3階を自宅にしている3階建て住宅です。

店舗商売に適した場所にあるだけで、店舗併用住宅として賃貸するのは1階だけでも、賃料を高く取れれば1階だけの収益で充分ローン0円住宅が実践できます。

店舗併用住宅ローンは建物規模も普通の戸建てより大きいし、構造も店舗と住宅とは別であるから複雑になり、建築費用が高いので融資額も大きくなります。

しかし、収益性のある商業立地なら、銀行も店舗併用住宅ローンの貸し出しに柔軟な姿勢です。

個人相手の賃貸業は空き家だらけで頭打ちですが、商業者相手の賃貸は優良な場所なら、その場所でどうしても商売したい事業者相手に正当な賃料で勝負でき、空室リスクという0円住宅デメリットを充分カバーできるのです。

建て替え、リノベの写真

店舗併用住宅こそローン0円住宅【収益≧支払】

店舗併用住宅は、注文主と設計者の相談の上で決めていくモノですが、建築施工側から「賃貸料収入でローン0円住宅が実現できます」なんてセールストークは使いません。店舗併用にした結果、住宅ローン負担が実質0円になっただけです。

また、3件とも親の代からそこに住んでての「建て替え派」です。土地は親から相続し、容積率が余っているので建物を旧2階建て住宅から3階建てに建て替え、その建て替え費用の住宅ローンが0円である、という話です。

店舗併用住宅賃貸・ローンゼロ円住宅デメリット

だから、土地購入からはじめて住宅ローン0円住宅を成功させた例ではありません。土地建物丸ごと購入する費用を、賃貸収入で0円に相殺するのは、店舗併用住宅でもかなり難しいといえます。

店舗併用やアパート併用住宅(2階以上をワンルーム貸し)なら、商業者ニーズの手堅さや複数借家人から複数賃料を稼ぐ事で0円住宅のリスク(入居者ゼロで賃料収入ゼロ)をギリギリ回避できる可能性があります。

でも、まだ入居予約さえない状態で、いつか現れる未来の1人だけの客(2世帯賃貸の2階居住者)に期待し、住宅ローン0円(住宅購入資金、実質0円)を成功させようというのは虫のいい考えである、ともいえます。

売電収入住宅ローン

売電収入住宅ローンという言葉をよく聞きますが、そういう住宅ローンがあるわけではありません。

太陽光発電売電収入住宅は、「太陽光発電の売電収入で住宅ローン負担を実質0円にする」という、エコ住宅の販売トークの1つです。

売電収入住宅ローンは、太陽光発電セールスのさいに売電収入で賄える住宅ローンという意味を、簡略化して、売電収入住宅ローンと呼んでいるにすぎません。

2011年の東日本大震災直後、ソフトバンクがメガソーラー事業に名乗りを上げたり、森ビルが画期的な自家発電で(本来、供給者である)東京電力に電力を売るというすごいニュースが流れました。

その直後、いきなり太陽光発電事業者が増殖し、「庶民も売電収入によって金持ちになれるかも?」という怪しげな情報とともに、この「売電収入で住宅ローン0円」をうたった住宅プランが話題になりました。

太陽光発電売電収入と住宅ローン0円住宅の評判

震災前までは、自分の家の電力くらい自分で賄おうという光熱費0円住宅が一般でしたが、震災後、突然、太陽光売電売電収入で持ち出し0円で家が持てるといった風説で、太陽光ビジネス自体がギラギラしたイメージに変わりました。

メリットを計算する電卓の写真。

太陽光売電収入住宅で住宅ローン0円を実現するには、日当たりがよく住宅のまばらな地域に50坪以上の家を建て、屋根から壁から外構の門扉周りまで太陽光パネルをありったけ貼り付ける事が必要です。

ローン0円住宅のパンフレットの写真にも、広々した邸宅のラグジュアリーさを台無しにするように所狭しとソーラーパネルが敷き詰められています。「ここまでしないと売電収入で0円住宅にならないの?」と残念に思います。

太陽光発電売電収入の営業マンたちは、更に広告代として支払いの足しになるからと、塀などに「○○様邸、太陽光発電システム~~」とか書かれた宣伝看板を設置するよう勧めてきます。

しかし、そこまでいくと近所の目や評判が気になるのでしょう、広告まで貼っているお宅はそんなにありません。

太陽光発電売電収入での0円住宅と省エネ基準

今、太陽光発電電力の買取価格が下がり、太陽光発電売電収入も下落しています。さらに「電力が余ったら電力会社は電力買取を停止できる」という新ルールができました。

出力抑制と呼ばれる電力買い取り拒否のルールは当り前で、民間会社たる電力会社には無尽蔵に電力を買い取る義務も無限の資金もないのです。

2020年のオリンピックの年には全新築住宅に省エネ基準が設けられます。

みんながエコ住宅で太陽光発電を開始をし始めると、太陽光発電売電収入によって住宅ローン0円を期待していた方々の資金繰りは破綻です。

光熱費0円住宅

震災の前までは光熱費0円住宅、つまり自宅の光熱費くらいは太陽光発電で賄おうという、真っ当なタイプの0円住宅プランが一般的でした。

今も光熱費節約のために小規模なソーラーパネルを設置したり、太陽光採光システムによって自然の光を利用したりするプランはしっかりあります。

でも、住宅ローン0円住宅が震災時にメディアで氾濫しすぎ、太陽光売電収入で儲かる、みたいなドラスティックなイメージがついてしまい、またネットの評判やクチコミ情報で0円住宅のデメリットが丸見えです。

儲かる商売として粗利が高い分、消費者にしわ寄せが来ることを予測してか、多くの消費者は太陽光発電自体にいい印象を持っていません。

しかし、住宅ローン0円の家というワリと虫のいい話に引っ掛からなくなっただけで、光熱費0円住宅は地道に人気であり、こういう小規模なプランを利用するほうが将来の電力事情に細かく対処できると思います。

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※追記:リフォームモニターは終了しました。※

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